【完結済】突然異世界に召喚された俺、とりあえず勇者になってみますね
第184話 私(俺)たちは、勝ちたい
そして小声でもう一度作戦を立てる。
「──わかった」
そして戦いを止めていたのは幸一をメーリングだけではなかった。
「さすがは勇者。これじゃあまずいぜ」
確かにバルトロは幸一達を圧倒したが、この調子で魔力を使い続けていればすぐにガス欠をするのは目に見えていた。
「例の術式を使え」
アイヒの言葉にバルトロは驚愕する。なぜなら──。
「正気かよ。俺が負けたら、死ぬかもしれないんだぞ」
「構わん。どのみち負ければ俺は捕まり、裁判で死刑だ。だったら、貴様の勝利にかけるしか無かろう」
彼の眼を見てバルトロはため息をつき理解した。
(その覚悟はできているようだ。だったら、答えてやるのが筋だ!)
そしてバルトロはアイヒの背中に立ち、右手で背中に触れ──。
「二人が、合体した?」
アイヒの肉体がバルトロに吸収されていった。そしてバルトロが放っている魔力がより一層強くなっているのを二人は感じ始める。
「これが究極体だ。これなら魔力も無限に近いさあ。最後の晩餐の開始だ!」
それだけではない。外見も天使ではなく物語に出てくる悪魔のような姿に変わっていて、禍々しいオーラをはあっている。
「確かに強くなってる。だが、引くわけのはいかない!」
幸一は再び剣を構え、バルトロ相手に間合いを詰める。
そして一気に剣を振り下ろす。精一杯の力を出し切った全力の一撃。しかし──。
何十にも障壁を展開され、その攻撃がバルトロに届くことはない。
「そんなお遊戯で、俺様に勝てると思うな!!」
障壁に囲まれ安全圏にいるバルトロは魔剣を幸一に向ける。そして魔剣から球状の砲弾が飛び出してくる。
空中にいるせいで幸一はかわしたくても動くことができない。
「危ない!」
メーリングがそれに気づいて幸一の方向に飛びあがり、彼を突き飛ばす。その瞬間バルトロは障壁を解除、間一髪で攻撃をかわした形となる。
しかしそれで攻撃は終わらない。
二人が落下したところにバルトロは再び砲撃を放つ。メーリングは真横へ飛び、幸一は腕を伸ばし、地面に剣を突き立てる。そしてそれを起点に軌道を変え、何とか攻撃をかわし切る。
幸一はすぐに立ち上がり同じように魔力を伴った砲弾を治療に解き放つ。
しかしそれも全てバルトロの障壁に防がれてしまう。
「強くなりすぎよ。どう戦えばいいの?」
「本当だよ」
息を切らしながら幸一とメーリングが何とか立ち上がる。サラはその痛みに耐えきれず、倒れこんだまま動かない。
「しぶといねぇ。だが、お前たちはもう虫の息。次の攻撃で、終わりだ!」
「終わるのはあなたよ」
今度はメーリングが前に出る。二人の至近距離での打ち合い。
しかし──。
(強すぎる。なんなのこれ)
一撃一撃が、今までに感じたことがないくらいはるかに重い。徐々にメーリングが押され始めてしまう。今のバルトロの速度についていくのが精一杯だ。
それでも何とか魔力の供給を上げて一歩踏み込み、反撃をする。そしてそれと同時に──。
願いをとどかせし力、逆縁を乗り越え、現出せよ
バーニング・ブレイブ・ネレイデス
幸一の援護攻撃。
バルトロはメーリングの一撃を強くはじき返すと後ろに飛んで距離をとる。そして幸一の攻撃を受けようと魔剣を振り上げる。
しかしメーリングはそれを待っていた。
ニコルプリズム・ストーム・スラッシュ
これならどちらかが防がれても、もう片方の攻撃が通る。そう考えたのだが──。
「甘いぜぇぇぇ!」
バルトロは一回転した後魔剣を力いっぱい振り上げる。すると全身から大波が出現。メーリングはあらがえずに吹き飛ばされ。幸一の術式は撃ち負けて消滅。
吹き飛ばされたメーリングのもとに、幸一が駆け寄る。
幸一は距離をとってメーリングと合流すると、バルトロをにらみながらつぶやく。
魔力、パワー、スピード。それをとっても桁違いだ。
「さあ、茶番は終わりだ。遺言の言葉でも考えるんだな──」
そして勝負を終わらせるためバルトロは魔剣を振り上げる。同時に人間ではありえないほどの強大な魔力がその魔剣に降り注ぐ。
漆黒の闇より生まれし大いなる力。混沌した世界を束ね、新たな幻想郷を創生せよ
カオス・ブラスト・アルティメット・エクスプローション
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
今までにないくらい、強力な魔力を伴った衝撃波がこの場一帯に襲い掛かる。幸一とメーリングはすぐに隅にいたサラのそばに向かう。
三人とも自身の魔力を最大限出す初め、バルトロの攻撃に備える。
しかしその防御はすぐに打ち破られ三人の体は壁に強く叩きつけられた。
そのまま地面に倒れこむ。
(魔力を防御に回しても、全然防ぎきれない)
(どうすればいいの? 全然強さが違う)
圧倒的な力の違い、それを痛感せずにはいられない。しかしそれでも勝ちたいという気持ちに変わりはない。
「私たちは」
「俺たちは」
「「勝ちたい──」」
そしてこの世界の平和を守りたい。
二人が強くそう願った時。
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥぅゥゥ──。
((新しい、力? ))
「──わかった」
そして戦いを止めていたのは幸一をメーリングだけではなかった。
「さすがは勇者。これじゃあまずいぜ」
確かにバルトロは幸一達を圧倒したが、この調子で魔力を使い続けていればすぐにガス欠をするのは目に見えていた。
「例の術式を使え」
アイヒの言葉にバルトロは驚愕する。なぜなら──。
「正気かよ。俺が負けたら、死ぬかもしれないんだぞ」
「構わん。どのみち負ければ俺は捕まり、裁判で死刑だ。だったら、貴様の勝利にかけるしか無かろう」
彼の眼を見てバルトロはため息をつき理解した。
(その覚悟はできているようだ。だったら、答えてやるのが筋だ!)
そしてバルトロはアイヒの背中に立ち、右手で背中に触れ──。
「二人が、合体した?」
アイヒの肉体がバルトロに吸収されていった。そしてバルトロが放っている魔力がより一層強くなっているのを二人は感じ始める。
「これが究極体だ。これなら魔力も無限に近いさあ。最後の晩餐の開始だ!」
それだけではない。外見も天使ではなく物語に出てくる悪魔のような姿に変わっていて、禍々しいオーラをはあっている。
「確かに強くなってる。だが、引くわけのはいかない!」
幸一は再び剣を構え、バルトロ相手に間合いを詰める。
そして一気に剣を振り下ろす。精一杯の力を出し切った全力の一撃。しかし──。
何十にも障壁を展開され、その攻撃がバルトロに届くことはない。
「そんなお遊戯で、俺様に勝てると思うな!!」
障壁に囲まれ安全圏にいるバルトロは魔剣を幸一に向ける。そして魔剣から球状の砲弾が飛び出してくる。
空中にいるせいで幸一はかわしたくても動くことができない。
「危ない!」
メーリングがそれに気づいて幸一の方向に飛びあがり、彼を突き飛ばす。その瞬間バルトロは障壁を解除、間一髪で攻撃をかわした形となる。
しかしそれで攻撃は終わらない。
二人が落下したところにバルトロは再び砲撃を放つ。メーリングは真横へ飛び、幸一は腕を伸ばし、地面に剣を突き立てる。そしてそれを起点に軌道を変え、何とか攻撃をかわし切る。
幸一はすぐに立ち上がり同じように魔力を伴った砲弾を治療に解き放つ。
しかしそれも全てバルトロの障壁に防がれてしまう。
「強くなりすぎよ。どう戦えばいいの?」
「本当だよ」
息を切らしながら幸一とメーリングが何とか立ち上がる。サラはその痛みに耐えきれず、倒れこんだまま動かない。
「しぶといねぇ。だが、お前たちはもう虫の息。次の攻撃で、終わりだ!」
「終わるのはあなたよ」
今度はメーリングが前に出る。二人の至近距離での打ち合い。
しかし──。
(強すぎる。なんなのこれ)
一撃一撃が、今までに感じたことがないくらいはるかに重い。徐々にメーリングが押され始めてしまう。今のバルトロの速度についていくのが精一杯だ。
それでも何とか魔力の供給を上げて一歩踏み込み、反撃をする。そしてそれと同時に──。
願いをとどかせし力、逆縁を乗り越え、現出せよ
バーニング・ブレイブ・ネレイデス
幸一の援護攻撃。
バルトロはメーリングの一撃を強くはじき返すと後ろに飛んで距離をとる。そして幸一の攻撃を受けようと魔剣を振り上げる。
しかしメーリングはそれを待っていた。
ニコルプリズム・ストーム・スラッシュ
これならどちらかが防がれても、もう片方の攻撃が通る。そう考えたのだが──。
「甘いぜぇぇぇ!」
バルトロは一回転した後魔剣を力いっぱい振り上げる。すると全身から大波が出現。メーリングはあらがえずに吹き飛ばされ。幸一の術式は撃ち負けて消滅。
吹き飛ばされたメーリングのもとに、幸一が駆け寄る。
幸一は距離をとってメーリングと合流すると、バルトロをにらみながらつぶやく。
魔力、パワー、スピード。それをとっても桁違いだ。
「さあ、茶番は終わりだ。遺言の言葉でも考えるんだな──」
そして勝負を終わらせるためバルトロは魔剣を振り上げる。同時に人間ではありえないほどの強大な魔力がその魔剣に降り注ぐ。
漆黒の闇より生まれし大いなる力。混沌した世界を束ね、新たな幻想郷を創生せよ
カオス・ブラスト・アルティメット・エクスプローション
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
今までにないくらい、強力な魔力を伴った衝撃波がこの場一帯に襲い掛かる。幸一とメーリングはすぐに隅にいたサラのそばに向かう。
三人とも自身の魔力を最大限出す初め、バルトロの攻撃に備える。
しかしその防御はすぐに打ち破られ三人の体は壁に強く叩きつけられた。
そのまま地面に倒れこむ。
(魔力を防御に回しても、全然防ぎきれない)
(どうすればいいの? 全然強さが違う)
圧倒的な力の違い、それを痛感せずにはいられない。しかしそれでも勝ちたいという気持ちに変わりはない。
「私たちは」
「俺たちは」
「「勝ちたい──」」
そしてこの世界の平和を守りたい。
二人が強くそう願った時。
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥぅゥゥ──。
((新しい、力? ))
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