【完結済】突然異世界に召喚された俺、とりあえず勇者になってみますね
第148話 これから
その言葉に幸一は覚悟を決める。青葉の期待にこたえるため、この世界を救うためにこの力を救うと。
その想いに答えるためにまずは宝石をギュっと強く握る。
禁断なる必殺の力、永久の戒めとして君臨し、その力、解放せよ!!
「アブソルートゼロ・オールライト・フリーズ」
そして今までにないくらい青い宝石が強く光り始める。
断末魔の声を上げながら苦しみもがくトリシュ―ラ、しかしどうする事も出来ず脚、胴体、腕、首と肉体が身体の中から凍りついていく。
そして全身が凍りつくと──。
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ──!!
その肉体がいつもの魔獣のように消滅していく。「トリシュ―ラ」が戦うことができなくなった証拠、幸一達の勝利の証拠であった。
青葉の最後の力によって──。
そして幸一はすべてに力を出しつくし脱力する。ばたりとこの場に倒れこむ。
その後救護班の兵士に発見されこの場を去っていく。
兵士達に救護され何とか宮殿にたどり着いた幸一。
改めて周囲をキョロキョロとしだす。街はどころどころ建物が崩れて怪我をした冒険者や一般人が運ばれている姿が見えるが魔獣の姿はどこにもない。
「幸君?」
聞き慣れた声の叫び声が幸一の耳に入る。彼がその方向を向くとイレーナの姿があった。
「イレーナ、今街はどうなってる」
「一番大きいのはもう倒した。ルーデルさんや、他の冒険者たち、幸君が頑張ってくれたから街はもう大丈夫そう」
イレーナの言葉に安堵する幸一。とりあえず街は守られたことが分かりほっとする。今は怪我をした冒険者の救護を行っているらしい。
「こっちはもう大丈夫そう。心配ないよ」
「ああ、ありがとうな──」
そして石畳の地面に寝っ転がり空を見る。敵はすべて倒し心を落ち着かせる。胸に手を当てながら空を見るとどうしても思い出してしまう。
(青葉──)
救えなかった親友の存在。
そしてイレーナ達が傷つきながらもこの街を守るという使命を果たしたという事実。それが青葉を取り戻せなかったという事実を思い出させ幸一の心を抉る。
「青葉にも見せたかったな……。この街を守り切ったっていうのを──」
彼が自分を責めている姿を見てイレーナが隣に座り込み何とかフォローをする。
「幸君、自分を責めないで。仕方ないよ、街を守るためだもん」
隣にいたルーデルとシスカも彼に声をかける。
「そ、そうですよ。街を守ったのは幸一さんのおかげでもあるんですから」
「まったくだ、奴だって最後まで魔王軍として戦って来た。であればこちらも全力で戦うのが礼儀というもの。貴様に罪はない、最善の手を尽くしている」
しっくりこない幸一。どれだけのフォローがあっても彼女を守れなかったことに変わりはない。途方に暮れる、すると──。
「ずいぶんしけたつらをしているのう幸一殿」
ユダであった。
一言背後からそう呟くとちょこんと隣に座る。
天使たちの規約上人間への危害を加えることは出来ない。一度天界へ帰り大天使にフィリポとトマスが人間に危害を加えたのを伝えた後、遠目から俺達をずっと見守っていたという。
いつものニヤリと何かをたくらんでいるような笑みを浮かべながら
手続きの方、終わったぞ、これでお主はもとの世界へ帰れるぞい。
いまわしが目星をつけているやつもなかなか見込みがあるやつでのう……。そいつらにこれからを任せて、帰るか?
フッと苦笑いをすると、幸一が決まりきっていた答えを出す。
「お前、わかってて言っているのか?」
「一応約束じゃからな。約束破り何て言われたくない、こういうのはしっかりやらないといかんからな……」
ユダはニッと笑い幸一に視線を合わせる。恐らく帰ってくる答えは分かっている。
「こんなんじゃもとの世界に帰れんよ、最低でも青葉──、あいつを取り戻さない限りはな……」
「そうだよ、それが幸君だよ。これからも一緒に闘おう!!」
隣で手を握っていたイレーナも納得する。
ユダも幸一をずっと見ていた。なので答えは予想できていた。彼の出した解答に驚きの様子はない、やはりということだった。
「ま、予想通りじゃ。これからもこの世界のため、戦ってもらうぞ」
ユダに驚きの表情はない。予想通りという感じをしている。
そして話をしているとコッコッと二人ほどの人物が歩いてきた。ルーデルとシスカである。
「勇者、貴様に話しがある」
「何だ?」
背後からの声に反応して幸一は後ろを振り向く。
「手を組ませてくれないか」
「流石に二人で行動しても限界があります。ルーデルさんと共に戦っていて気づきました。戦友が欲しいんです。手を結びましょう」
二人の真剣な願いに幸一は腕を組んで考える。そして結論を出す。というか結論などすでに分かり切っていた。
「ああ、俺も貴様も魔王軍を敵にしているという点は同じだ。共に戦おう。だが条件がある。どこかで俺の故郷によってほしい、力を貸してほしい」
目的は一致しているという事実。強大な敵を相手に一人でも仲間が欲しい、それもただ共通の敵があるだけでなく強い想いをもち強い力を持った人物が必要と幸一は考える。
そして──。
(青葉、お前か望んでいた願い、叶えるために──、俺に託してくれた想い、繋ぐために俺は闘う)
幸一はこぶしを強く握り心の中で叫ぶ。彼女のためこれからは負けられないと──。戦い続けると──。
次からはネウストリアを出ることになっている。どのような敵が来ても仲間たちとともに戦う、そう強く心に誓うのだった。
その想いに答えるためにまずは宝石をギュっと強く握る。
禁断なる必殺の力、永久の戒めとして君臨し、その力、解放せよ!!
「アブソルートゼロ・オールライト・フリーズ」
そして今までにないくらい青い宝石が強く光り始める。
断末魔の声を上げながら苦しみもがくトリシュ―ラ、しかしどうする事も出来ず脚、胴体、腕、首と肉体が身体の中から凍りついていく。
そして全身が凍りつくと──。
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ──!!
その肉体がいつもの魔獣のように消滅していく。「トリシュ―ラ」が戦うことができなくなった証拠、幸一達の勝利の証拠であった。
青葉の最後の力によって──。
そして幸一はすべてに力を出しつくし脱力する。ばたりとこの場に倒れこむ。
その後救護班の兵士に発見されこの場を去っていく。
兵士達に救護され何とか宮殿にたどり着いた幸一。
改めて周囲をキョロキョロとしだす。街はどころどころ建物が崩れて怪我をした冒険者や一般人が運ばれている姿が見えるが魔獣の姿はどこにもない。
「幸君?」
聞き慣れた声の叫び声が幸一の耳に入る。彼がその方向を向くとイレーナの姿があった。
「イレーナ、今街はどうなってる」
「一番大きいのはもう倒した。ルーデルさんや、他の冒険者たち、幸君が頑張ってくれたから街はもう大丈夫そう」
イレーナの言葉に安堵する幸一。とりあえず街は守られたことが分かりほっとする。今は怪我をした冒険者の救護を行っているらしい。
「こっちはもう大丈夫そう。心配ないよ」
「ああ、ありがとうな──」
そして石畳の地面に寝っ転がり空を見る。敵はすべて倒し心を落ち着かせる。胸に手を当てながら空を見るとどうしても思い出してしまう。
(青葉──)
救えなかった親友の存在。
そしてイレーナ達が傷つきながらもこの街を守るという使命を果たしたという事実。それが青葉を取り戻せなかったという事実を思い出させ幸一の心を抉る。
「青葉にも見せたかったな……。この街を守り切ったっていうのを──」
彼が自分を責めている姿を見てイレーナが隣に座り込み何とかフォローをする。
「幸君、自分を責めないで。仕方ないよ、街を守るためだもん」
隣にいたルーデルとシスカも彼に声をかける。
「そ、そうですよ。街を守ったのは幸一さんのおかげでもあるんですから」
「まったくだ、奴だって最後まで魔王軍として戦って来た。であればこちらも全力で戦うのが礼儀というもの。貴様に罪はない、最善の手を尽くしている」
しっくりこない幸一。どれだけのフォローがあっても彼女を守れなかったことに変わりはない。途方に暮れる、すると──。
「ずいぶんしけたつらをしているのう幸一殿」
ユダであった。
一言背後からそう呟くとちょこんと隣に座る。
天使たちの規約上人間への危害を加えることは出来ない。一度天界へ帰り大天使にフィリポとトマスが人間に危害を加えたのを伝えた後、遠目から俺達をずっと見守っていたという。
いつものニヤリと何かをたくらんでいるような笑みを浮かべながら
手続きの方、終わったぞ、これでお主はもとの世界へ帰れるぞい。
いまわしが目星をつけているやつもなかなか見込みがあるやつでのう……。そいつらにこれからを任せて、帰るか?
フッと苦笑いをすると、幸一が決まりきっていた答えを出す。
「お前、わかってて言っているのか?」
「一応約束じゃからな。約束破り何て言われたくない、こういうのはしっかりやらないといかんからな……」
ユダはニッと笑い幸一に視線を合わせる。恐らく帰ってくる答えは分かっている。
「こんなんじゃもとの世界に帰れんよ、最低でも青葉──、あいつを取り戻さない限りはな……」
「そうだよ、それが幸君だよ。これからも一緒に闘おう!!」
隣で手を握っていたイレーナも納得する。
ユダも幸一をずっと見ていた。なので答えは予想できていた。彼の出した解答に驚きの様子はない、やはりということだった。
「ま、予想通りじゃ。これからもこの世界のため、戦ってもらうぞ」
ユダに驚きの表情はない。予想通りという感じをしている。
そして話をしているとコッコッと二人ほどの人物が歩いてきた。ルーデルとシスカである。
「勇者、貴様に話しがある」
「何だ?」
背後からの声に反応して幸一は後ろを振り向く。
「手を組ませてくれないか」
「流石に二人で行動しても限界があります。ルーデルさんと共に戦っていて気づきました。戦友が欲しいんです。手を結びましょう」
二人の真剣な願いに幸一は腕を組んで考える。そして結論を出す。というか結論などすでに分かり切っていた。
「ああ、俺も貴様も魔王軍を敵にしているという点は同じだ。共に戦おう。だが条件がある。どこかで俺の故郷によってほしい、力を貸してほしい」
目的は一致しているという事実。強大な敵を相手に一人でも仲間が欲しい、それもただ共通の敵があるだけでなく強い想いをもち強い力を持った人物が必要と幸一は考える。
そして──。
(青葉、お前か望んでいた願い、叶えるために──、俺に託してくれた想い、繋ぐために俺は闘う)
幸一はこぶしを強く握り心の中で叫ぶ。彼女のためこれからは負けられないと──。戦い続けると──。
次からはネウストリアを出ることになっている。どのような敵が来ても仲間たちとともに戦う、そう強く心に誓うのだった。
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