【完結済】突然異世界に召喚された俺、とりあえず勇者になってみますね
第136話 手を組んだ天使
そして光の柱には一人の人影。
ユダだった。ユダはトマスの剣を握っている右腕をつかむ。
「ふぉっふぉっふぉっ、お主も十分に甘いのう──」
「貴様がグロリアと手を組み魔王軍についているのはよく理解した。この情報を大天使や他の天使が知ったらどうなるかのう──、確実に貴様の権威は失墜。信用を失い裸の王様状態は間違いない。貴様は終わりじゃ」
「それはどうかしら? 所詮貴様は裏切りの天使、誰も信じないわ。私の言葉を信じるはずよ」
トマスはユダを睨みつけながら邪険な笑みを浮かべ叫ぶ。
「言葉だけではな?じゃが実際に貴様が直接話しているのであれば話は別じゃ」
「あんなもの持ち込んじゃダメじゃろう? スマートフォンだったかのう。確かにあれがあれば貴様たちは私たちに優位に立てる。じゃが同時にこっちに渡ればそれがそのまま動かぬ証拠じゃからな?」
「──、しまった、スマートフォンは?」
グロリアははっとそれに気づき辺りを見回す。しかし、時すでに遅く──。
「サラ、今のシーン撮れたか?」
ユダが聴衆側に向かって叫ぶ。すると出口のそばからサラが手を上げて叫ぶ。
「はい、バッチリ撮れてます、これなら大丈夫です」
「貴様!!」
先日、ユダが来ていた時。青葉がこのスマートフォンの存在を教えていた。そしてそのカメラ機能をイレーナとサラに伝える。すると──。
「本当なの? 声にこの場所が記録されるって」
「私の世界でこれが当り前のようにあるの。もしもそれを奪った時私たちがそれを使える事が出来れば相手の意表をつけるでしょ」
もしもの時のためにサラとイレーナにもスマートフォンの機能と簡単な操作の説明をしていたのであった。
「ま、そいつを捕まえたところで事件のすべてが解決するわけではないだろうがな」
ユダがぼそりとつぶやく。それに対して幸一と青葉がとういう事かと反応する。
「私たち天使はのう、直接人間に手出しするのを禁じておるのじゃ」
「そうなの、ユダ?」
「そうじゃ青葉殿。私たち天使はお主らに危害を加えたり生死にかかわる事を直接してはいけない。したら大天使から大処罰をくらい実権を失う手はずになっているのう
「じゃあ天使なんて今はほっておけばいいんじゃないの?」
青葉の言葉にユダはニヤリと笑みを浮かべる。そしてその決まりの抜け穴について語り始める。
一つ考えられるのは──、共犯者がいると言う事じゃ。
もし自分が手出しをせざるを得なくなり大天使から処罰をくらい失脚してもそいつが勇者になってそれなりに重要な地位を与えると言ったことじゃのう。
あるいはわしたち天使の法律である盟約その物を変えてしまうと言うことも考えられる可能。
「わしたち天使の世界は絶対権力じゃからな。全ての上に立つ大天使になれば世界のすべてを手に入れたと言っても過言ではないほどじゃからのう──。地方の貴族の力がなければまともに権力が届かないここの国王とはわけが違う」
そしてユダはニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべる。要するに大天使の権限が大きすぎる結果バレない範囲で規則違反を行いそいつかそいつの同盟者が大天使になったら権限を変えたり悪用してもみ消してしまえばいい。
そういうことだった。そして話は今に戻る。
「勘がいいなァ──、てめェ」
「さあ、いるのじゃろ共犯者。出てくるのじゃ。もし出てこなければ一人ずつわしがここにいる人々を見る。同じ天使ならすぐわかるぞい」
「わかっているのか? 魔王軍のスパイ天使よ、貴様はすでに積んでいるのじゃ」
人ゴミに向かって叫ぶユダ。その後数秒の間シーンとした空気になる。そしてその沈黙を破る者が一名。
パチパチパチパチ──。
どこからともなく聞こえる拍手の声。周囲の兵士がその異様さに気付き距離を取る。
「天使フィリポ、貴様じゃったか──」
「ふふ……、さすが天使ユダ。見る目が違うわ」
ローブを身に付けた金髪のロングヘアーの女性。大人びたお姉さんといった印象を受ける。
青葉の表情が青ざめていく。
「あなた、魔王軍の裏切り者だったの?」
「うふふ~~、そうなの、私魔王軍と手を組んでいるの。そしてあんたを別世界へ落したのも私よ。青葉、あなたはこういう運命だったの」
「ど、どういう事だ?」
幸一は身体の自由が利かない中青葉に向かって叫ぶ。彼にはフィリポの言っている意味が理解できなかった。その言葉に答えたのはトマスとグロリアだった。
「鈍いなァ──貴様。そいつが青葉をこの世界に送り込んだ天使だってことだァ、貴様にとってのユダのようになァ」
「ただ彼女には一つだけあなたとは違うところがあります。青葉はあなたの世界で生まれたわけではありません。この世界で高い素質を持って生まれたのです」
「えっ──」
さらに二人は話を続ける。二人によると青葉は別の国で生まれ魔力適性がかなり高いうえに人格も素晴らしいと評判な子で有名になっていた子であった。それをフィリポが耳にし闇社会の人間達を使って拉致。自身の力を使って彼女をこの世界に送り込み適当な人間に育てさせたのだった。
「お前、青葉を何だと思っているんだ」
ユダだった。ユダはトマスの剣を握っている右腕をつかむ。
「ふぉっふぉっふぉっ、お主も十分に甘いのう──」
「貴様がグロリアと手を組み魔王軍についているのはよく理解した。この情報を大天使や他の天使が知ったらどうなるかのう──、確実に貴様の権威は失墜。信用を失い裸の王様状態は間違いない。貴様は終わりじゃ」
「それはどうかしら? 所詮貴様は裏切りの天使、誰も信じないわ。私の言葉を信じるはずよ」
トマスはユダを睨みつけながら邪険な笑みを浮かべ叫ぶ。
「言葉だけではな?じゃが実際に貴様が直接話しているのであれば話は別じゃ」
「あんなもの持ち込んじゃダメじゃろう? スマートフォンだったかのう。確かにあれがあれば貴様たちは私たちに優位に立てる。じゃが同時にこっちに渡ればそれがそのまま動かぬ証拠じゃからな?」
「──、しまった、スマートフォンは?」
グロリアははっとそれに気づき辺りを見回す。しかし、時すでに遅く──。
「サラ、今のシーン撮れたか?」
ユダが聴衆側に向かって叫ぶ。すると出口のそばからサラが手を上げて叫ぶ。
「はい、バッチリ撮れてます、これなら大丈夫です」
「貴様!!」
先日、ユダが来ていた時。青葉がこのスマートフォンの存在を教えていた。そしてそのカメラ機能をイレーナとサラに伝える。すると──。
「本当なの? 声にこの場所が記録されるって」
「私の世界でこれが当り前のようにあるの。もしもそれを奪った時私たちがそれを使える事が出来れば相手の意表をつけるでしょ」
もしもの時のためにサラとイレーナにもスマートフォンの機能と簡単な操作の説明をしていたのであった。
「ま、そいつを捕まえたところで事件のすべてが解決するわけではないだろうがな」
ユダがぼそりとつぶやく。それに対して幸一と青葉がとういう事かと反応する。
「私たち天使はのう、直接人間に手出しするのを禁じておるのじゃ」
「そうなの、ユダ?」
「そうじゃ青葉殿。私たち天使はお主らに危害を加えたり生死にかかわる事を直接してはいけない。したら大天使から大処罰をくらい実権を失う手はずになっているのう
「じゃあ天使なんて今はほっておけばいいんじゃないの?」
青葉の言葉にユダはニヤリと笑みを浮かべる。そしてその決まりの抜け穴について語り始める。
一つ考えられるのは──、共犯者がいると言う事じゃ。
もし自分が手出しをせざるを得なくなり大天使から処罰をくらい失脚してもそいつが勇者になってそれなりに重要な地位を与えると言ったことじゃのう。
あるいはわしたち天使の法律である盟約その物を変えてしまうと言うことも考えられる可能。
「わしたち天使の世界は絶対権力じゃからな。全ての上に立つ大天使になれば世界のすべてを手に入れたと言っても過言ではないほどじゃからのう──。地方の貴族の力がなければまともに権力が届かないここの国王とはわけが違う」
そしてユダはニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべる。要するに大天使の権限が大きすぎる結果バレない範囲で規則違反を行いそいつかそいつの同盟者が大天使になったら権限を変えたり悪用してもみ消してしまえばいい。
そういうことだった。そして話は今に戻る。
「勘がいいなァ──、てめェ」
「さあ、いるのじゃろ共犯者。出てくるのじゃ。もし出てこなければ一人ずつわしがここにいる人々を見る。同じ天使ならすぐわかるぞい」
「わかっているのか? 魔王軍のスパイ天使よ、貴様はすでに積んでいるのじゃ」
人ゴミに向かって叫ぶユダ。その後数秒の間シーンとした空気になる。そしてその沈黙を破る者が一名。
パチパチパチパチ──。
どこからともなく聞こえる拍手の声。周囲の兵士がその異様さに気付き距離を取る。
「天使フィリポ、貴様じゃったか──」
「ふふ……、さすが天使ユダ。見る目が違うわ」
ローブを身に付けた金髪のロングヘアーの女性。大人びたお姉さんといった印象を受ける。
青葉の表情が青ざめていく。
「あなた、魔王軍の裏切り者だったの?」
「うふふ~~、そうなの、私魔王軍と手を組んでいるの。そしてあんたを別世界へ落したのも私よ。青葉、あなたはこういう運命だったの」
「ど、どういう事だ?」
幸一は身体の自由が利かない中青葉に向かって叫ぶ。彼にはフィリポの言っている意味が理解できなかった。その言葉に答えたのはトマスとグロリアだった。
「鈍いなァ──貴様。そいつが青葉をこの世界に送り込んだ天使だってことだァ、貴様にとってのユダのようになァ」
「ただ彼女には一つだけあなたとは違うところがあります。青葉はあなたの世界で生まれたわけではありません。この世界で高い素質を持って生まれたのです」
「えっ──」
さらに二人は話を続ける。二人によると青葉は別の国で生まれ魔力適性がかなり高いうえに人格も素晴らしいと評判な子で有名になっていた子であった。それをフィリポが耳にし闇社会の人間達を使って拉致。自身の力を使って彼女をこの世界に送り込み適当な人間に育てさせたのだった。
「お前、青葉を何だと思っているんだ」
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