【完結済】突然異世界に召喚された俺、とりあえず勇者になってみますね
第123話 イレーナのドキドキデート大作戦
ネウストリアに帰還してから一ヶ月後。イレーナはサラの部屋にいた。いつもより化粧にもファッションにも力が入る。
「サラちゃん、私の身だしなみ。どう? 洋服はどんなのがいいかな?」
「ばっちりだよ、服はイレーナちゃんらしい服がいいと思う。ちょっと私に任せて」
そしてサラがタンスから服を引っ張り出してイレーナに着せる。そしてその服をイレーナが着る。そしてその姿を部屋の片隅にある鏡でまじまじと見てみた。
「うん、これいいよ!!」
歓喜の表情をし始めるイレーナ。サラも改めておめかしをしたイレーナの姿を見てみる。
彼女の髪の色でもある白を基調として淡い青や緑などがちりばめられた服。上はイレーナの髪に似あうような色の薄いワンピース。下はミニスカート。
イレーナの長所であるスタイルの良さ、色気、上品さ。それらを殺すことなくバランス良く彩られている。
サラのコーディネートのセンスの高さが生かされていた。
「イレーナちゃん、頑張って!!」
「うん!! サラちゃん、私頑張る!!」
サラがイレーナに勇気づけの言葉をかける。イレーナはその言葉に答えるように自分の決意を叫ぶ。
「幸君、私絶対気持ち伝える」
何を隠そう今日は幸一とのデートの日なのだ。このネウストリアに帰還した後、戦いや移動で疲弊した幸一達をねぎらうという意味で王国自らが彼らに休暇を与えられたというのだ。
最初は幸一が四人で行きたいと言っていたのだが青葉が「ごめん、私とサラちゃんちょっと行きたいところがあるの。悪いけど二人でラブラブしながら出かけてくれない?」と言いだしたのだ。
あとからイレーナが聞いたのだがあれはイレーナと幸一を二人にするための方便だったと言う。
「せっかくの休みなんだから、たまには二人でいちゃいちゃしてきなさいよ!!」
「えぇぇっ? いいの?」
驚くイレーナだったが青葉は作り笑いをしながら言葉を返す。
「いいわ。二人っきりのデート、ちゃんと楽しんできなさい!! それと──」
そして青葉はイレーナに急接近し耳打ちする。その言葉にイレーナは──。
「せっかくの二人っきりなんだから告白しちゃいなさい!!」
「こ、告白──、えええっ????」
その言葉にイレーナは思わず動揺し頭が真っ白になる。青葉はそれを気にも留めずにさらにイレーナに進言。
「当ったり前でしょ。あんたの幸君に対する気持ち、知らないわけないでしょ。いつまでうじうじして片思いでいるのよ。いい機会だから、その気持ち伝えてきなさい!! 私との約束よ」
「う、うん。わかった……」
青葉の策だった、煮え切らないイレーナの気持ち。それに踏ん切りをつけさせるために半ば強制的にイレーナに幸一への想いを伝えさせるというものだった。
迷いこそあったものの青葉の指摘に反論できず顔を真っ赤にしながらイレーナはゆっくりと首を縦に振る。
強く握り拳しながら決意する。今日のデートで自分の気持ちを伝えて幸一のハートをゲットすると。
イレーナの挑戦が今始まった。
昼前。太陽が昇ったころ。
ここは街の中心から少し外れた郊外。噴水のあるこじんまりとした公園。市民達がベンチに腰掛けていたり子供たちがわいわいはしゃぎまわっていてにぎやかになっている。
そこにイレーナはいた。愛しの幸君との待ち合わせ。少し早めに来ていてもじもじとしながら辺りをきょろきょろと見回している。
いつもとは少し違うお姫様のような、上品さを感じられる淡い色のワンピース姿。
イレーナの持つ魅力を引き立てるためにサラと一緒に考えたファッション。
顔をほんのりと赤くして愛しの彼の事を待つ。そして──。
「イレーナ、待たせた??」
「い、い、い、いや待たせてなんかないよ!!」
聞き慣れた声、待っていた人がやってくる。あこがれの人、分かっていてもその声の主に気が動転、顔を真っ赤にし手をぶんぶんと振る。
彼もまた青葉とサラに自分たちは二人で出掛ける、イレーナが幸君と行動したいと言われ一人でここに来たのだった。
「あ──、そうなんだ。わかった、じゃあどこに行来たいとかある??」
「う~ん。幸君が行きたい所ならどこでもいいよ」
どこでもいい、その言葉に幸一は悩む。周囲を見回しどうすればいいか考えていると視線の先にイレーナが喜びそうなものを見つける。
「あ、じゃあまずあれにしない??」
幸一が指差した先にはパフェの露店があった。時々公園にやってきてはお手頃な値段でパフェなど甘いお菓子を子供たちに売っている。イレーナもそれを見て笑顔になり首を縦に振る。
「う、うん。私食べたい!!」
「じゃあ決まりだね」
屋台に向かって歩きパフェを二つ購入。屋台で買ったパフェを片手で二人が食べ始める。
そしてもう片手でイレーナと幸一は手をつなぎ始める。触れた途端イレーナから笑顔があふれ始める。
「おいし~~」
バナナやオレンジなどのフルーツが入っていてクリームがてんこ盛りのパフェ。
とてもおいしくにっこりとした笑顔でご満悦になるイレーナ。
「ねえねえ、あれ勇者さんじゃない?」
「本当だ、隣にいるのは。王女様のイレーナさん?」
「うん、そうだよ。パレードとかで見たことあるから私わかる」
周りが二人が手をつないでいる姿を見てひそひそと話をし始める。
その姿に流石の二人も視線を感じ始める。
(ばれちゃった、みたいだな)
「勇者さん、噂に聞いたけどやっぱりイレーナちゃんと付き合ってるんだね??」
「おふたりさんラブラブだねぇヒューヒュー」
「絶対付き合ってるよ。イレーナさん顔真っ赤で幸せそうだもん」
周りからは二人をはやし立てるような声がこだまする。
幸一は顔を赤くして照れ始める。イレーナはその言葉に思わず口元がにやける。
(カップル、恋人──、幸君と……)
幸一もどうすればいいかわからずやれやれと言った素振りをしてしまう。しかしいつまでもここにいるわけにもいかずイレーナの手を握りここから移動しようと考える。
綺麗な洋服でも買おうか、それとも宝石店や飾りものを扱う店に行ってみようか。二人はどうやってこの貴重な時間を過ごそうかと思考を張り巡らしている。
すると──。
「イレーナ。あの子どうしたのかな?」
幸一が視線の先に指をさす。その指先には一人の男の子。
「サラちゃん、私の身だしなみ。どう? 洋服はどんなのがいいかな?」
「ばっちりだよ、服はイレーナちゃんらしい服がいいと思う。ちょっと私に任せて」
そしてサラがタンスから服を引っ張り出してイレーナに着せる。そしてその服をイレーナが着る。そしてその姿を部屋の片隅にある鏡でまじまじと見てみた。
「うん、これいいよ!!」
歓喜の表情をし始めるイレーナ。サラも改めておめかしをしたイレーナの姿を見てみる。
彼女の髪の色でもある白を基調として淡い青や緑などがちりばめられた服。上はイレーナの髪に似あうような色の薄いワンピース。下はミニスカート。
イレーナの長所であるスタイルの良さ、色気、上品さ。それらを殺すことなくバランス良く彩られている。
サラのコーディネートのセンスの高さが生かされていた。
「イレーナちゃん、頑張って!!」
「うん!! サラちゃん、私頑張る!!」
サラがイレーナに勇気づけの言葉をかける。イレーナはその言葉に答えるように自分の決意を叫ぶ。
「幸君、私絶対気持ち伝える」
何を隠そう今日は幸一とのデートの日なのだ。このネウストリアに帰還した後、戦いや移動で疲弊した幸一達をねぎらうという意味で王国自らが彼らに休暇を与えられたというのだ。
最初は幸一が四人で行きたいと言っていたのだが青葉が「ごめん、私とサラちゃんちょっと行きたいところがあるの。悪いけど二人でラブラブしながら出かけてくれない?」と言いだしたのだ。
あとからイレーナが聞いたのだがあれはイレーナと幸一を二人にするための方便だったと言う。
「せっかくの休みなんだから、たまには二人でいちゃいちゃしてきなさいよ!!」
「えぇぇっ? いいの?」
驚くイレーナだったが青葉は作り笑いをしながら言葉を返す。
「いいわ。二人っきりのデート、ちゃんと楽しんできなさい!! それと──」
そして青葉はイレーナに急接近し耳打ちする。その言葉にイレーナは──。
「せっかくの二人っきりなんだから告白しちゃいなさい!!」
「こ、告白──、えええっ????」
その言葉にイレーナは思わず動揺し頭が真っ白になる。青葉はそれを気にも留めずにさらにイレーナに進言。
「当ったり前でしょ。あんたの幸君に対する気持ち、知らないわけないでしょ。いつまでうじうじして片思いでいるのよ。いい機会だから、その気持ち伝えてきなさい!! 私との約束よ」
「う、うん。わかった……」
青葉の策だった、煮え切らないイレーナの気持ち。それに踏ん切りをつけさせるために半ば強制的にイレーナに幸一への想いを伝えさせるというものだった。
迷いこそあったものの青葉の指摘に反論できず顔を真っ赤にしながらイレーナはゆっくりと首を縦に振る。
強く握り拳しながら決意する。今日のデートで自分の気持ちを伝えて幸一のハートをゲットすると。
イレーナの挑戦が今始まった。
昼前。太陽が昇ったころ。
ここは街の中心から少し外れた郊外。噴水のあるこじんまりとした公園。市民達がベンチに腰掛けていたり子供たちがわいわいはしゃぎまわっていてにぎやかになっている。
そこにイレーナはいた。愛しの幸君との待ち合わせ。少し早めに来ていてもじもじとしながら辺りをきょろきょろと見回している。
いつもとは少し違うお姫様のような、上品さを感じられる淡い色のワンピース姿。
イレーナの持つ魅力を引き立てるためにサラと一緒に考えたファッション。
顔をほんのりと赤くして愛しの彼の事を待つ。そして──。
「イレーナ、待たせた??」
「い、い、い、いや待たせてなんかないよ!!」
聞き慣れた声、待っていた人がやってくる。あこがれの人、分かっていてもその声の主に気が動転、顔を真っ赤にし手をぶんぶんと振る。
彼もまた青葉とサラに自分たちは二人で出掛ける、イレーナが幸君と行動したいと言われ一人でここに来たのだった。
「あ──、そうなんだ。わかった、じゃあどこに行来たいとかある??」
「う~ん。幸君が行きたい所ならどこでもいいよ」
どこでもいい、その言葉に幸一は悩む。周囲を見回しどうすればいいか考えていると視線の先にイレーナが喜びそうなものを見つける。
「あ、じゃあまずあれにしない??」
幸一が指差した先にはパフェの露店があった。時々公園にやってきてはお手頃な値段でパフェなど甘いお菓子を子供たちに売っている。イレーナもそれを見て笑顔になり首を縦に振る。
「う、うん。私食べたい!!」
「じゃあ決まりだね」
屋台に向かって歩きパフェを二つ購入。屋台で買ったパフェを片手で二人が食べ始める。
そしてもう片手でイレーナと幸一は手をつなぎ始める。触れた途端イレーナから笑顔があふれ始める。
「おいし~~」
バナナやオレンジなどのフルーツが入っていてクリームがてんこ盛りのパフェ。
とてもおいしくにっこりとした笑顔でご満悦になるイレーナ。
「ねえねえ、あれ勇者さんじゃない?」
「本当だ、隣にいるのは。王女様のイレーナさん?」
「うん、そうだよ。パレードとかで見たことあるから私わかる」
周りが二人が手をつないでいる姿を見てひそひそと話をし始める。
その姿に流石の二人も視線を感じ始める。
(ばれちゃった、みたいだな)
「勇者さん、噂に聞いたけどやっぱりイレーナちゃんと付き合ってるんだね??」
「おふたりさんラブラブだねぇヒューヒュー」
「絶対付き合ってるよ。イレーナさん顔真っ赤で幸せそうだもん」
周りからは二人をはやし立てるような声がこだまする。
幸一は顔を赤くして照れ始める。イレーナはその言葉に思わず口元がにやける。
(カップル、恋人──、幸君と……)
幸一もどうすればいいかわからずやれやれと言った素振りをしてしまう。しかしいつまでもここにいるわけにもいかずイレーナの手を握りここから移動しようと考える。
綺麗な洋服でも買おうか、それとも宝石店や飾りものを扱う店に行ってみようか。二人はどうやってこの貴重な時間を過ごそうかと思考を張り巡らしている。
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