【完結済】突然異世界に召喚された俺、とりあえず勇者になってみますね
第115話 鉄壁の初語龍(しょごりゅう)
「イレーナ、私の話しを聞いてくれ」
自らの過去、両親と実は血がつながっていないという過去を知りうつむいていたイレーナが顔を上げる。
「最初は家族同様に接した。しかし現実は残酷だった。イレーナの秘密を聞いた一部の貴族達が彼女の力を悪用しようとしたんだ」
幸いイレーナは無事だったものの、国王はいつイレーナが邪な奴らに悪用されるかわからないという状況になり疑心暗鬼になってしまう。
何とか守り切ろうと努力したが彼の権力は絶対ではなく何とかイレーナを守り切ろうとしたが守りきることは容易でなかった。
「だから今度は信頼できるものと共に守ろうとした。しかし今度は味方だったはずだった政府の要人までイレーナを裏切りお前の力を悪用とした」
そして彼は誰も信用できなくなる。
「お父様。私」
「そんなことが──」
そばにいた幸一が言葉を失いたち尽くす。
「政府にも、教会にも邪悪な心を持った者がいてイレーナを利用しようとした。だからイレーナは家から遠ざけるしかなかった。そして自分の力でそういった奴を守れるようイレーナの周りの人達に頼みこんだのだ──」
お前に関心を捨てたふりをして、利用価値がないと周りに言い伝えて家から遠ざけて強くなるように誘導する。そうすることでしかお前を守る手段がなかった
「すまなかったイレーナ、私の力ではお前を守ってやれなかった。非力だった私を許してくれ──」
うなだれながら目に涙を浮かべて申し訳なくイレーナに許しを請う。イレーナはその父親の表情を見て悲しくなる。そしてイレーナも涙目になりながら言葉を返す。
「お父さん、もうやめて」
「イレーナ──」
「お父さんやお兄さんお母さん、本当にありがとう。血がつながっているわけでもない私にここまで愛情を注いでくれて。でも、私だって守られてばかりなのは嫌なの。私だって時には守りたい、役に立ちたいの」
イレーナが強気な表情で叫ぶ。
「守れなかった、すまん」
「別に、いいよ。だって」
「チッ!! 親子愛の披露宴はもういい!! 聞いてて身体にジンマシンができそうだよ!!」
ペドロが叫び二人の会話は中断。そして彼女が自らの野望のため話しの本題に入り始める。
「初語龍の力は本来その伝承者であるイレーナ様が使用する者です。先ほどからの会話やそぶりを見る限りあなたは彼女と敵対しているように見えます」
「フン、よく見てるね。そうだよ」
けげんな表情をするペドロ。彼女はそんな表情をしながら一歩前に立つ。
(だけどね、こっちはそんなところまで想定済みさ)
カッ──。
そう考えながらゆっくりと歩き始め壁画の前に立つ。右手をかざし──。
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ──。
自身の魔力を右手に集中。そして……。
「光が、ペドロに?」
幸一の言葉通り壁画が光り始めその光がペドロに吸収されるように向かっていく。
その様子に龍の力がペドロに吸収されてしまうと感じた幸一とイレーナはアイコンタクトをとり相槌を打つ。
(……うん)
タッ──。
一気に接近、戦闘に入ろうとする。人質がいるとはいえこれ以上放置しておけば奴がどんな力を手に入れるかわからない。
しかしペドロはそれも予想している。
(賢いねぇ。だが甘いよ)
ドン!!
巨大な縦が出現、二人は攻撃を加えるがびくともしない。
「ぐっ」
「つよいねぇ、流石世界を作り上げた龍の力だねぇ」
(一歩遅かったか。だがあいつが使えるならイレーナだって使えるはず。俺だってもしかしたら──)
幸一は圧倒的な力を見せられてもあきらめない。そしてアーネルに向かって叫ぶ。
「俺達にも初語龍の力が欲しい。どうすればいい??」
「強く念じてください」
「させると思っているのかい?」
ペドロは剣を振りかざし波動状の攻撃を二人に向かって投げうつ。
二人とも身体を横に投げ飛ばし攻撃を間一髪でかわす。
ドォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
(やっぱりそうだろうね。まあそのためのレイカなんだけどね)
グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
イレーナの体が光り始める。それとともにとてつもなく大きな雄たけび音が聞こえ始める。
胸に手を当て、何かに気づく。
(感じる。とてつもなく大きくて、暖かい力が──)
それは幸一にも感じていた。そして壁画が強い光を発し始める。
ウォォ……、グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
強く大きい雄たけび声。そしてペドロの時より明らかに強い光を発し始めそれがイレーナと幸一に向かっていく
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ──
「強い力。感じるぜ」
「暖かい、これが初語龍の力──」
その様子にイライラと歯ぎしりをしながらペドロが叫ぶ。自分と二人の境遇の違い、どんなにもがいても二人のように勇者になれず、正しい道を進むことができず裏稼業になることができなかった自分とこんな簡単に正しき力を手に入れた二人。
そして心に刻む──。
(この二人には、絶対に負けるわけにはいかない!!)
一方イレーナと幸一は再び見つめ合う。この力を手に入れてやることは一つしかないと確認する。
「ペドロ、覚悟しろ!! もう許さない!!」
自らの過去、両親と実は血がつながっていないという過去を知りうつむいていたイレーナが顔を上げる。
「最初は家族同様に接した。しかし現実は残酷だった。イレーナの秘密を聞いた一部の貴族達が彼女の力を悪用しようとしたんだ」
幸いイレーナは無事だったものの、国王はいつイレーナが邪な奴らに悪用されるかわからないという状況になり疑心暗鬼になってしまう。
何とか守り切ろうと努力したが彼の権力は絶対ではなく何とかイレーナを守り切ろうとしたが守りきることは容易でなかった。
「だから今度は信頼できるものと共に守ろうとした。しかし今度は味方だったはずだった政府の要人までイレーナを裏切りお前の力を悪用とした」
そして彼は誰も信用できなくなる。
「お父様。私」
「そんなことが──」
そばにいた幸一が言葉を失いたち尽くす。
「政府にも、教会にも邪悪な心を持った者がいてイレーナを利用しようとした。だからイレーナは家から遠ざけるしかなかった。そして自分の力でそういった奴を守れるようイレーナの周りの人達に頼みこんだのだ──」
お前に関心を捨てたふりをして、利用価値がないと周りに言い伝えて家から遠ざけて強くなるように誘導する。そうすることでしかお前を守る手段がなかった
「すまなかったイレーナ、私の力ではお前を守ってやれなかった。非力だった私を許してくれ──」
うなだれながら目に涙を浮かべて申し訳なくイレーナに許しを請う。イレーナはその父親の表情を見て悲しくなる。そしてイレーナも涙目になりながら言葉を返す。
「お父さん、もうやめて」
「イレーナ──」
「お父さんやお兄さんお母さん、本当にありがとう。血がつながっているわけでもない私にここまで愛情を注いでくれて。でも、私だって守られてばかりなのは嫌なの。私だって時には守りたい、役に立ちたいの」
イレーナが強気な表情で叫ぶ。
「守れなかった、すまん」
「別に、いいよ。だって」
「チッ!! 親子愛の披露宴はもういい!! 聞いてて身体にジンマシンができそうだよ!!」
ペドロが叫び二人の会話は中断。そして彼女が自らの野望のため話しの本題に入り始める。
「初語龍の力は本来その伝承者であるイレーナ様が使用する者です。先ほどからの会話やそぶりを見る限りあなたは彼女と敵対しているように見えます」
「フン、よく見てるね。そうだよ」
けげんな表情をするペドロ。彼女はそんな表情をしながら一歩前に立つ。
(だけどね、こっちはそんなところまで想定済みさ)
カッ──。
そう考えながらゆっくりと歩き始め壁画の前に立つ。右手をかざし──。
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ──。
自身の魔力を右手に集中。そして……。
「光が、ペドロに?」
幸一の言葉通り壁画が光り始めその光がペドロに吸収されるように向かっていく。
その様子に龍の力がペドロに吸収されてしまうと感じた幸一とイレーナはアイコンタクトをとり相槌を打つ。
(……うん)
タッ──。
一気に接近、戦闘に入ろうとする。人質がいるとはいえこれ以上放置しておけば奴がどんな力を手に入れるかわからない。
しかしペドロはそれも予想している。
(賢いねぇ。だが甘いよ)
ドン!!
巨大な縦が出現、二人は攻撃を加えるがびくともしない。
「ぐっ」
「つよいねぇ、流石世界を作り上げた龍の力だねぇ」
(一歩遅かったか。だがあいつが使えるならイレーナだって使えるはず。俺だってもしかしたら──)
幸一は圧倒的な力を見せられてもあきらめない。そしてアーネルに向かって叫ぶ。
「俺達にも初語龍の力が欲しい。どうすればいい??」
「強く念じてください」
「させると思っているのかい?」
ペドロは剣を振りかざし波動状の攻撃を二人に向かって投げうつ。
二人とも身体を横に投げ飛ばし攻撃を間一髪でかわす。
ドォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
(やっぱりそうだろうね。まあそのためのレイカなんだけどね)
グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
イレーナの体が光り始める。それとともにとてつもなく大きな雄たけび音が聞こえ始める。
胸に手を当て、何かに気づく。
(感じる。とてつもなく大きくて、暖かい力が──)
それは幸一にも感じていた。そして壁画が強い光を発し始める。
ウォォ……、グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
強く大きい雄たけび声。そしてペドロの時より明らかに強い光を発し始めそれがイレーナと幸一に向かっていく
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ──
「強い力。感じるぜ」
「暖かい、これが初語龍の力──」
その様子にイライラと歯ぎしりをしながらペドロが叫ぶ。自分と二人の境遇の違い、どんなにもがいても二人のように勇者になれず、正しい道を進むことができず裏稼業になることができなかった自分とこんな簡単に正しき力を手に入れた二人。
そして心に刻む──。
(この二人には、絶対に負けるわけにはいかない!!)
一方イレーナと幸一は再び見つめ合う。この力を手に入れてやることは一つしかないと確認する。
「ペドロ、覚悟しろ!! もう許さない!!」
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