【完結済】突然異世界に召喚された俺、とりあえず勇者になってみますね
第106話 奇襲
イレーナの解説を聞きながら幸一はその建造物を観察する。
観察をしながら信者の人たちがごぞって建物の石に触れ出す。
「あの石にはね、天使たちの魂が宿っていると」
「なんて言うか、一体感があるよね、信者の人達。みんな平和にって感じで」
「はい、他の宗教って結構宗派で対立があったり内部抗争、宗教性の対立などで対立があるって印象がありましたけどここはそんなことないですね」
サラの言葉通りだ。部族の小さな宗教ならともかく宗教が大きくなると地域の対立に宗教が利用されたり、その力を悪用しようとして争いを起こしたり内部に宗派が乱立してひどい時には宗教戦争に発展することすらあるのだがここではそういった話は聞かない。
「歴代の大祭司たちがちゃんとまとめていのもあるわ、この宗教のトップでもありまとめ役でもある大祭司。世襲や権力闘争ではなく信者の言葉を聞いて不用意に対立をあおらない、特定の人達をひいきしない、政治に必要以上に介入しない、そういった基準を作って決めているの。だから」
いきなり話に割って入ったレイカ彼女が腕を組みながら話を進める。
「それにそういった人、以前いたの、天使を信じない者たちを成敗するため聖戦と言い出して信者の人以外、とくに政府の人たちに攻撃的になり問題ばかり起こしてきた人達が」
「どうなったんですか?」
「どう説得しても飲まなかったわ、何度アリーツェを中心に何度も攻撃をやめるように説得したの。でも言う事を聞かなくて最終的にはどうしようもなくなって破門にしたわ。どうしても言葉では通じない奴らだったわ」
サラの質問にレイカが答えていく。やはりどこの世界にも自分の考えにそぐわない人達に攻撃的になるような過激派のような人達は存在していた。しかし教会側はそういった人物に毅然と対応している。なので教会内で内乱が少なく一枚岩になっているともいえる。
「それが今問題になっているラスコーリ派と呼ばれた十字兵の人たちよ。デュラグ、アルメロ、ペドロの3人を幹部としていて動いているの」
今抱えている過激な運動をする元信者という教会内の問題。その事ひそひそ声で会話をする。彼ら3人に手を焼いているという事実。そしてこの3人がどう巡礼祭でかかわってくるのか。
そんなことをしていると周囲の準備が終わりそうになる。それに気づいた青葉が幸一と冷夏に話しかける。
「もうすぐ儀式が始まるわ、あんまり話をしていると信仰の人に怒られるわよ」
隣の幸一にほほ笑むレイカ。
色気をにじませ妖しい微笑を見せながら彼女が告げる。
「私ね、イレーナに勝ちたいの、いつか」
そしてそれだけ立ち去った後、レイカは立ち去ってしまう。イレーナは少し複雑な表情をする。
やがて周囲のかかり火によって照らされていたアリーツェが信者達の前で儀式のための言葉を紡ぎ始める。信者たちがその言葉を食い入るように聞き始める。
天使たちに捧げる言葉や信者達の誓いの言葉、そして平和への祈りの言葉をささげ始める。
その後は何事もなく儀式が終わり、巡礼は帰路の道につき始める。
帰省の道を静かに進んでいく。周囲には人気の全くない原野。
しかし先頭を進む幸一とレイカは気付き始めていた。あたりをキョロキョロする幸一にレイカがニヤリと笑みを浮かべながら話しかける。
「幸一君、だっけ。流石ね、気づいているのね──」
「ああ、さっきから誰かがこっちを見てる」
そしてその事をイレーナと青葉、サラにも伝える。サラに国王やアリーツェに向かわせて要人たちにもその事を伝える。警戒の態勢に入り一行が原野から見通しが悪い針葉樹の森に入っていく。
後方が完全に森に入った瞬間それは起こった。
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
後方で突然の爆発音。その音は先頭まで伝わり一行に動揺が走る。
そして後方では黒い甲冑を来た十字兵が襲って来た。
恐らくは巡礼祭の通るルートを知っていて待ち伏せしていたのであろう
十字兵の兵士たちである、直ちに兵士や魔法使いたちが戦闘態勢に入る
しかし──。
「ぐわあああああああああああああああああああああ」
こだまする兵士達の断末魔。明らかに実力が違う人物が二人ほどいた。
その事、そしてその風貌から二人の人物が特定されその情報が前方にも伝わる。
「アルメロとデュラグ、後方に──」
その言葉に驚くイレーナ。すぐにイレーナが援軍に向かおうとする。しかし青葉がそれを止める。
「まって、罠かもしれないわ。そうやって手薄になったところを狙われるかもしれないわ」
青葉腕を組んでどうするか考える、そしてしばしの時間が立つと前方から誰かの声が聞こえる。
「賢い嬢ちゃんだねぇ~~」
魔術師のような黒いローブを身にまとった妙齢の女性、ペドロだった。レイカとペドロが互いに睨み合う。
「こいつは私が倒す。みんなは他の応援にいって」
その目つきからレイカが本気になっている事を察した、そして青葉が作戦を立てる。
「じゃあ私とイレーナが後方に行く幸君は国王様とアリーツェの所にいて」
青葉の考えた作戦。この3人の攻撃はおとりかもしれない。全員が3人と戦うと他が手薄になり手薄になったところを狙われる可能性も十二分にある。一番危ないのは要人がいる所だ。側面に伏兵を用意していることも考えられる。そこに一番実力がある魔法使いを用意していることだって予想できる。最悪の事態を想定し幸一に要人たちの護衛を任せることにしたのであった。
渋々幸一は首を縦に振る。そして幸一はアリーツェや国王がいるところに向かっていく。
そして他の人たちがいなくなる中、相対するレイカとペドロ。
過激派の中でもこのペドロはカリスマ性をもち一定の支持者を集めている。
逆にその彼女を打ち破れば十字兵の勢力は衰えていくだろう。そんなことを考えながらレイカはペドロに立ち向かっていく。
「レイカ嬢ちゃん、私の実力。見せてやるよ──」
ペドロの言葉を川切りに2人の戦いが、今始まる──。
          
観察をしながら信者の人たちがごぞって建物の石に触れ出す。
「あの石にはね、天使たちの魂が宿っていると」
「なんて言うか、一体感があるよね、信者の人達。みんな平和にって感じで」
「はい、他の宗教って結構宗派で対立があったり内部抗争、宗教性の対立などで対立があるって印象がありましたけどここはそんなことないですね」
サラの言葉通りだ。部族の小さな宗教ならともかく宗教が大きくなると地域の対立に宗教が利用されたり、その力を悪用しようとして争いを起こしたり内部に宗派が乱立してひどい時には宗教戦争に発展することすらあるのだがここではそういった話は聞かない。
「歴代の大祭司たちがちゃんとまとめていのもあるわ、この宗教のトップでもありまとめ役でもある大祭司。世襲や権力闘争ではなく信者の言葉を聞いて不用意に対立をあおらない、特定の人達をひいきしない、政治に必要以上に介入しない、そういった基準を作って決めているの。だから」
いきなり話に割って入ったレイカ彼女が腕を組みながら話を進める。
「それにそういった人、以前いたの、天使を信じない者たちを成敗するため聖戦と言い出して信者の人以外、とくに政府の人たちに攻撃的になり問題ばかり起こしてきた人達が」
「どうなったんですか?」
「どう説得しても飲まなかったわ、何度アリーツェを中心に何度も攻撃をやめるように説得したの。でも言う事を聞かなくて最終的にはどうしようもなくなって破門にしたわ。どうしても言葉では通じない奴らだったわ」
サラの質問にレイカが答えていく。やはりどこの世界にも自分の考えにそぐわない人達に攻撃的になるような過激派のような人達は存在していた。しかし教会側はそういった人物に毅然と対応している。なので教会内で内乱が少なく一枚岩になっているともいえる。
「それが今問題になっているラスコーリ派と呼ばれた十字兵の人たちよ。デュラグ、アルメロ、ペドロの3人を幹部としていて動いているの」
今抱えている過激な運動をする元信者という教会内の問題。その事ひそひそ声で会話をする。彼ら3人に手を焼いているという事実。そしてこの3人がどう巡礼祭でかかわってくるのか。
そんなことをしていると周囲の準備が終わりそうになる。それに気づいた青葉が幸一と冷夏に話しかける。
「もうすぐ儀式が始まるわ、あんまり話をしていると信仰の人に怒られるわよ」
隣の幸一にほほ笑むレイカ。
色気をにじませ妖しい微笑を見せながら彼女が告げる。
「私ね、イレーナに勝ちたいの、いつか」
そしてそれだけ立ち去った後、レイカは立ち去ってしまう。イレーナは少し複雑な表情をする。
やがて周囲のかかり火によって照らされていたアリーツェが信者達の前で儀式のための言葉を紡ぎ始める。信者たちがその言葉を食い入るように聞き始める。
天使たちに捧げる言葉や信者達の誓いの言葉、そして平和への祈りの言葉をささげ始める。
その後は何事もなく儀式が終わり、巡礼は帰路の道につき始める。
帰省の道を静かに進んでいく。周囲には人気の全くない原野。
しかし先頭を進む幸一とレイカは気付き始めていた。あたりをキョロキョロする幸一にレイカがニヤリと笑みを浮かべながら話しかける。
「幸一君、だっけ。流石ね、気づいているのね──」
「ああ、さっきから誰かがこっちを見てる」
そしてその事をイレーナと青葉、サラにも伝える。サラに国王やアリーツェに向かわせて要人たちにもその事を伝える。警戒の態勢に入り一行が原野から見通しが悪い針葉樹の森に入っていく。
後方が完全に森に入った瞬間それは起こった。
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
後方で突然の爆発音。その音は先頭まで伝わり一行に動揺が走る。
そして後方では黒い甲冑を来た十字兵が襲って来た。
恐らくは巡礼祭の通るルートを知っていて待ち伏せしていたのであろう
十字兵の兵士たちである、直ちに兵士や魔法使いたちが戦闘態勢に入る
しかし──。
「ぐわあああああああああああああああああああああ」
こだまする兵士達の断末魔。明らかに実力が違う人物が二人ほどいた。
その事、そしてその風貌から二人の人物が特定されその情報が前方にも伝わる。
「アルメロとデュラグ、後方に──」
その言葉に驚くイレーナ。すぐにイレーナが援軍に向かおうとする。しかし青葉がそれを止める。
「まって、罠かもしれないわ。そうやって手薄になったところを狙われるかもしれないわ」
青葉腕を組んでどうするか考える、そしてしばしの時間が立つと前方から誰かの声が聞こえる。
「賢い嬢ちゃんだねぇ~~」
魔術師のような黒いローブを身にまとった妙齢の女性、ペドロだった。レイカとペドロが互いに睨み合う。
「こいつは私が倒す。みんなは他の応援にいって」
その目つきからレイカが本気になっている事を察した、そして青葉が作戦を立てる。
「じゃあ私とイレーナが後方に行く幸君は国王様とアリーツェの所にいて」
青葉の考えた作戦。この3人の攻撃はおとりかもしれない。全員が3人と戦うと他が手薄になり手薄になったところを狙われる可能性も十二分にある。一番危ないのは要人がいる所だ。側面に伏兵を用意していることも考えられる。そこに一番実力がある魔法使いを用意していることだって予想できる。最悪の事態を想定し幸一に要人たちの護衛を任せることにしたのであった。
渋々幸一は首を縦に振る。そして幸一はアリーツェや国王がいるところに向かっていく。
そして他の人たちがいなくなる中、相対するレイカとペドロ。
過激派の中でもこのペドロはカリスマ性をもち一定の支持者を集めている。
逆にその彼女を打ち破れば十字兵の勢力は衰えていくだろう。そんなことを考えながらレイカはペドロに立ち向かっていく。
「レイカ嬢ちゃん、私の実力。見せてやるよ──」
ペドロの言葉を川切りに2人の戦いが、今始まる──。
          
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