【完結済】突然異世界に召喚された俺、とりあえず勇者になってみますね
第61話 イレーナの奮闘と結果
「レシピは作っておくよ、こうすればおいしい料理ができるっていうのが私にはあるから──」
マグブライトがウィンクをするとそのレシピをイレーナに渡す。レシピをじっと見る。
「それと、サラちゃんと青葉ちゃんにもごちそうしたいな──。みんな頑張っていたんだもん。それを見てたら私も腕を振るいたくなちゃった」
「ああ、それは別にかまわないが──」
「あと──、私にも手伝わさしてくれないか? やはり騙すようなやり方でこんなことをさせて申し訳ないという気持ちはあるからね」
ああいった形で急に料理を作らせることになってしまったことにマグブライトは罪悪感があるようでイレーナへの罪滅ぼしに少しでも手伝わせてほしいと頼む。
するとイレーナは首を横に振って言葉を返す
「ううん、今回は私一人でやりたい。だからいい」
「そ、そうか……。ならば料理はイレーナ殿に任せるよ。幸運を期待しているよ」
そしてマグブライトがこの場を去っていく、キッチンにいるのはイレーナ一人。
「幸君、待ってて!! 私おいしい料理作るから!!」
イレーナが幸一のために作る料理は──。
「おいしいパスタ、絶対作る!!」
パスタであった。
イレーナ自身がクリーム系の料理が好みなので試行した結果カルボナーラとなった。
まずは材料の確認を行う。
スパゲッティに使う生麵、薄切りにしたベーコン、生クリーム、バター、粉状にしたチーズ、生卵、こしょうなどの香辛料。
まずは下ごしらえに入る。生卵を割ってポットに入れる、その後黄身だけを
ベーコンを取り出して2センチほどのサイズに切る。
(え~~っと、包丁は確か猫の手にして切るんだっけ──)
イレーナは普段あまり料理をしない、慣れない手つきでマグブライトや青葉から教わった調理器具の使い方を思い出しながらゆっくりと包丁を扱っていく。
マグブライトから料理が得意な女の子は男の子に人気がある。そんな言葉を信じて指を切るようなことが無いように料理が得意な事をアピールするために慎重になってしまう。
(指を切らないように──、なんとか)
時間はかかってしまったが何とかベーコンは切り終わった。
慣れない作業に 額の汗をぬぐって一回一息つく。
「次は、フライパンでクリームを作るええっと──」
隣に置いてあったメモを見ながら慎重に調理を続ける。
フライパンにバターを引き、ベーコン弱火でゆっくりと焼き少し焦げ目がついてカリッとしてきたらそこに生クリームを加える。
そこに粉状に乾燥させたチーズを加えて火を止める。
流石に疲労からかあくびが出る、眠気がイレーナを襲い瞼が少々重くなる。
(やっぱり眠い……、でも頑張らなくちゃ)
しかし疲労には逆らえずちょっと休もうとキッチンにうつ伏せになってよっかかり始める。
(いろいろ疲れた、あとちょっと──)
今までの疲労がどっちイレーナにのしかかりうとうととしてしまう。
「Zzz……」
「う~~ん、ちょっと寝ちゃった──」
少しうたた寝をしてしまったようでイレーナはゆっくりと目を開ける。そして今の料理の状況について思い出す。
「あーー!! そうだった、パスタパスタ!!」
イレーナが恐る恐る鍋の中を開けてみる。
すっかり山のようになり伸びきってしまったパスタの姿がそこにあった。
悲しい事に麺が伸び伸びになっていて完全にゆで過ぎの状態になっている。とりあえずお湯を切って作ったソースを手早く混ぜとろみがつくまで弱火で通す。
最後にみじん切りにしてあったパセリを加えて一応完成となる。
とりあえず麺を少し食べてみる。
「うん、伸びすぎてる──」
試しに麺を食べてみたがどう考えても煮すぎの状態で水分を吸い過ぎてコシが無くふやけたような状態になっていた。
まさかの失態に途方に暮れ一瞬気を緩めてしまった自分を恨むイレーナ。
「イレーナちゃん、料理はどう? 出来た?」
その時ふぁ~~あとあくびをしながら青葉がやってくる。
彼女はマグブライトからイレーナが幸一達に料理をごちそうするという言葉を聞き今イレーナの状況が気になってここに来たのであった。
そして青葉はその伸びきったパスタに視線を移す。
イレーナは顔を青くして表情が固まってしまう。
一瞬だけ沈黙がこの場を支配する。
全てを悟った青葉はやれやれといったポーズをして無表情でこの場を去っていく。
「待って待って違うの違うの青葉ちゃん!! これにはわけがあるの、話を聞いて!!」
「はいはい、分かりましたよ~~」
適当にあしらう青葉、イレーナは必死に引きとめる。
「んでどうするの? 私が適当になんか作ってイレーナが作ってごまかす? 幸君にはこれが私が作った料理ですって嘘をついて──。私黙っておくからさ……」
「いや、それは……、その──」
両手を腰に当て冷笑しながらの青葉の言葉に思わず言葉を失いうつむいてしまうイレーナ。流石に少し悩む。確かにそうすれば幸君の評価は上がる、しかしそれはそれで自分にとって大切なものを失ってしまう気がしていた。
「これで行く、幸君にそんな嘘はつきたくない!!」
弱弱しくも強い口調でイレーナが囁く。青葉は冗談交じりで問い返す。
マグブライトがウィンクをするとそのレシピをイレーナに渡す。レシピをじっと見る。
「それと、サラちゃんと青葉ちゃんにもごちそうしたいな──。みんな頑張っていたんだもん。それを見てたら私も腕を振るいたくなちゃった」
「ああ、それは別にかまわないが──」
「あと──、私にも手伝わさしてくれないか? やはり騙すようなやり方でこんなことをさせて申し訳ないという気持ちはあるからね」
ああいった形で急に料理を作らせることになってしまったことにマグブライトは罪悪感があるようでイレーナへの罪滅ぼしに少しでも手伝わせてほしいと頼む。
するとイレーナは首を横に振って言葉を返す
「ううん、今回は私一人でやりたい。だからいい」
「そ、そうか……。ならば料理はイレーナ殿に任せるよ。幸運を期待しているよ」
そしてマグブライトがこの場を去っていく、キッチンにいるのはイレーナ一人。
「幸君、待ってて!! 私おいしい料理作るから!!」
イレーナが幸一のために作る料理は──。
「おいしいパスタ、絶対作る!!」
パスタであった。
イレーナ自身がクリーム系の料理が好みなので試行した結果カルボナーラとなった。
まずは材料の確認を行う。
スパゲッティに使う生麵、薄切りにしたベーコン、生クリーム、バター、粉状にしたチーズ、生卵、こしょうなどの香辛料。
まずは下ごしらえに入る。生卵を割ってポットに入れる、その後黄身だけを
ベーコンを取り出して2センチほどのサイズに切る。
(え~~っと、包丁は確か猫の手にして切るんだっけ──)
イレーナは普段あまり料理をしない、慣れない手つきでマグブライトや青葉から教わった調理器具の使い方を思い出しながらゆっくりと包丁を扱っていく。
マグブライトから料理が得意な女の子は男の子に人気がある。そんな言葉を信じて指を切るようなことが無いように料理が得意な事をアピールするために慎重になってしまう。
(指を切らないように──、なんとか)
時間はかかってしまったが何とかベーコンは切り終わった。
慣れない作業に 額の汗をぬぐって一回一息つく。
「次は、フライパンでクリームを作るええっと──」
隣に置いてあったメモを見ながら慎重に調理を続ける。
フライパンにバターを引き、ベーコン弱火でゆっくりと焼き少し焦げ目がついてカリッとしてきたらそこに生クリームを加える。
そこに粉状に乾燥させたチーズを加えて火を止める。
流石に疲労からかあくびが出る、眠気がイレーナを襲い瞼が少々重くなる。
(やっぱり眠い……、でも頑張らなくちゃ)
しかし疲労には逆らえずちょっと休もうとキッチンにうつ伏せになってよっかかり始める。
(いろいろ疲れた、あとちょっと──)
今までの疲労がどっちイレーナにのしかかりうとうととしてしまう。
「Zzz……」
「う~~ん、ちょっと寝ちゃった──」
少しうたた寝をしてしまったようでイレーナはゆっくりと目を開ける。そして今の料理の状況について思い出す。
「あーー!! そうだった、パスタパスタ!!」
イレーナが恐る恐る鍋の中を開けてみる。
すっかり山のようになり伸びきってしまったパスタの姿がそこにあった。
悲しい事に麺が伸び伸びになっていて完全にゆで過ぎの状態になっている。とりあえずお湯を切って作ったソースを手早く混ぜとろみがつくまで弱火で通す。
最後にみじん切りにしてあったパセリを加えて一応完成となる。
とりあえず麺を少し食べてみる。
「うん、伸びすぎてる──」
試しに麺を食べてみたがどう考えても煮すぎの状態で水分を吸い過ぎてコシが無くふやけたような状態になっていた。
まさかの失態に途方に暮れ一瞬気を緩めてしまった自分を恨むイレーナ。
「イレーナちゃん、料理はどう? 出来た?」
その時ふぁ~~あとあくびをしながら青葉がやってくる。
彼女はマグブライトからイレーナが幸一達に料理をごちそうするという言葉を聞き今イレーナの状況が気になってここに来たのであった。
そして青葉はその伸びきったパスタに視線を移す。
イレーナは顔を青くして表情が固まってしまう。
一瞬だけ沈黙がこの場を支配する。
全てを悟った青葉はやれやれといったポーズをして無表情でこの場を去っていく。
「待って待って違うの違うの青葉ちゃん!! これにはわけがあるの、話を聞いて!!」
「はいはい、分かりましたよ~~」
適当にあしらう青葉、イレーナは必死に引きとめる。
「んでどうするの? 私が適当になんか作ってイレーナが作ってごまかす? 幸君にはこれが私が作った料理ですって嘘をついて──。私黙っておくからさ……」
「いや、それは……、その──」
両手を腰に当て冷笑しながらの青葉の言葉に思わず言葉を失いうつむいてしまうイレーナ。流石に少し悩む。確かにそうすれば幸君の評価は上がる、しかしそれはそれで自分にとって大切なものを失ってしまう気がしていた。
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