【完結済】突然異世界に召喚された俺、とりあえず勇者になってみますね
第58話 今日の料理人は?
イレーナはその言葉に奇襲を受けたような感覚になり、動揺し始める。
マグブライトが一回言葉を切りイレーナに顔を寄せる。
「もちろんイレーナの努力は認める、だが本気で彼を狙おうというのならもっと別のやり方をしなければいけないというわけだよ。もっと異性として、女の子として幸一に受け入れてもらうためにね──」
イレーナはその言葉に黙り込んでしまい言葉を失う。
(それはつまり、私に女の子っぽくってこと?)
イレーナは心の中で悩み始める。
確かに自分は女性らしさという者にかけている。
背丈は幸一と同じくらいで女性としてはかなりの長身で男性受けしそうにない。
それに正義感が強い半面結構カッとなる場面が多く、おしとやかと言うには程遠い性格。
何より自身のプレースタイル。女性であることを感じさせないパワーを前面に押し出す戦闘スタイル。
それを思い出すとイレーナに動揺が走る。そして慌ててマグブライトに問いただす。
「わかった、でもどうすればいいの? 私男の子の事って良く分からないの!!」
マグブライトはそれを見て苦笑いをし始める。
イレーナはほとんど男性と生活をした経験がなく同年代の男性である幸一をどう喜ばせればいいかがよくわからない。
なのでマグブライドに素直にどうすればいいのかを尋ねる。すると彼女は腕を組んでイレーナをまじまじと見始める。
「ん? 顔になんかついてるの?」
「いや、イレーナ殿の魅力を再確認しているのだよ」
そう言って腕を組み始めマグブライトはイレーナの魅力について語り始める。
「安心しろ、気にすることはない。まずルックスはOKだ。私がうらやむくらいに完璧で可愛くきれいそのもの、んまあもう少し背が小さい方が良いな。長身では女受けは良くても男受けはするかは微妙だな。やっぱりサラのように小柄で保護欲を誘う体型の方が良いと聞く」
「ちょっと、マグちゃん!! からかってるの?」
ムキになるイレーナ、ほほをプイッと膨らませる。マグブライトはその表情を見て慌ててフォローに入る。
「じゃあ次はいいところを言うよ。まず何と言ってもそのスタイル、胸はE、Fカップはあるだろうね。男を悩殺するには十分だ──。本当にうらやましいよ」
「もうっ!! 変なこと言わないでよ!!」
その言葉にイレーナの顔が恥ずかしさで真っ赤になる。両腕で胸をぎゅっと抑える。
いくら同性と言っても胸や身長、身体を批評されればどうしても恥ずかしいと感じてしまう。
「おお、いい恥じらいだ。いい表情をしている。その反応が自然にできるのはイレーナの強みともいえるな」
その表情にマグブライトは意味深な笑みを浮かべながら指摘する。
「で、私……どうすればいいの?」
「もっとあいつの本能的な要求を満たしてあげればいい。私にいいアイデアがあるちょっと耳を貸してくれないか?」
イレーナはマグブライトの言葉を食い入るように聞き彼女のアイデアに耳を傾ける。
マグブライトは妖艶な表情でその作戦を話しイレーナがごくりとのどを鳴らす。
幸一を虜にするための具体的な作戦。イレーナがそのやり方を聞きいれ、実行することを約束した。
そして三日後、その機会が訪れることになる。
冬至のめでたい日で街が軽く祭り騒ぎになっている日であった。
そういうこともあって合唱団による演奏、兵士たちの更新などこの王都ネウストリアは大きなにぎわいをみせている。
宮殿の外の大きい広場に国王、そして国王を護衛するために幸一達やマグブライド達が周囲に怪しい人物がいないか気を配っている。
まずは国王が話を始める。この国の状況は自分の願い、そしてこの国のために皆で共に平和のために戦っていくこと、歩んでいく事を約束し、結果はこの演説を聞いている人達の拍手と言う形で幕を下ろす。
続いて話し始めたのはマグブライドだった。
まずはあいさつをする。そして形式的な日頃の国民への感謝の言葉をねぎらい始める。
相当練習を繰り返して慣れているのだろう、周囲に視線を配りながらスラスラと話す。しかし次から発せられる言葉に幸一は驚愕することになる。
「ならばここで私たちがやることはこの国を支えた皆さんに恩返しをする事だと私は思う。ということでこの国の礎を築いている皆さんに感謝の意味を込めて明日は皆に料理をふるおうと思っている」
話しによるとその料理にはみんなが知っている人を料理長にするという──
「ということでですね──、まずは私の仕事としては料理長を厨房へ案内することなのだが……」
オホンと咳をして話しを続ける。
「ただみんな、気にしなくていい。ちゃんと私物は持ってきているから。ちょっと待っててくれ──」
そういうとマグブライドが奥からカバンを持ってきてカバンからそのシェフの私物を取り出していく。
「え──?」
そしてその私物を見るや突然笑い出し手をバンバンと叩きながら叫ぶ幸一。
「それ俺の私物じゃねえか!!」
そう、その料理長とはなんと幸一だった。
その叫び声の瞬間近くにいた青葉が幸一の腕をギュッとつかみみんなに向かって叫ぶ。
「ここで発表しま~~す。今日のシェフはですね、なんと幸一さんですよーー」
マグブライトが一回言葉を切りイレーナに顔を寄せる。
「もちろんイレーナの努力は認める、だが本気で彼を狙おうというのならもっと別のやり方をしなければいけないというわけだよ。もっと異性として、女の子として幸一に受け入れてもらうためにね──」
イレーナはその言葉に黙り込んでしまい言葉を失う。
(それはつまり、私に女の子っぽくってこと?)
イレーナは心の中で悩み始める。
確かに自分は女性らしさという者にかけている。
背丈は幸一と同じくらいで女性としてはかなりの長身で男性受けしそうにない。
それに正義感が強い半面結構カッとなる場面が多く、おしとやかと言うには程遠い性格。
何より自身のプレースタイル。女性であることを感じさせないパワーを前面に押し出す戦闘スタイル。
それを思い出すとイレーナに動揺が走る。そして慌ててマグブライトに問いただす。
「わかった、でもどうすればいいの? 私男の子の事って良く分からないの!!」
マグブライトはそれを見て苦笑いをし始める。
イレーナはほとんど男性と生活をした経験がなく同年代の男性である幸一をどう喜ばせればいいかがよくわからない。
なのでマグブライドに素直にどうすればいいのかを尋ねる。すると彼女は腕を組んでイレーナをまじまじと見始める。
「ん? 顔になんかついてるの?」
「いや、イレーナ殿の魅力を再確認しているのだよ」
そう言って腕を組み始めマグブライトはイレーナの魅力について語り始める。
「安心しろ、気にすることはない。まずルックスはOKだ。私がうらやむくらいに完璧で可愛くきれいそのもの、んまあもう少し背が小さい方が良いな。長身では女受けは良くても男受けはするかは微妙だな。やっぱりサラのように小柄で保護欲を誘う体型の方が良いと聞く」
「ちょっと、マグちゃん!! からかってるの?」
ムキになるイレーナ、ほほをプイッと膨らませる。マグブライトはその表情を見て慌ててフォローに入る。
「じゃあ次はいいところを言うよ。まず何と言ってもそのスタイル、胸はE、Fカップはあるだろうね。男を悩殺するには十分だ──。本当にうらやましいよ」
「もうっ!! 変なこと言わないでよ!!」
その言葉にイレーナの顔が恥ずかしさで真っ赤になる。両腕で胸をぎゅっと抑える。
いくら同性と言っても胸や身長、身体を批評されればどうしても恥ずかしいと感じてしまう。
「おお、いい恥じらいだ。いい表情をしている。その反応が自然にできるのはイレーナの強みともいえるな」
その表情にマグブライトは意味深な笑みを浮かべながら指摘する。
「で、私……どうすればいいの?」
「もっとあいつの本能的な要求を満たしてあげればいい。私にいいアイデアがあるちょっと耳を貸してくれないか?」
イレーナはマグブライトの言葉を食い入るように聞き彼女のアイデアに耳を傾ける。
マグブライトは妖艶な表情でその作戦を話しイレーナがごくりとのどを鳴らす。
幸一を虜にするための具体的な作戦。イレーナがそのやり方を聞きいれ、実行することを約束した。
そして三日後、その機会が訪れることになる。
冬至のめでたい日で街が軽く祭り騒ぎになっている日であった。
そういうこともあって合唱団による演奏、兵士たちの更新などこの王都ネウストリアは大きなにぎわいをみせている。
宮殿の外の大きい広場に国王、そして国王を護衛するために幸一達やマグブライド達が周囲に怪しい人物がいないか気を配っている。
まずは国王が話を始める。この国の状況は自分の願い、そしてこの国のために皆で共に平和のために戦っていくこと、歩んでいく事を約束し、結果はこの演説を聞いている人達の拍手と言う形で幕を下ろす。
続いて話し始めたのはマグブライドだった。
まずはあいさつをする。そして形式的な日頃の国民への感謝の言葉をねぎらい始める。
相当練習を繰り返して慣れているのだろう、周囲に視線を配りながらスラスラと話す。しかし次から発せられる言葉に幸一は驚愕することになる。
「ならばここで私たちがやることはこの国を支えた皆さんに恩返しをする事だと私は思う。ということでこの国の礎を築いている皆さんに感謝の意味を込めて明日は皆に料理をふるおうと思っている」
話しによるとその料理にはみんなが知っている人を料理長にするという──
「ということでですね──、まずは私の仕事としては料理長を厨房へ案内することなのだが……」
オホンと咳をして話しを続ける。
「ただみんな、気にしなくていい。ちゃんと私物は持ってきているから。ちょっと待っててくれ──」
そういうとマグブライドが奥からカバンを持ってきてカバンからそのシェフの私物を取り出していく。
「え──?」
そしてその私物を見るや突然笑い出し手をバンバンと叩きながら叫ぶ幸一。
「それ俺の私物じゃねえか!!」
そう、その料理長とはなんと幸一だった。
その叫び声の瞬間近くにいた青葉が幸一の腕をギュッとつかみみんなに向かって叫ぶ。
「ここで発表しま~~す。今日のシェフはですね、なんと幸一さんですよーー」
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