【完結済】突然異世界に召喚された俺、とりあえず勇者になってみますね
第48話 一騎打ち
幸一が兵器を取り出すとルチアーノも兵器を召喚する。
両者にらみ合いながら構えの体制に入る。そして──。
初めに勝負に出たのはルチアーノだった、一気に速度を上げ急接近。
そして自身の剣を振り下ろす。幸一はその攻撃に何なく対応する。
(確かに力はあるようだ、だが──)
幸一にとっては何の苦もなかった。
いくら力が強くても、イレーナの方がスキもなく攻撃も緻密だった。
荒々しく力任せな攻撃。五回ほど彼の乱撃をかわし前方に出る。
そして一気にルチアーノに向かって剣を振りかざす。ルチアーノは幸一の連続攻撃を何とかかわす。
(やはりこいつ実力はある、だったら──)
そう考えルチアーノは一気に距離を取り後退。
幸一は当然警戒する、何かの罠かもしれないと──。
「さあどうした? 来いよ!! 口だけなのか貴様は!!」
幸一はイラっとしながらもその挑発に乗らず考えていた。
(あいつ……、明らかに俺を誘っている。だがこのまま手をこまねいていても奴に勝つことは出来ない。時間稼ぎをしようとしている可能性だってある。だったら──)
そう決意し幸一がとった行動は?
(相手の罠だとわかっていてもここは一歩踏み込む!!)
身体を切り裂かれるような痛みが全身に走る、すかさず幸一が後退。
すると突然身体をナイフで切り裂かれるような痛みに襲われる。
そのダメージで失速し思わず転倒しそうになる幸一。
見ると彼の全身には無数の切り傷が走っていた。
「な、何あれ?」
「何が起こったんだ?」
ルトと青葉が突然の事態にどよめく。幸一は何があったかを分析し始める。
ルチアーノは前方にいる、何か遠距離攻撃をしたそぶりはない。
「つまりあらかじめ設置されていたという事だな?」
そう幸一は予想した、するとルトが後方から叫ぶ。
「恐らくあれはかまいたちだ。思い出したんだ──、マフィアの中にかまいたちの力を使える人がいるって。恐らくは彼だ!!」
ルトの言葉を聞くと幸一は振り向く。かまいたちとは幸一の世界でも風に乗って人の皮膚を切りつける力だとルトが叫ぶ。
幸一はそれを聞いて今、自分の身に何がいこったかを理解した。
ルチアーノは幸一を罠にはめたのである。
彼が表に出た瞬間この場所に無数のかまいたちをあらかじめ設置しておく。そして幸一がその場所を通った瞬間その術式を発動、幸一は見事に罠にかかり攻撃を受けていたいダメージを受けてしまった。
(受けてしまった物はどうにもならない、問題はこれをどう突破するかだ……)
「おいおい、何迷ってるんだよ!! 怖気ずいちまったのかよ!! チキンってやつだなお前」
「同じだ貴様は、俺達が売っている商品たちと──。あの奴隷達のように貴様は俺達の手のひらで踊らされることになる!!」
「なんとでも言っていろ、俺は決めた。貴様たちを助けてあの子たちを解放するとな!! お前のようなやつを、絶対に許さないとな!!」
ルチアーノの見え見えの挑発に幸一は乗らない。無鉄砲に動けばまたダメージを受けることが分かっているからだ。
(だが奴の術をどうやって攻略するか……)
それが幸一にとっての問題だった、今かまいたちを受けたということは当然他にもかまいたちを張っていることになる。
つまり幸一にとってここは地雷原と同じ場所になっていることであった。
迂闊に動けばまた大ダメージを受けてしまう。そして幸一が考えた手段が──。
(だったら遠距離攻撃だ!!)
願いをとどかせし力、逆縁を乗り越え、踏み越えし力現出せよ
バーニング・ブレイブ・ネレイデス
青い炎が幸一のエクスカリバーから出現しルチアーノを襲う。
しかし距離があったためルチアーノはその攻撃を難なくかわしていく。
(どうすればいい……、遠距離攻撃は相手の体勢を崩さないとまずかわされる──、そのためにはどこかで接近しなければ──)
身動きが取れず迷いが生じる幸一、そのスキをルチアーノは見逃さなかった。
「だったらこっちから行かせてもらうぜ、出来そこないの勇者!!」
ルチアーノが一気に間合いを詰める。そして幸一に猛攻を加える。
斬撃の雨、猛攻──。
しかし幸一はそれでも耐える、自身の剣で攻撃を受け、かわし致命傷を許さない。
そして──。
「ぐっ──」
逆にルチアーノにカウンターの一撃を叩きこむ。それは最大まで力を込めた下からの薙ぎ払い。
「何っ……?」
考えがあっての一撃だった。さっきまで幸一はずっと防御に回り続けていたためあまりいい体勢でいられず、リズムも良くなかった。
そんな中で大きく振れば相手は当然後方へかわすか剣で受けに入ってくる。そうすれば一端距離が空きか相手を間合いの外に外せる。
そのスキにこっちがリズムを整え一気に反撃に出る。そんな作戦だった。
(行ける!!)
幸一の予想通りルチアーノが一メートルほど後退。そのスキを逃さず幸一が一気に勝負を決めようと突っ込む。
しかし──。
「甘めぇよ!!」
再びルチアーノの力、「かまいたち」が発動、背中を切り刻まれる激痛が幸一を襲う。
幸一は今の攻撃に、痛みと共にとある違和感が脳裏をよぎる。
(背中……? そうか──)
いま、幸一はさっきとは違いほぼトップスピードで接近をしていた。なのでルチアーノが術式を発動して「かまいたち」を発動しても幸一の後ろ
ほんのわずかなタイムラグがあることに気づく。
それならばルチアーノが「かまいたち」が現れる前に高速で移動すればあいつに有効な攻撃を当てられるのではないか──
彼の中にそんなひらめきが頭の中によぎる。
集中しろ、あの強大な魔力があれば──、いける!!
幸一は神経を研ぎ澄まし始める。そして──。
術式に魔力を込める要領で右足に魔力を込める
(何っ? 攻撃が通らない?)
驚愕するルチアーノ。
幸一の身体はさっきとは比べ物にならないくらい早さで前へ飛び出す。かまいたちが発動するよりも早く駆け抜け、ルチアーノとの間合いを詰めていく。
そして幸一はルチアーノに急接近し自身の剣を振り下ろす。ルチアーノは何とかその攻撃を受ける。すると幸一は一メートルほどバックステップをとって後退。
(ふざけるな、このガキ!!)
ルチアーノは自分のかまいたちを打ち破られたことに怒りを感じていた、そしてその衝動にかられ一歩引いた幸一に対し急接近。
そしてすぐに幸一に向かって剣を薙ぎ払う、その瞬間幸一は確信した。
(いける!!)
そう心の中で念じその攻撃を受け流す。
全ては彼の作戦だった。
彼はマフィアのボスだけあって頭脳も相当なものもある、恐らく同じ手段は二度と通用しない。対策させかまいたちの突破はより困難なものになるだろう。
だからこの一撃で勝負を決めたい、ならばここで幸一はルチアーノを無防備にして強力な一撃を与える必要がある。
だから幸一はわざと彼に攻めさせたのであった。そのスキを尽くために──。
そして目の前には無防備になったルチアーノの肉体があるのみ──。
無防備になったルチアーノの胴体に接近し服をつかむ。
「これで決まりだ!!」
涅槃なる力、今世界を轟かせる光となり降臨せよ!!スピリッド・シェイブ・ハルバード
ゼロ距離からの最大威力の必殺技、それをルチアーノにお見舞いする。
周囲を飲み込む大きな爆発と粉塵、とてつもない轟音がこの場一帯を包み込む。
「どうなったの?」
青葉が思わず叫ぶ。
舞い上がった粉塵が徐々に消えていき二人の姿が見えてくる。
そして──。
両者にらみ合いながら構えの体制に入る。そして──。
初めに勝負に出たのはルチアーノだった、一気に速度を上げ急接近。
そして自身の剣を振り下ろす。幸一はその攻撃に何なく対応する。
(確かに力はあるようだ、だが──)
幸一にとっては何の苦もなかった。
いくら力が強くても、イレーナの方がスキもなく攻撃も緻密だった。
荒々しく力任せな攻撃。五回ほど彼の乱撃をかわし前方に出る。
そして一気にルチアーノに向かって剣を振りかざす。ルチアーノは幸一の連続攻撃を何とかかわす。
(やはりこいつ実力はある、だったら──)
そう考えルチアーノは一気に距離を取り後退。
幸一は当然警戒する、何かの罠かもしれないと──。
「さあどうした? 来いよ!! 口だけなのか貴様は!!」
幸一はイラっとしながらもその挑発に乗らず考えていた。
(あいつ……、明らかに俺を誘っている。だがこのまま手をこまねいていても奴に勝つことは出来ない。時間稼ぎをしようとしている可能性だってある。だったら──)
そう決意し幸一がとった行動は?
(相手の罠だとわかっていてもここは一歩踏み込む!!)
身体を切り裂かれるような痛みが全身に走る、すかさず幸一が後退。
すると突然身体をナイフで切り裂かれるような痛みに襲われる。
そのダメージで失速し思わず転倒しそうになる幸一。
見ると彼の全身には無数の切り傷が走っていた。
「な、何あれ?」
「何が起こったんだ?」
ルトと青葉が突然の事態にどよめく。幸一は何があったかを分析し始める。
ルチアーノは前方にいる、何か遠距離攻撃をしたそぶりはない。
「つまりあらかじめ設置されていたという事だな?」
そう幸一は予想した、するとルトが後方から叫ぶ。
「恐らくあれはかまいたちだ。思い出したんだ──、マフィアの中にかまいたちの力を使える人がいるって。恐らくは彼だ!!」
ルトの言葉を聞くと幸一は振り向く。かまいたちとは幸一の世界でも風に乗って人の皮膚を切りつける力だとルトが叫ぶ。
幸一はそれを聞いて今、自分の身に何がいこったかを理解した。
ルチアーノは幸一を罠にはめたのである。
彼が表に出た瞬間この場所に無数のかまいたちをあらかじめ設置しておく。そして幸一がその場所を通った瞬間その術式を発動、幸一は見事に罠にかかり攻撃を受けていたいダメージを受けてしまった。
(受けてしまった物はどうにもならない、問題はこれをどう突破するかだ……)
「おいおい、何迷ってるんだよ!! 怖気ずいちまったのかよ!! チキンってやつだなお前」
「同じだ貴様は、俺達が売っている商品たちと──。あの奴隷達のように貴様は俺達の手のひらで踊らされることになる!!」
「なんとでも言っていろ、俺は決めた。貴様たちを助けてあの子たちを解放するとな!! お前のようなやつを、絶対に許さないとな!!」
ルチアーノの見え見えの挑発に幸一は乗らない。無鉄砲に動けばまたダメージを受けることが分かっているからだ。
(だが奴の術をどうやって攻略するか……)
それが幸一にとっての問題だった、今かまいたちを受けたということは当然他にもかまいたちを張っていることになる。
つまり幸一にとってここは地雷原と同じ場所になっていることであった。
迂闊に動けばまた大ダメージを受けてしまう。そして幸一が考えた手段が──。
(だったら遠距離攻撃だ!!)
願いをとどかせし力、逆縁を乗り越え、踏み越えし力現出せよ
バーニング・ブレイブ・ネレイデス
青い炎が幸一のエクスカリバーから出現しルチアーノを襲う。
しかし距離があったためルチアーノはその攻撃を難なくかわしていく。
(どうすればいい……、遠距離攻撃は相手の体勢を崩さないとまずかわされる──、そのためにはどこかで接近しなければ──)
身動きが取れず迷いが生じる幸一、そのスキをルチアーノは見逃さなかった。
「だったらこっちから行かせてもらうぜ、出来そこないの勇者!!」
ルチアーノが一気に間合いを詰める。そして幸一に猛攻を加える。
斬撃の雨、猛攻──。
しかし幸一はそれでも耐える、自身の剣で攻撃を受け、かわし致命傷を許さない。
そして──。
「ぐっ──」
逆にルチアーノにカウンターの一撃を叩きこむ。それは最大まで力を込めた下からの薙ぎ払い。
「何っ……?」
考えがあっての一撃だった。さっきまで幸一はずっと防御に回り続けていたためあまりいい体勢でいられず、リズムも良くなかった。
そんな中で大きく振れば相手は当然後方へかわすか剣で受けに入ってくる。そうすれば一端距離が空きか相手を間合いの外に外せる。
そのスキにこっちがリズムを整え一気に反撃に出る。そんな作戦だった。
(行ける!!)
幸一の予想通りルチアーノが一メートルほど後退。そのスキを逃さず幸一が一気に勝負を決めようと突っ込む。
しかし──。
「甘めぇよ!!」
再びルチアーノの力、「かまいたち」が発動、背中を切り刻まれる激痛が幸一を襲う。
幸一は今の攻撃に、痛みと共にとある違和感が脳裏をよぎる。
(背中……? そうか──)
いま、幸一はさっきとは違いほぼトップスピードで接近をしていた。なのでルチアーノが術式を発動して「かまいたち」を発動しても幸一の後ろ
ほんのわずかなタイムラグがあることに気づく。
それならばルチアーノが「かまいたち」が現れる前に高速で移動すればあいつに有効な攻撃を当てられるのではないか──
彼の中にそんなひらめきが頭の中によぎる。
集中しろ、あの強大な魔力があれば──、いける!!
幸一は神経を研ぎ澄まし始める。そして──。
術式に魔力を込める要領で右足に魔力を込める
(何っ? 攻撃が通らない?)
驚愕するルチアーノ。
幸一の身体はさっきとは比べ物にならないくらい早さで前へ飛び出す。かまいたちが発動するよりも早く駆け抜け、ルチアーノとの間合いを詰めていく。
そして幸一はルチアーノに急接近し自身の剣を振り下ろす。ルチアーノは何とかその攻撃を受ける。すると幸一は一メートルほどバックステップをとって後退。
(ふざけるな、このガキ!!)
ルチアーノは自分のかまいたちを打ち破られたことに怒りを感じていた、そしてその衝動にかられ一歩引いた幸一に対し急接近。
そしてすぐに幸一に向かって剣を薙ぎ払う、その瞬間幸一は確信した。
(いける!!)
そう心の中で念じその攻撃を受け流す。
全ては彼の作戦だった。
彼はマフィアのボスだけあって頭脳も相当なものもある、恐らく同じ手段は二度と通用しない。対策させかまいたちの突破はより困難なものになるだろう。
だからこの一撃で勝負を決めたい、ならばここで幸一はルチアーノを無防備にして強力な一撃を与える必要がある。
だから幸一はわざと彼に攻めさせたのであった。そのスキを尽くために──。
そして目の前には無防備になったルチアーノの肉体があるのみ──。
無防備になったルチアーノの胴体に接近し服をつかむ。
「これで決まりだ!!」
涅槃なる力、今世界を轟かせる光となり降臨せよ!!スピリッド・シェイブ・ハルバード
ゼロ距離からの最大威力の必殺技、それをルチアーノにお見舞いする。
周囲を飲み込む大きな爆発と粉塵、とてつもない轟音がこの場一帯を包み込む。
「どうなったの?」
青葉が思わず叫ぶ。
舞い上がった粉塵が徐々に消えていき二人の姿が見えてくる。
そして──。
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