【完結】~追放された「元勇者」がゆく2度目の異世界物語~ 素早さ102、600族、Sランクで再び勇者になるようです
第66話 元勇者、敵の資料をあさる
「よ、陽君……」
再びローザの顔がほんのりと赤くなる。大丈夫、お前に危害は加えさせない。
そう決意し、再び視線をコーザに向ける。
「元勇者、侮れないやつめ──」
コーザは深呼吸をして、落ち着きを取り戻そうとしてるが、明らかに動揺は収まっていない。
「こっちも、本気でいかせてもらうぞ!」
そう叫ぶと、そこら中にちりばめられていた騎士たちが整然と隊列を組み始める。
それも前方には剣や槍、後方には弓矢マスケット銃を持った騎士を配置している。
少しは頭を使えるようだ。そしてその後方、コーザが腕を組んで立っている。
「これが俺様の全力、冒険者100人に匹敵するその強大な力。倒せるものなら倒して見せろ!」
ピッ──。
そしてコーザが指をはじいた瞬間、剣や槍を持った兵士たちが一斉に俺に突っ込んでくる。
俺は最初に突っ込んできたやつの攻撃をかわしたが、そこへ狙いすましたかのように、銃弾が飛んでくる。
剣の腹の部分で何とかそれを防ぐが、今度は着地のスキをついて槍を構えた騎士が突っ込んできた。
俺は右に飛んでギリギリでかわすと、大きく後退。
ローザがそれに安心してもっと一息つく。必死に戦っているときは気づかなかったが、顔を隣り合わせにしているので、どうしても彼女を意識してしまう。
そして優勢になったと思い込んだのか、コーザはニヤリと笑い挑発をしてくる。
「なんだ? 防戦一方ですねぇ。でもそれ、いつまで続きますかねぇ!」
「続くも何も、もう種はわかったし」
「ハァ?」
「だって、これだけ騎士の分身があっても、全部個別に操れるわけではないだろう?」
「あん?」
コーザがピクリと体を動かし、眉間にしわを寄せる。
「今までの攻防でよくわかった。いくら操れるといっても完全に自由に動かせるのはせいぜい7.8体程度。後はワンパターンな動きしかできていない。それもせいぜい半分くらい。後はこっちに撃ってきたり、槍をついたり、単純作業しかしていない。違うか?」
「まあ、初見殺しや奇襲にはいいかもしれないけれど、わかればそこまで怖くはない。上の下くらいって感じかな。俺が戦ってきた強敵からすれば、1.2歩見劣りがしてしまうね」
コーザの体は震え、顔は青ざめていた。
図星だと、顔に書いているようなものだ。
「クソっ、クソっ。ぶっ殺す、ぶっ殺す──」
そしてコーザの顔が真っ赤なる。今までにないくらいのトーンで感情を爆発させ叫ぶ。
「ゴミ野郎ォォォォォォォォォォォォ!! 八つ裂きにしてやるゥゥ──!」
すると、前にいた騎士たちが一斉に俺に突っ込んでくる。だが俺はかわそうなんて考えなかった。イノシシのように突っ込んでくる騎士相手にただ剣を薙ぎ払う。
それだけで、剣や槍を手に突っ込んできた騎士が5体ほど、スパッと切断される。
「悪あがきだな、そもそも1体1体は並程度の強さしかない。決まった動きしかできない人形なんだから」
再び騎士が突っ込んできたが、結果は同じ。突っ込んだ騎士は、俺に接近した瞬間すべて切断、消滅していった。
「さあ、じゃあ、早く終わらせようか!」
その言葉と同時に、俺は騎士たちの中に突っ込んでいく。
俺の剣が舞うたびに、騎士たちが姿を減らしていった。
時間にして2.3分ほど。100体あったはずの騎士たちを1匹残らず俺は切り落としたのだった。
「そ、そ、そんな馬鹿な──、お、俺の騎士たちが1匹残らず消滅するなど」
その姿に呆然とするコーザ。そして俺が剣の先をこいつに向けるとコーザはショックで悲鳴を上げ、尻もちをつく。
「お前の負けだコーザ」
「ま、ま、まだだ、まだ終わっていない!」
そう叫んだ途端、コーザは尻尾を巻いて逃げ出してしまう。そして高い素早さを生かして一気に入り口に歩を進めるが──。
「行かせるわけないでしょう? おとなしく捕まりなさい」
そしてその場所にはルシフェルの姿。
「お、女? なぜここに?」
ルシフェルは思いっきり回し蹴りを見舞う。コーザにかわす手段はなく、攻撃を食らった後、壁に激突。そのまま彼は倒れて意識を失ってしまった。
「とりあえず縛っておきましょう」
セフィラがポケットから縄を取り出し彼を縛る。ありがとう。
「ふう、これでとりあえず邪魔者はいなくなったか」
そうだな、じゃあ、本来の目的のほうに入るか。
奥にあるのは書物がたくさんある部屋。
とりあえず資料のほうをあさり始めよう。
その言葉通り俺たちは片っ端からあさり始めた。何か秘密があるといいなあ。
とりあえずこの辺りはローザやセフィラたちがやっているみたいだし、俺はもっと奥へ行こう。
さらに奥の方にある机へ、鍵がかかっていたが、剣を突き刺し、机ごと破壊。
強引に机の引き出しを開け、中にある紙類に視線を送る。
なんだこれは──。
その中の1枚の紙に俺の心は奪われる。それはこの国の大まかな地図であるのだが。ただの地図ではない。
この国が3つに色分けされていてその色ごとに、カイテルの名前。そしてかつて戦った魔王軍幹部、ガタノゾーアと、ハスターの名前とサインが記してあった。
俺はそばで資料をあさっていたルシフェルの肩をたたいて聞いてみる。
「ルシフェル、この意味わかるか」
ルシフェルはその地図から目をそらし質問に答え始める。
再びローザの顔がほんのりと赤くなる。大丈夫、お前に危害は加えさせない。
そう決意し、再び視線をコーザに向ける。
「元勇者、侮れないやつめ──」
コーザは深呼吸をして、落ち着きを取り戻そうとしてるが、明らかに動揺は収まっていない。
「こっちも、本気でいかせてもらうぞ!」
そう叫ぶと、そこら中にちりばめられていた騎士たちが整然と隊列を組み始める。
それも前方には剣や槍、後方には弓矢マスケット銃を持った騎士を配置している。
少しは頭を使えるようだ。そしてその後方、コーザが腕を組んで立っている。
「これが俺様の全力、冒険者100人に匹敵するその強大な力。倒せるものなら倒して見せろ!」
ピッ──。
そしてコーザが指をはじいた瞬間、剣や槍を持った兵士たちが一斉に俺に突っ込んでくる。
俺は最初に突っ込んできたやつの攻撃をかわしたが、そこへ狙いすましたかのように、銃弾が飛んでくる。
剣の腹の部分で何とかそれを防ぐが、今度は着地のスキをついて槍を構えた騎士が突っ込んできた。
俺は右に飛んでギリギリでかわすと、大きく後退。
ローザがそれに安心してもっと一息つく。必死に戦っているときは気づかなかったが、顔を隣り合わせにしているので、どうしても彼女を意識してしまう。
そして優勢になったと思い込んだのか、コーザはニヤリと笑い挑発をしてくる。
「なんだ? 防戦一方ですねぇ。でもそれ、いつまで続きますかねぇ!」
「続くも何も、もう種はわかったし」
「ハァ?」
「だって、これだけ騎士の分身があっても、全部個別に操れるわけではないだろう?」
「あん?」
コーザがピクリと体を動かし、眉間にしわを寄せる。
「今までの攻防でよくわかった。いくら操れるといっても完全に自由に動かせるのはせいぜい7.8体程度。後はワンパターンな動きしかできていない。それもせいぜい半分くらい。後はこっちに撃ってきたり、槍をついたり、単純作業しかしていない。違うか?」
「まあ、初見殺しや奇襲にはいいかもしれないけれど、わかればそこまで怖くはない。上の下くらいって感じかな。俺が戦ってきた強敵からすれば、1.2歩見劣りがしてしまうね」
コーザの体は震え、顔は青ざめていた。
図星だと、顔に書いているようなものだ。
「クソっ、クソっ。ぶっ殺す、ぶっ殺す──」
そしてコーザの顔が真っ赤なる。今までにないくらいのトーンで感情を爆発させ叫ぶ。
「ゴミ野郎ォォォォォォォォォォォォ!! 八つ裂きにしてやるゥゥ──!」
すると、前にいた騎士たちが一斉に俺に突っ込んでくる。だが俺はかわそうなんて考えなかった。イノシシのように突っ込んでくる騎士相手にただ剣を薙ぎ払う。
それだけで、剣や槍を手に突っ込んできた騎士が5体ほど、スパッと切断される。
「悪あがきだな、そもそも1体1体は並程度の強さしかない。決まった動きしかできない人形なんだから」
再び騎士が突っ込んできたが、結果は同じ。突っ込んだ騎士は、俺に接近した瞬間すべて切断、消滅していった。
「さあ、じゃあ、早く終わらせようか!」
その言葉と同時に、俺は騎士たちの中に突っ込んでいく。
俺の剣が舞うたびに、騎士たちが姿を減らしていった。
時間にして2.3分ほど。100体あったはずの騎士たちを1匹残らず俺は切り落としたのだった。
「そ、そ、そんな馬鹿な──、お、俺の騎士たちが1匹残らず消滅するなど」
その姿に呆然とするコーザ。そして俺が剣の先をこいつに向けるとコーザはショックで悲鳴を上げ、尻もちをつく。
「お前の負けだコーザ」
「ま、ま、まだだ、まだ終わっていない!」
そう叫んだ途端、コーザは尻尾を巻いて逃げ出してしまう。そして高い素早さを生かして一気に入り口に歩を進めるが──。
「行かせるわけないでしょう? おとなしく捕まりなさい」
そしてその場所にはルシフェルの姿。
「お、女? なぜここに?」
ルシフェルは思いっきり回し蹴りを見舞う。コーザにかわす手段はなく、攻撃を食らった後、壁に激突。そのまま彼は倒れて意識を失ってしまった。
「とりあえず縛っておきましょう」
セフィラがポケットから縄を取り出し彼を縛る。ありがとう。
「ふう、これでとりあえず邪魔者はいなくなったか」
そうだな、じゃあ、本来の目的のほうに入るか。
奥にあるのは書物がたくさんある部屋。
とりあえず資料のほうをあさり始めよう。
その言葉通り俺たちは片っ端からあさり始めた。何か秘密があるといいなあ。
とりあえずこの辺りはローザやセフィラたちがやっているみたいだし、俺はもっと奥へ行こう。
さらに奥の方にある机へ、鍵がかかっていたが、剣を突き刺し、机ごと破壊。
強引に机の引き出しを開け、中にある紙類に視線を送る。
なんだこれは──。
その中の1枚の紙に俺の心は奪われる。それはこの国の大まかな地図であるのだが。ただの地図ではない。
この国が3つに色分けされていてその色ごとに、カイテルの名前。そしてかつて戦った魔王軍幹部、ガタノゾーアと、ハスターの名前とサインが記してあった。
俺はそばで資料をあさっていたルシフェルの肩をたたいて聞いてみる。
「ルシフェル、この意味わかるか」
ルシフェルはその地図から目をそらし質問に答え始める。
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