【完結】~追放された「元勇者」がゆく2度目の異世界物語~ 素早さ102、600族、Sランクで再び勇者になるようです
第43話 元勇者 ローザの強さを見る
「何? もう私と関わりたくないって?」
「ううん、そんなことないよ。逆だもん、言ったよね。放っておけないからその人達のために、立ちあがったって」
「うん、そうよ」
するとローザは握りこぶしをして、きりっとした表情になる。
「今の私だってそう思ってるよ。今のルシフェルちゃん。放っておけないもん、絶対思いつめてるよ。私にもわかるもん!!」
その言葉にルシフェルははっとする。そして俺は声をかけた。
「それは俺も思った。ルシフェル、俺たちだって絶対力になるから──」
「そうです。協力します、約束します」
セフィラも話に加わる。ルシフェルはその言葉に身をよじり、うつむく。
「……分かったわ。でも少し整理させて、もう寝かせて──」
そう言ってルシフェルはベットに向かって体を横にし、布団の中に入る。
ローザは何か喋ろうとするが、俺は彼女の前に手を置きやめさせる。
困惑したローザ。ローザの肩に手を触れ、そっと囁く。
「声をかけたい気持ちはわかる。けど今はそっとしておこう。ルシフェルなら大丈夫、信じよう」
ローザはおろおろしながらも首を縦に振る。よかった、あまり言い過ぎると彼女の心を追い詰めることにもなりかねない。
ここは、ルシフェルを信じよう──。
そう考え俺はベッドに入る。何とか、いい方向に向かうといいな──。
数日後。事件が起こる。
スラム街、住民たちはほとんどがすでに寝静まり人影はほとんどない。
静寂な空気が流れる中で、1人の男がゆっくりと道を歩いていた。
「これでは足りない。どこかに獲物はいないものか──」
闇夜の中ハイドは日課となっている作業を行っていた。
以前はセリカたちのような貧困にあえぐ者たちに金をつかませてやらせていたが、ルシフェル達の説得以降罪悪感を感じ誰も行わなくなってしまったため、今は彼が一人で人々の魂を狩っているのだった。
1人の猫耳をした女性を発見。物音を消しながら接近。
剣に魔力を込める、そしてその女性に接近し軽く1切り、猫耳の少女は突然の奇襲に何もできず攻撃をまともに受け地面を転がった後、倒れこむ。
「助けて、助けてぇぇぇぇぇぇ!!」
一人の女性の悲鳴がこだまする。腰を抜かし恐怖におびえる表情をしながら後ずさりしている女性。
そんな彼女にハイドは全く表情を変えずにゆっくりと接近する。
「ではいただくぞ、貴様の魂を──」
助けを請う女性、しかしハイドは表情一つ変えず、微動だにしない。
そしてポケットから1枚のタロットカードを取り出し、無慈悲にも彼女にかざす。
魔力を込めたその時──。
「させないわ!!」
ハイドは後ろを向く。
「何だまた貴様か、何の用だ。これは暇つぶしではない」
そこにいたのはルシフェル。そしてルシフェルが叫ぶ。
「暇つぶし? 暇ではないわ、私は止めなきゃいけないんだからあなたの間違った行いを!!」
「俺は間違った事をしているつもりなどない。とりあえずその女、魂をいただくとするか」
「その瞬間は永遠に訪れないわ。私はそれを止めに来たんだから!!」
「意外と鈍感な奴だな。今の俺がそんな言葉程度で止まると思っているのか?」
全く表情を変えない。にらみ合ったまま互いに自らの想いをぶつけ合うだけ。
一歩も譲らない2人の言葉が激しくぶつかり合う。
そのスキを見て猫耳の女性はすぐに逃げ出した。
「あんたの弟さんの事情はわかってる。それでも止めなきゃいけないって思っている。それだけよ」
そう叫びながらルシフェルは右手に魔力を込める。そして自身の剣を召喚。
それを見たハイドは彼女が戦いに来たのだと理解。自身も鎌を召喚し戦う準備をする。
「種族値を見て理解できないとは。弱体化した貴様など、俺様の敵では無い」
「相手が強いから戦わない。力がある相手だから逃げる。そんな発想は私にはないわ!!」
両者互いに睨み合う。そして──。
かつて味方同士だった同士の戦いが始まる。
ズバァァァァァァァァァァァァ──!!
まず攻撃に出たのはハイドだ。
ハイドは魔力を強く込め空中で自身の剣を薙ぎ払う。
黒い砲弾のような攻撃がルシフェルに向っていく。
「まずは小手調べだ──」
ルシフェルは身を横に投げて対応。攻撃は当たらない。
そしてルシフェルが体勢を立て直すとハイドをギッと睨みつける。
<闇属性 クリムゾン・ストーム・フレア>
ルシフェルも反撃に出る。闇属性の黒い炎がハイドに向かって一気に襲い掛かる。
(ようやく反撃に出たか──、だが)
<闇属性 クリムゾン・ストーム・フレア>
ドォォォォォォォォォォォォン!!
全く同じ術式、互いに放った術式は衝突し大爆発を起こす。
そしてその爆発のスキを突いてハイドが一気に直進。ルシフェルに接近、持っている鎌に魔力を込め一気に振り下ろす。
ルシフェルはそれに対応、今度は一転して接近戦に。
互いの剣さばきは互角、そしてそんな時に勝負を決定つけたのはやはりというか力の差だった。
「うっ──!」
「ううん、そんなことないよ。逆だもん、言ったよね。放っておけないからその人達のために、立ちあがったって」
「うん、そうよ」
するとローザは握りこぶしをして、きりっとした表情になる。
「今の私だってそう思ってるよ。今のルシフェルちゃん。放っておけないもん、絶対思いつめてるよ。私にもわかるもん!!」
その言葉にルシフェルははっとする。そして俺は声をかけた。
「それは俺も思った。ルシフェル、俺たちだって絶対力になるから──」
「そうです。協力します、約束します」
セフィラも話に加わる。ルシフェルはその言葉に身をよじり、うつむく。
「……分かったわ。でも少し整理させて、もう寝かせて──」
そう言ってルシフェルはベットに向かって体を横にし、布団の中に入る。
ローザは何か喋ろうとするが、俺は彼女の前に手を置きやめさせる。
困惑したローザ。ローザの肩に手を触れ、そっと囁く。
「声をかけたい気持ちはわかる。けど今はそっとしておこう。ルシフェルなら大丈夫、信じよう」
ローザはおろおろしながらも首を縦に振る。よかった、あまり言い過ぎると彼女の心を追い詰めることにもなりかねない。
ここは、ルシフェルを信じよう──。
そう考え俺はベッドに入る。何とか、いい方向に向かうといいな──。
数日後。事件が起こる。
スラム街、住民たちはほとんどがすでに寝静まり人影はほとんどない。
静寂な空気が流れる中で、1人の男がゆっくりと道を歩いていた。
「これでは足りない。どこかに獲物はいないものか──」
闇夜の中ハイドは日課となっている作業を行っていた。
以前はセリカたちのような貧困にあえぐ者たちに金をつかませてやらせていたが、ルシフェル達の説得以降罪悪感を感じ誰も行わなくなってしまったため、今は彼が一人で人々の魂を狩っているのだった。
1人の猫耳をした女性を発見。物音を消しながら接近。
剣に魔力を込める、そしてその女性に接近し軽く1切り、猫耳の少女は突然の奇襲に何もできず攻撃をまともに受け地面を転がった後、倒れこむ。
「助けて、助けてぇぇぇぇぇぇ!!」
一人の女性の悲鳴がこだまする。腰を抜かし恐怖におびえる表情をしながら後ずさりしている女性。
そんな彼女にハイドは全く表情を変えずにゆっくりと接近する。
「ではいただくぞ、貴様の魂を──」
助けを請う女性、しかしハイドは表情一つ変えず、微動だにしない。
そしてポケットから1枚のタロットカードを取り出し、無慈悲にも彼女にかざす。
魔力を込めたその時──。
「させないわ!!」
ハイドは後ろを向く。
「何だまた貴様か、何の用だ。これは暇つぶしではない」
そこにいたのはルシフェル。そしてルシフェルが叫ぶ。
「暇つぶし? 暇ではないわ、私は止めなきゃいけないんだからあなたの間違った行いを!!」
「俺は間違った事をしているつもりなどない。とりあえずその女、魂をいただくとするか」
「その瞬間は永遠に訪れないわ。私はそれを止めに来たんだから!!」
「意外と鈍感な奴だな。今の俺がそんな言葉程度で止まると思っているのか?」
全く表情を変えない。にらみ合ったまま互いに自らの想いをぶつけ合うだけ。
一歩も譲らない2人の言葉が激しくぶつかり合う。
そのスキを見て猫耳の女性はすぐに逃げ出した。
「あんたの弟さんの事情はわかってる。それでも止めなきゃいけないって思っている。それだけよ」
そう叫びながらルシフェルは右手に魔力を込める。そして自身の剣を召喚。
それを見たハイドは彼女が戦いに来たのだと理解。自身も鎌を召喚し戦う準備をする。
「種族値を見て理解できないとは。弱体化した貴様など、俺様の敵では無い」
「相手が強いから戦わない。力がある相手だから逃げる。そんな発想は私にはないわ!!」
両者互いに睨み合う。そして──。
かつて味方同士だった同士の戦いが始まる。
ズバァァァァァァァァァァァァ──!!
まず攻撃に出たのはハイドだ。
ハイドは魔力を強く込め空中で自身の剣を薙ぎ払う。
黒い砲弾のような攻撃がルシフェルに向っていく。
「まずは小手調べだ──」
ルシフェルは身を横に投げて対応。攻撃は当たらない。
そしてルシフェルが体勢を立て直すとハイドをギッと睨みつける。
<闇属性 クリムゾン・ストーム・フレア>
ルシフェルも反撃に出る。闇属性の黒い炎がハイドに向かって一気に襲い掛かる。
(ようやく反撃に出たか──、だが)
<闇属性 クリムゾン・ストーム・フレア>
ドォォォォォォォォォォォォン!!
全く同じ術式、互いに放った術式は衝突し大爆発を起こす。
そしてその爆発のスキを突いてハイドが一気に直進。ルシフェルに接近、持っている鎌に魔力を込め一気に振り下ろす。
ルシフェルはそれに対応、今度は一転して接近戦に。
互いの剣さばきは互角、そしてそんな時に勝負を決定つけたのはやはりというか力の差だった。
「うっ──!」
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