【完結】~追放された「元勇者」がゆく2度目の異世界物語~ 素早さ102、600族、Sランクで再び勇者になるようです
第39話 元勇者 見張りを始める
「わかった、2人にも協力してもらうよ」
「……陽君、ありがとうね」
「私からも、礼を言わせていただきます」
2人とも落ち着きを取り戻す。考えてみれば俺も悪かったな。2人の事も考えず一方的に何もするなだもんな。もっと相手の気持ち的な事も考えてあげなきゃ──。
「ただ、一つだけ約束してほしい事があるんだ」
「何? 陽君──」
そう言うと俺は真剣な表情になる。確かに2人の気持ちはわかったけどこれは譲れない。仲間を失うなんて嫌だしな……。
「ハイドはものすごく強い。だから見つかったり襲ってきたりしたら戦わないで撤退してくれ」
「撤退……? 陽君」
「戦わなくて、よいのですか?」
2人は予想してなかったのかキョトンとした表情になる。
「はっきりいって2人が勝てる相手じゃない。戦ったら一瞬で魂を奪われて終わりだ」
「そ、そうなんですか……」
「それだけは約束してくれ」
俺の言葉にどこかしょんぼりする2人。まあ、気持ちはわかる、最初のころは俺もそうだった。とにかく敵がいたら自分の安全も考えずに突っ込んで戦って周りに迷惑かけていたっけ。
「ボロボロになっている時に逃げるように撤退したり、敵に背中を向けた事は俺だってある。逃げるのは恥じゃない。けど自分の身を失ったら終わりだ。俺だって2人を失うなんてしたくない。だから勝てないと思ったらすぐに逃げてくれ」
「──わかりました」
「わかった。陽君」
俺の言葉に2人は首を縦に振ってくれた。ホッとする俺。
ローザは覚悟を決めたように息をのみ真剣な表情に。みんなの役に立ちたいというのがひしひしと俺にも伝わってくる。
「とりあえず見張りの仕方について簡単に説明する」
俺は勇者だった時の経験を活かし、見張りのやり方を説明。ローザ達は興味津々で耳を傾けやり方を聞いていた。
実行は明日からとなった。特に他に予定があるわけでもないしな──。
早く見つかるといいな、ハイド。
そんな事を考えながら今日、平和な1日を過ごす。
そして翌日、作戦の決行となる。朝、ローザとセフィラが目的の病院に到着。
「セフィラちゃん。行こう──」
「ええ、けど覚えてますか? 見つけたら何も言わずに撤退すること、見つかっても戦ったりせず逃げる事」
「う~~、わかってるよ」
ローザは少し不機嫌そう。やはり何もできないというのは心では分かっていても感情がどこか許さないのだろう。
うろうろ歩きながら病院の周囲を見張る。といっても日が明けている時間、怪しい動きなど無い。
4交代で病院の周りを見張るという決まりになっている。
朝と昼間はセフィラとローザ、次がセリカ、その次がルシフェル。そして1番人通りが少なく、体力的にもきつい夜の時間に俺が回るということになった。
2人が見張る中、特に目立った動きは無く日が落ち始めた昼過ぎ。
「ローザちゃん、セフィラちゃん。やっほー、どうだった?」
「あールシフェルさん。こんにちは、機嫌良さそうですね──」
交代の時間になりルシフェルがやってくる。しかしどこか機嫌よさげな表情、をしている。
「そこにある料理の店行ったんだけど、結構おいしかったのよ。2人ともお腹すいているでしょ、いってみなよ。北国系のシチューが本当においしかったわ」
「そうですね、ずっと見張っていましたからね。じゃあ2人で行ってみますね」
「シチュー? おいしそう!!」
その言葉にローザがはっとテンションを高くして喜ぶ。
「店は道をまっすぐ行って繁華街、入口看板の左を右に曲がると見えてくるはずよ」
「わかった。いってみるね!!」
「いってらっしゃい、お疲れ様!!」
そう言ってローザとセフィラはこの場所を去っていく。
次はルシフェルの番だ。
しかし特に問題もなく任務は終了。セリカがやってくる。
「セリカ、こっちよ!!」
「ああ、何か異常はなかったか?」
「特にないわ。大丈夫よ」
そんなやりとりをしながらルシフェルはセリカと交代、そして時間が経つと日が暮れ始め夜に。
あたりに人気はない。いつもは賑わっていた街も静かな雰囲気に包まれる。
俺はそんな街を周囲に警戒しながら歩いていく。
そして目的地にたどり着いた。
「セリカ。お疲れ、何か怪しい動きとかあったか?」
セリカは特に疲れている様子もなくこっちに振り向くと腕を組んだ姿勢でこっちを振り向く。
「特に問題はなかった。ハイドは現れなかった」
「わかった」
そして交代となる、セリカも疲れているだろうし早く返した方がいいだろう。
「じゃあお疲れ、早く帰って休みなよ」
「気づかいありがとう、じゃあ無理しないようにな。き、気をつけてくれよ」
セリカは顔をほんのりと赤くしていいずらそうに囁く。
そしてセリカはホテルに帰っていく。お疲れ様、今日は帰ってよく休んでくれ
そして夜、さらに闇は深くなり人気は全くない。
漆黒の闇がこの場を包む中俺は集中を切らさずに見張りを続ける。
そんな中、1人の物陰を発見する。
「あいつ、ハイドじゃねぇか!!」
「……陽君、ありがとうね」
「私からも、礼を言わせていただきます」
2人とも落ち着きを取り戻す。考えてみれば俺も悪かったな。2人の事も考えず一方的に何もするなだもんな。もっと相手の気持ち的な事も考えてあげなきゃ──。
「ただ、一つだけ約束してほしい事があるんだ」
「何? 陽君──」
そう言うと俺は真剣な表情になる。確かに2人の気持ちはわかったけどこれは譲れない。仲間を失うなんて嫌だしな……。
「ハイドはものすごく強い。だから見つかったり襲ってきたりしたら戦わないで撤退してくれ」
「撤退……? 陽君」
「戦わなくて、よいのですか?」
2人は予想してなかったのかキョトンとした表情になる。
「はっきりいって2人が勝てる相手じゃない。戦ったら一瞬で魂を奪われて終わりだ」
「そ、そうなんですか……」
「それだけは約束してくれ」
俺の言葉にどこかしょんぼりする2人。まあ、気持ちはわかる、最初のころは俺もそうだった。とにかく敵がいたら自分の安全も考えずに突っ込んで戦って周りに迷惑かけていたっけ。
「ボロボロになっている時に逃げるように撤退したり、敵に背中を向けた事は俺だってある。逃げるのは恥じゃない。けど自分の身を失ったら終わりだ。俺だって2人を失うなんてしたくない。だから勝てないと思ったらすぐに逃げてくれ」
「──わかりました」
「わかった。陽君」
俺の言葉に2人は首を縦に振ってくれた。ホッとする俺。
ローザは覚悟を決めたように息をのみ真剣な表情に。みんなの役に立ちたいというのがひしひしと俺にも伝わってくる。
「とりあえず見張りの仕方について簡単に説明する」
俺は勇者だった時の経験を活かし、見張りのやり方を説明。ローザ達は興味津々で耳を傾けやり方を聞いていた。
実行は明日からとなった。特に他に予定があるわけでもないしな──。
早く見つかるといいな、ハイド。
そんな事を考えながら今日、平和な1日を過ごす。
そして翌日、作戦の決行となる。朝、ローザとセフィラが目的の病院に到着。
「セフィラちゃん。行こう──」
「ええ、けど覚えてますか? 見つけたら何も言わずに撤退すること、見つかっても戦ったりせず逃げる事」
「う~~、わかってるよ」
ローザは少し不機嫌そう。やはり何もできないというのは心では分かっていても感情がどこか許さないのだろう。
うろうろ歩きながら病院の周囲を見張る。といっても日が明けている時間、怪しい動きなど無い。
4交代で病院の周りを見張るという決まりになっている。
朝と昼間はセフィラとローザ、次がセリカ、その次がルシフェル。そして1番人通りが少なく、体力的にもきつい夜の時間に俺が回るということになった。
2人が見張る中、特に目立った動きは無く日が落ち始めた昼過ぎ。
「ローザちゃん、セフィラちゃん。やっほー、どうだった?」
「あールシフェルさん。こんにちは、機嫌良さそうですね──」
交代の時間になりルシフェルがやってくる。しかしどこか機嫌よさげな表情、をしている。
「そこにある料理の店行ったんだけど、結構おいしかったのよ。2人ともお腹すいているでしょ、いってみなよ。北国系のシチューが本当においしかったわ」
「そうですね、ずっと見張っていましたからね。じゃあ2人で行ってみますね」
「シチュー? おいしそう!!」
その言葉にローザがはっとテンションを高くして喜ぶ。
「店は道をまっすぐ行って繁華街、入口看板の左を右に曲がると見えてくるはずよ」
「わかった。いってみるね!!」
「いってらっしゃい、お疲れ様!!」
そう言ってローザとセフィラはこの場所を去っていく。
次はルシフェルの番だ。
しかし特に問題もなく任務は終了。セリカがやってくる。
「セリカ、こっちよ!!」
「ああ、何か異常はなかったか?」
「特にないわ。大丈夫よ」
そんなやりとりをしながらルシフェルはセリカと交代、そして時間が経つと日が暮れ始め夜に。
あたりに人気はない。いつもは賑わっていた街も静かな雰囲気に包まれる。
俺はそんな街を周囲に警戒しながら歩いていく。
そして目的地にたどり着いた。
「セリカ。お疲れ、何か怪しい動きとかあったか?」
セリカは特に疲れている様子もなくこっちに振り向くと腕を組んだ姿勢でこっちを振り向く。
「特に問題はなかった。ハイドは現れなかった」
「わかった」
そして交代となる、セリカも疲れているだろうし早く返した方がいいだろう。
「じゃあお疲れ、早く帰って休みなよ」
「気づかいありがとう、じゃあ無理しないようにな。き、気をつけてくれよ」
セリカは顔をほんのりと赤くしていいずらそうに囁く。
そしてセリカはホテルに帰っていく。お疲れ様、今日は帰ってよく休んでくれ
そして夜、さらに闇は深くなり人気は全くない。
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そんな中、1人の物陰を発見する。
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