【完結】~追放された「元勇者」がゆく2度目の異世界物語~ 素早さ102、600族、Sランクで再び勇者になるようです
第25話 元勇者 意味深な依頼書を受け取る
国王様と面会があった日から数日。
あの後、俺達は近くの森で魔獣が出ていたので退治したり、街中を歩いて何か怪しい事が無いか探したりしていた。
今日もルシフェル達と一緒にギルドで何か仕事が無いか掲示板を探していると。
「あの……、陽平様。よろしいでしょうか?」
ギルドの支配人、フィーナさんが後ろから声をかけてくる。俺は振り向いてフィーナさんに言葉を返した。
「フィーナさん、おはようございます。何でしょうか?」
「陽平様に依頼書が来ているのですが……」
「依頼書。俺指名の依頼がギルドに来ているという事ですか?」
そう返すとフィーナさんは「はい」といって戸惑う。
依頼主の中には冒険者を指名し、依頼書を出すという人もいる。
俺が勇者だった時も俺宛に指名してクエストの依頼が来る事はあった。普通の冒険者では到底できないような内容だったり、人に言えないような極秘任務だったり様々だ。
「別にかまいませんよ。どんなクエストなんですか?」
俺がそう返す、するとフィーナさんは困った表情をする。そして腕を組んで言葉を返す。
「ちょっと内容がおかしいんですよ」
「内容がおかしい?? どういうことですか?」
「見てみればわかります、待ってください。依頼書、持ってきますから──」
そう言ってフィーナさんは事務所へ帰ってしまった。事務所でガサゴソと机を探しその依頼書を取り出す。
そしてフィーナさんが戻ってきて、その依頼の紙を俺に恐る恐る渡してくる。
依頼書、受け取った俺は封を開け、中身を取り出す。
中身を開け、依頼書を読んでみる。そしてその理由がよくわかった。
差出人 不明
仕事内容 当日、差出人により説明
報酬 当日、差出人により説明
「こんな依頼書、初めて見ました」
セフィラが横から依頼書を見てそう囁く。困った表情。そりゃそうだ、俺だって初めて見た。
依頼主も内容もわからない。一体どんなクエストなんだ??
「どうしましょうか陽平様、内容の不備を理由に依頼を却下する事もできますよ」
「集合場所はどこなんですか?」
「えーと、たしか先日のクエストがあった場所と同じ中央広場です」
ああ、あの人通りの多いいところか──。なるほど、それなら考えはある。
「わかりました、このクエスト受諾します。受けましょう」
「いいんですか? こんな不備だらけの依頼書でですか?」
「別に大丈夫ですよ。詳しい内容は集合場所で聞けばいいですし、何かおかしかったらその場で断ればいいですし」
当然、ここで断ったら依頼主の動きが分からなくなってしまう。依頼主がどんな考えをしているかわからない以上、狙いが知りたい。
魔王軍と戦っていた時もそうだが、強い敵、得体のしれない敵相手にはただ逃げているだけではだめだ。時にはリスクを追ってでも敵に接近して考えや動向を知る必要がある。
「わかりました、では手続きの方に入りますね」
フィーナさんは、戸惑いながらも了承してくれた。言葉通り、フィーナさんが書類を出して手続きを行う。
5分ほどで手続きは完了。
「手続きの方、終わりました。もう一度説明しておきます、集合場所は中央広場。日付は今日から4日後、時間は朝です。何か質問はありますか?」
「いえ、特にないです」
「それでは以上となります。私も見たことが無い仕事ですが、くれぐれも身の安全は守ってくださいね。ご健闘を祈ります」
フィーナさんの話が終わると、クエストの資料を受け取りこの場を去る。
歩きながらローザが話しかけてきた。
「陽君、あの紹介状、大丈夫なんですか? 変な事件に絡まれたりしないですよね?」
どこか怯えている感じがする。怖がっているのだろうか。俺は作り笑いを見せ、言葉を返す。
「大丈夫だよローザ。集合場所は人通りの多いところなんだ。話を聞いてあきらかにおかしかったら断る。だから安心して」
「──良かったです。信じますよ」
セフィラとローザはほっとする。まあ、今いろいろ考えてもはじまらない、当日になればわかるだろ。
どんなクエストが待っているかわからない。臆さず行くしか道はない。けれど、ローザ達は絶対に守ってみせる。
そんな思いを胸に俺達は、この場を後にしていった。
そして当日。
指定された場所に移動。
先日のクエストで集合した噴水のある中央公園。
「お久しぶりです。陽平さん。私の事覚えていますか?」
背後からどこかで聞いたことがある声、誰だっけ?
慌てて後ろを振り向く、そこには俺と同じくらいの背丈の人物がフードをかぶっていた。
「陽平さん、流石です。もうクエストを達成したそうですね。素晴らしい、さすがは元勇者です」
やはり俺のことを知っている、どういうことだ?
そしてその人物がフードを取る。
そっか、あなただったんだ!!
「パトラさん。どうしてこんなことを??」
そう、その人物は俺がこの世界にきて王都に行くとき、最初に出会った人物。
ここに来る途中、魔獣たちに襲われているところを俺が助けた。
姿を隠していたのは自分が敵に狙われているのを知っているから。
「とりあえず宮殿まで案内します。話しは歩きながらしましょう」
パトラはそう言うと道を歩き始める、俺達は慌ててついていく。
そして人通りの多い街を歩きながら話してくる。
あの後、俺達は近くの森で魔獣が出ていたので退治したり、街中を歩いて何か怪しい事が無いか探したりしていた。
今日もルシフェル達と一緒にギルドで何か仕事が無いか掲示板を探していると。
「あの……、陽平様。よろしいでしょうか?」
ギルドの支配人、フィーナさんが後ろから声をかけてくる。俺は振り向いてフィーナさんに言葉を返した。
「フィーナさん、おはようございます。何でしょうか?」
「陽平様に依頼書が来ているのですが……」
「依頼書。俺指名の依頼がギルドに来ているという事ですか?」
そう返すとフィーナさんは「はい」といって戸惑う。
依頼主の中には冒険者を指名し、依頼書を出すという人もいる。
俺が勇者だった時も俺宛に指名してクエストの依頼が来る事はあった。普通の冒険者では到底できないような内容だったり、人に言えないような極秘任務だったり様々だ。
「別にかまいませんよ。どんなクエストなんですか?」
俺がそう返す、するとフィーナさんは困った表情をする。そして腕を組んで言葉を返す。
「ちょっと内容がおかしいんですよ」
「内容がおかしい?? どういうことですか?」
「見てみればわかります、待ってください。依頼書、持ってきますから──」
そう言ってフィーナさんは事務所へ帰ってしまった。事務所でガサゴソと机を探しその依頼書を取り出す。
そしてフィーナさんが戻ってきて、その依頼の紙を俺に恐る恐る渡してくる。
依頼書、受け取った俺は封を開け、中身を取り出す。
中身を開け、依頼書を読んでみる。そしてその理由がよくわかった。
差出人 不明
仕事内容 当日、差出人により説明
報酬 当日、差出人により説明
「こんな依頼書、初めて見ました」
セフィラが横から依頼書を見てそう囁く。困った表情。そりゃそうだ、俺だって初めて見た。
依頼主も内容もわからない。一体どんなクエストなんだ??
「どうしましょうか陽平様、内容の不備を理由に依頼を却下する事もできますよ」
「集合場所はどこなんですか?」
「えーと、たしか先日のクエストがあった場所と同じ中央広場です」
ああ、あの人通りの多いいところか──。なるほど、それなら考えはある。
「わかりました、このクエスト受諾します。受けましょう」
「いいんですか? こんな不備だらけの依頼書でですか?」
「別に大丈夫ですよ。詳しい内容は集合場所で聞けばいいですし、何かおかしかったらその場で断ればいいですし」
当然、ここで断ったら依頼主の動きが分からなくなってしまう。依頼主がどんな考えをしているかわからない以上、狙いが知りたい。
魔王軍と戦っていた時もそうだが、強い敵、得体のしれない敵相手にはただ逃げているだけではだめだ。時にはリスクを追ってでも敵に接近して考えや動向を知る必要がある。
「わかりました、では手続きの方に入りますね」
フィーナさんは、戸惑いながらも了承してくれた。言葉通り、フィーナさんが書類を出して手続きを行う。
5分ほどで手続きは完了。
「手続きの方、終わりました。もう一度説明しておきます、集合場所は中央広場。日付は今日から4日後、時間は朝です。何か質問はありますか?」
「いえ、特にないです」
「それでは以上となります。私も見たことが無い仕事ですが、くれぐれも身の安全は守ってくださいね。ご健闘を祈ります」
フィーナさんの話が終わると、クエストの資料を受け取りこの場を去る。
歩きながらローザが話しかけてきた。
「陽君、あの紹介状、大丈夫なんですか? 変な事件に絡まれたりしないですよね?」
どこか怯えている感じがする。怖がっているのだろうか。俺は作り笑いを見せ、言葉を返す。
「大丈夫だよローザ。集合場所は人通りの多いところなんだ。話を聞いてあきらかにおかしかったら断る。だから安心して」
「──良かったです。信じますよ」
セフィラとローザはほっとする。まあ、今いろいろ考えてもはじまらない、当日になればわかるだろ。
どんなクエストが待っているかわからない。臆さず行くしか道はない。けれど、ローザ達は絶対に守ってみせる。
そんな思いを胸に俺達は、この場を後にしていった。
そして当日。
指定された場所に移動。
先日のクエストで集合した噴水のある中央公園。
「お久しぶりです。陽平さん。私の事覚えていますか?」
背後からどこかで聞いたことがある声、誰だっけ?
慌てて後ろを振り向く、そこには俺と同じくらいの背丈の人物がフードをかぶっていた。
「陽平さん、流石です。もうクエストを達成したそうですね。素晴らしい、さすがは元勇者です」
やはり俺のことを知っている、どういうことだ?
そしてその人物がフードを取る。
そっか、あなただったんだ!!
「パトラさん。どうしてこんなことを??」
そう、その人物は俺がこの世界にきて王都に行くとき、最初に出会った人物。
ここに来る途中、魔獣たちに襲われているところを俺が助けた。
姿を隠していたのは自分が敵に狙われているのを知っているから。
「とりあえず宮殿まで案内します。話しは歩きながらしましょう」
パトラはそう言うと道を歩き始める、俺達は慌ててついていく。
そして人通りの多い街を歩きながら話してくる。
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