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【完結】~追放された「元勇者」がゆく2度目の異世界物語~ 素早さ102、600族、Sランクで再び勇者になるようです

静内 燕

第13話 元勇者 夜の戦いへ

「元勇者さん、大変です。この屋敷を取り囲むように魔獣が──」

「な、何だって?? すぐ行く!」

マジかよ。夜に奇襲か、俺はベッドから飛び降り、ルシフェルと一緒にその場に急行。

案内されたのは入口の上にある4人部屋。すでに警戒モード、他の冒険者が10人ほどが、びくびくしと窓の外を見ている。

「どれどれ、あの窓の外に魔獣がいるんだな?」

「そ、そ、そ、そうですぜ、元勇者の旦那!!」

震えあがっている冒険者を横目に、俺とルシフェルはゆっくりと窓へ。
窓の視線に視線を送ると……。

「あれか──」


夜の暗闇の中、光るような眼光がこちらを向いている。その数20個ほど。ただの動物なのか、魔獣なのかわからない。


「でも、本当に魔獣なのか? ただの夜行性の動物ってこともありえるぞ?」


周囲の冒険者はオロオロしながらざわめく。そして皆が窓の外に目を向けた。
その眼光を目の当たりにした冒険者が囁く。

「あれシカじゃないのか??」

「シカだよシカ、この辺りによく出るって聞いたぜ」

「シカだよな……」

「シカですよね──」

この辺りはシカが出ると言う事は知られている。冒険者達は怯えながらシカである事を祈っている。

ま、願望が入っているだろうな。

とりあえず寝なければ──。そこで怖がっている冒険者達にルシフェルが一つの案を出す。

「まだ遺跡への移動は続くわ、それに遺跡には戦わなきゃいけない敵がいるかもしれない。わかる?」

「それは──、わかります」



「だから睡眠を取らないわけにはいかないわ。そこで提案」

そしてルシフェルは冒険者たちに耳を貸す。ひそひそ──。

「う~~ん、それがいいかもしれんな」


ルシフェルは魔王としていろいろな敵と戦ってきた。だから不意の敵の奇襲対策もバッチリなはずだ。戦ってきた俺だからわかる。

本当に手を焼かされた──。

「俺も協力する、だからもうみんな寝よう──」

俺も彼女の意見に賛同、反論はなかった。そしてそのために使う道具を集めるため、俺は5分ほど外へ。

そして玄関に戻りとある仕掛けをしてルシフェルの作戦は終わり。俺は再びベットへ戻る。





夜も更けみんなが寝静まったころ──。



ザクッ──。


「来たみたいだ……。ちょっと退治しに行ってくる」

下の玄関から何かを足で踏んだような音が聞こえた。俺とルシフェルがすぐに起き上がる

「シカとかじゃないんですか?」

ローザがびくびくしながら聞いてくる、だがこの足音は違うはず。

「普通のシカだったら落ち葉を踏んでもそのまま歩き続ける。足音が止まったってことは、音が周囲に聞こえる事がまずいと思ったということだ──」


俺達が用意した策、それは玄関に落ち葉をいておくこ。
外にある落ち葉を玄関へ、たったそれだけ。


暗いこの玄関では下にある落ち葉を見落とす可能性は高いし、敵の知能次第ではそれは罠だと認識すらしない。

俺もルシフェルも武器を構え戦う準備をする。他の冒険者も気づいたようで、隣の部屋からもガサゴソと物音が聞こえ出す。


ギィー、ギィー……。

足音の主は廊下を歩き始めた。獲物があると気配で気付いたのだろう。作戦は単純、先手必勝。
こっちに被害が出る前に魔獣たちを倒せばいい!!

そして俺は一気に駆け足になり階段を下る。1階の廊下、暗闇に慣れた目、正面には魔獣の姿。

ズバァァァァァァァァァァァ!!

魔獣達を一瞬で切り裂く。

「私も応援するわ、悪いけどこの建物。半壊くらいしちゃっていい?」

ルシフェル、起きてきたようで一緒に戦っている。
俺はその質問に苦笑いをしながら突っ込む。

「悪いがやめてくれ、この建物は冒険者が長旅をするため必要な物なんだ」

「わかったわ……」

そう言うとルシフェルの武器の光が弱まる。お前の実力ならこんな魔獣くらい接近戦で勝てるだろ、AT80なんだから──。

それにこの狭い廊下じゃ2人同時に戦うなんて出来ない。

とにかくこの冒険者にとって大事な建物を壊すわけにはいかない。ここは全部俺が片付ける!!
そうやりとりしている間に魔獣がもう一体殴りかかってくる。

俺は特によけたりするしぐさは見せず、そのままその敵を薙ぎ払う。
下級魔獣程度の攻撃、正直俺には止まって見える。

5~6体いた魔獣が数十秒で消え去っていく。
そりあえず敵は片付いたようだ。


「私の出番、無かったわね──」

ルシフェルがどこか残念そうにつぶやく。まあ、彼女の本業は遠距離攻撃だ、これから発揮してもらえばいい。

「さすが元勇者さんだ──」

「やっぱ俺達とはレベルが違うな」

魔獣たちはこの場から一掃、周囲からは俺を賛美する声が溢れる。
だが俺達はこの状況を手放しに喜べなかった。

「褒めてくれてありがとう、ただ明日からも移動はあるし、あくまでも目的は魔獣のいる遺跡だ。今日はもう寝よう──」

その言葉に周囲の冒険者たちは互いに視線を合わせ、自身の部屋に帰っていく。

そして部屋に戻るとローザやセフィラ、ルシフェルの姿。
ルシフェルは腕を組みながらつぶやく。

「魔獣だったわね──」

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