~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間そのスキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がる。なお俺を追放したパーティーは没落した模様
第104話 唯一王 アドナのことを思って……
「アドナ。いいことを教えてやる。俺たちが立ち寄ったシャフルスク村の中央にある商人がやっている出店、そこに売っていた水晶ドクロのことなんだけどな──」
するとアドナが体をピクリと動かし、険しい表情に変わった。
それを見た俺は俺はアドナのやったことを理解。つくづく嘘がヘタクソな奴だ。
アドナは舌打ちをした後、俺を指さす。そして言葉を詰まらせながら反論してきた。
「な、何だよ。俺がそこから買ったってというのか。変ないちゃもんをつけていないでさっさと負けを認めたらどうだ!」
「落ち着け。露店のおじさんに事情を説明してな、目印をつけてもらったんだ。もしそこで勝ったものなら、透明なシールがついているんだよ。この右耳の部分に。触らせてくれ」
「ま、まて。そうインチキな事を言って自分で張るつもりだろ。俺は騙されないぞ、姑息な奴め」
「そんなことはしない。ここに証拠もある」
そう言いながら俺は露店のおじさんのサインが入った紙を見せつける。そこには自分の商品にこの店で買った証拠としてシールがついている事が記述されていた。
アドナは明らかに動揺している。それを見ただけで理解した。やはりそこで買ったのだと。
「……では私がやりましょう。それではアドナ様、一応確認させていただきます」
背後からリルナさんがやってきて手に持っていたドクロを手に取る。
俺に意識が集中していたアドナはそれに気づかなかった。
「どれどれ……、って右耳の部分にしっかりとありますねぇ。念のため他のドクロも調べさせていただきます」
流石に賭けをしている俺が手を触れるわけにはかない。今シールを付けたとかあらぬいちゃもんを付けられるから。
リルナさんがドクロを調べる。すると手に取ったドクロほぼすべてにシールがついていた。
やっぱりだ。
アドナの目がウツロになり、顔が真っ青になっている。正直、見てるこっちが可哀そうに思えてきた。
そしてほどなくするとリルナさんが確認を終えため息をつく。
「これで確認が終わりました。アドナさんが持って来たドクロのうち、十七個にシールがついてよってこれらは無効とさせていただきます。しかし、この三つにはマークがついていませんね……」
「そうだねー(棒)きっとこれはアドナが手に入れてきたんじゃないかな──(棒)」
俺は明らかに演技臭い口調で言葉を返した。
こういった勝負には一つの大原則がある。それは「疑わしきものは罰せず」だ。
そうしなければ、例えかったとしても、強引にいちゃもんをつけて勝負を無効にされてしまうからだ。
だから、相手が不正をしたと主張するには百パーセントの証拠を突きつけなければならない。
まあ、俺が意図的にマークをつけなかったんだけどね……。
「けれど、証拠がないというのなら、罪に問うことはできませんねぇ」
「はい、証拠がない以上この三つは収穫物としてカウントしていいと思います」
理由は簡単。流石にアドナを奴隷にまで落とすのは嫌だからだ。
確かにこれは真剣勝負。フリーゼたちの命運がかかっている。だから手加減なんてしないしこっちも本気で戦わせてもらった。
けれど、俺のせいでアドナが奴隷になってしまうというのはさすがに気が引ける。だから商品の内、真ん中にある三つにはサインをつけていなかったんだ。アドナの性格なら何も考えず手に取りやすいものからとるだろうからね。
これなら俺が勝ってもアドナは借金を返せる。奴隷になんてならないで済む。実はクラリアを出る前、ヴィーザルに聞いたのだ。アドナとどんな契約をしたのか。アドナがどんなリスクを負ってこの勝負に挑んだのかを──。
そこで最低でも三つ集めないとアドナは借金を背負い、奴隷となってしまう事を。
そして、帰ってからそれをリルナさんに説明したのだ。
「そ、そういう事だったんですか。びっくりしました」
「はい。だからアドナが奴隷にならないように協力してほしいんです」
ということで俺の不正対策をリルナさんに教えて今に至るということだ。
「ええ。けど証拠がないですから──。それでは不正に手に入れたと断定はできないですね(棒)」
リルナさんはにこやかになりながら納得してくれた。やはり、自分が知っている人が奴隷になるのは嫌なようだ。
「そうですね。それでは、アドナさんはこの三つを手に入れたということにします。 それでは結果ですが、五対三でフライさんの勝ち」
「フライの勝ちフィッシュ。やったフィッシュ」
「もう、アドナがあんだけのドクロを持って来た時はヒヤヒヤしたわ」
喜ぶハリーセルとレディナ、レシア。
俺たちの中に安堵の空気が流れる。
アドナは、表情を失って固まってしまっていた。
「とりあえず、報奨金を与えますね、いま手続きを行いますので、少々お待ちください」
そしてリルナさんは事務室の方へ。
悪いなアドナ、これから大変だろうけど。これも勝負だから──。
アドナは表情が固まったままだ。目の焦点が合っていない。
そして握りこぶしが強くなり、プルプルと震えはじめている。
そして──。
するとアドナが体をピクリと動かし、険しい表情に変わった。
それを見た俺は俺はアドナのやったことを理解。つくづく嘘がヘタクソな奴だ。
アドナは舌打ちをした後、俺を指さす。そして言葉を詰まらせながら反論してきた。
「な、何だよ。俺がそこから買ったってというのか。変ないちゃもんをつけていないでさっさと負けを認めたらどうだ!」
「落ち着け。露店のおじさんに事情を説明してな、目印をつけてもらったんだ。もしそこで勝ったものなら、透明なシールがついているんだよ。この右耳の部分に。触らせてくれ」
「ま、まて。そうインチキな事を言って自分で張るつもりだろ。俺は騙されないぞ、姑息な奴め」
「そんなことはしない。ここに証拠もある」
そう言いながら俺は露店のおじさんのサインが入った紙を見せつける。そこには自分の商品にこの店で買った証拠としてシールがついている事が記述されていた。
アドナは明らかに動揺している。それを見ただけで理解した。やはりそこで買ったのだと。
「……では私がやりましょう。それではアドナ様、一応確認させていただきます」
背後からリルナさんがやってきて手に持っていたドクロを手に取る。
俺に意識が集中していたアドナはそれに気づかなかった。
「どれどれ……、って右耳の部分にしっかりとありますねぇ。念のため他のドクロも調べさせていただきます」
流石に賭けをしている俺が手を触れるわけにはかない。今シールを付けたとかあらぬいちゃもんを付けられるから。
リルナさんがドクロを調べる。すると手に取ったドクロほぼすべてにシールがついていた。
やっぱりだ。
アドナの目がウツロになり、顔が真っ青になっている。正直、見てるこっちが可哀そうに思えてきた。
そしてほどなくするとリルナさんが確認を終えため息をつく。
「これで確認が終わりました。アドナさんが持って来たドクロのうち、十七個にシールがついてよってこれらは無効とさせていただきます。しかし、この三つにはマークがついていませんね……」
「そうだねー(棒)きっとこれはアドナが手に入れてきたんじゃないかな──(棒)」
俺は明らかに演技臭い口調で言葉を返した。
こういった勝負には一つの大原則がある。それは「疑わしきものは罰せず」だ。
そうしなければ、例えかったとしても、強引にいちゃもんをつけて勝負を無効にされてしまうからだ。
だから、相手が不正をしたと主張するには百パーセントの証拠を突きつけなければならない。
まあ、俺が意図的にマークをつけなかったんだけどね……。
「けれど、証拠がないというのなら、罪に問うことはできませんねぇ」
「はい、証拠がない以上この三つは収穫物としてカウントしていいと思います」
理由は簡単。流石にアドナを奴隷にまで落とすのは嫌だからだ。
確かにこれは真剣勝負。フリーゼたちの命運がかかっている。だから手加減なんてしないしこっちも本気で戦わせてもらった。
けれど、俺のせいでアドナが奴隷になってしまうというのはさすがに気が引ける。だから商品の内、真ん中にある三つにはサインをつけていなかったんだ。アドナの性格なら何も考えず手に取りやすいものからとるだろうからね。
これなら俺が勝ってもアドナは借金を返せる。奴隷になんてならないで済む。実はクラリアを出る前、ヴィーザルに聞いたのだ。アドナとどんな契約をしたのか。アドナがどんなリスクを負ってこの勝負に挑んだのかを──。
そこで最低でも三つ集めないとアドナは借金を背負い、奴隷となってしまう事を。
そして、帰ってからそれをリルナさんに説明したのだ。
「そ、そういう事だったんですか。びっくりしました」
「はい。だからアドナが奴隷にならないように協力してほしいんです」
ということで俺の不正対策をリルナさんに教えて今に至るということだ。
「ええ。けど証拠がないですから──。それでは不正に手に入れたと断定はできないですね(棒)」
リルナさんはにこやかになりながら納得してくれた。やはり、自分が知っている人が奴隷になるのは嫌なようだ。
「そうですね。それでは、アドナさんはこの三つを手に入れたということにします。 それでは結果ですが、五対三でフライさんの勝ち」
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