~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間そのスキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がる。なお俺を追放したパーティーは没落した模様
第102話 アドナの末路
そして、アドナの末路。
アドナはその後、村へと単独で帰還。カムロスさんのところへ。
むすっとしたような表情。流石のアドナといえども、目的の石英を手に入れられなかったことはこたえているようだ。
はじめて来た時と同じ、薄暗く、ござが敷かれた部屋。
カムロスさんは、胡坐をかいて、無表情で言葉を発した。
「んで、どうなっただ?」
彼の質問に、この場一帯の雰囲気が気まずくなる。
アドナはケッとイラついた表情をすると、舌打ちをする。
そしてそっぽを向きながら答えを話した。どこか悔しそうな表情をしながら。
「石英は、手には入れられなかった──。けど、それは俺のせいじゃない」
「お前のせいではないだと?」
その言葉にカムロスは体をピクリと反応させた。どこか彼の琴線に触れたかのように。
アドナはそんなことに全く気が付かず、カムロスさんに迫り、必死に自分の無実と悪いのは周囲だということを弁解する。
「悪いのは俺じゃないんだ。雑魚で使えない村の冒険者達なんだ。俺は最後まで必死に戦った。けど村の奴らが俺様の足を引っ張ったんだ。だから水晶ドクロを俺のも分けてくれよ。頼むよ頼むよ頼むよ!!」
アドナはカムロスさんの身体を揺さぶって必死に頼み込む。しかしカムロスさんの返す言葉はただひとつだった。
「……貴様には、売らん」
その言葉にアドナの顔が真っ青になり、言葉を失ってしまう。
事実上の彼への敗北宣言。
しかしアドナは、それを認めようとしない。あきらめが悪いアドナは、売らないと言われても必死にカムロスさんにせっつき、結果を変えようとする。
その表情には、確実に焦りが生まれ始めていた。
「待ってくれ。本当に俺のせいじゃないんだ。頼む、金ならここにたっぷりとある。これで足りないというなら街へ行って借りてきたっていい。だから売ってくれ。いくらだ。いくらだ──」
「金の問題じゃねぇっ。いくら積まれたってお前なんかには絶対に売らねぇつってんだよ!」
とうとう借金をしてまで手に入れようとするが、結果は変わらない。
むしろカムロスさんの機嫌が目に見えて悪くなり、事態は悪化している。
そしてカムロスさんの突っぱねるような強気な態度。それにアドナはとうとう我慢できなくなり──。
「この野郎。下手にのりゃつけ上がりやがって──!」
とうとう怒りを爆発させ、カムロスさんの胸ぐらをつかむ。
「よこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせ」
アドナは目を血眼になりながら叫んだ。
当然だ。アドナはこのドクロを手に入れられなければ奴隷の首輪をつけさせられるのだから。
彼の頭の中には、どんなことをしてでも水晶ドクロを手に入れるという事しかない。そのためならどんな事でもするだろう。
それくらい、今のアドナは必死になってる。
「ふざけるんじゃないよ!」
しかしカムロスはアドナの胸ぐらをサッとつかみ返す。そしてそのまま後ろに投げ飛ばした。
アドナがは数メートルほど体を吹き飛ばされ、大きく転倒。
そして、そのショックでただ体をフリーズさせている。
大きく目を開け、表情を失っているアドナに、カムロスは今までにないくらい感情を爆発させて叫ぶ。
「お前みたいなやつは大っ嫌いさ。常に周囲のことを考えず自分が助かることしか考えていない。自分の徳とならないと見るや俺の仲間を見捨て、保身に走る。そ
お前はただ卑しいだけの小悪党だ。
そんなお前に俺達の宝であるドクロを与えるなんて絶対嫌だな。たとえ金貨を百枚積まれたって売りゃしないよ」
村の冒険者たちはカムロスにとっても同じ村人であり、仲間のような存在。
そんな彼らに対してアドナは「使えない」、「雑魚」などと罵詈雑言を吐き、ピンチの時には助けようともせず、見捨てた。
その事実は村の冒険者たちを通して、カムロスの耳へと伝わっていたのだ。
カムロスさんは、その時はため息をして肩を落とした。本当であれば、例え石英を手に入れられなかったといても、譲ってあげようという気持ちはあったのだが、彼の素行の悪さを聞いて、その気持ちは消えてしまったのだ。
そして、アドナに対する答えは出たのであった。
「そういうことだ、アドナはん。お前さんが村人たちを見捨てた時点で、こうなる運命は決まっていただ。じゃあな」
カムロスはそう言ってこの部屋を去っていった。
畳の部屋の中、アドナは完全にフリーズしてしまい、顔面蒼白状態。
アドナに抵抗する気力も、何か策を打つ頭も残っていない。
自分が何も手に入れられなかったという現実が、彼の頭の中に重く重くのしかかっている。
そしてこのままでは雑魚で使えないと豪語していたフライに負けるということ、もう一つは奴隷の首輪をつけられるという事実。
それでも、俺に負けるわけにはいかないと心に決めているアドナ。
不正行為を行う決断をするのに、そう時間はかからなかった。
アドナはその後、村へと単独で帰還。カムロスさんのところへ。
むすっとしたような表情。流石のアドナといえども、目的の石英を手に入れられなかったことはこたえているようだ。
はじめて来た時と同じ、薄暗く、ござが敷かれた部屋。
カムロスさんは、胡坐をかいて、無表情で言葉を発した。
「んで、どうなっただ?」
彼の質問に、この場一帯の雰囲気が気まずくなる。
アドナはケッとイラついた表情をすると、舌打ちをする。
そしてそっぽを向きながら答えを話した。どこか悔しそうな表情をしながら。
「石英は、手には入れられなかった──。けど、それは俺のせいじゃない」
「お前のせいではないだと?」
その言葉にカムロスは体をピクリと反応させた。どこか彼の琴線に触れたかのように。
アドナはそんなことに全く気が付かず、カムロスさんに迫り、必死に自分の無実と悪いのは周囲だということを弁解する。
「悪いのは俺じゃないんだ。雑魚で使えない村の冒険者達なんだ。俺は最後まで必死に戦った。けど村の奴らが俺様の足を引っ張ったんだ。だから水晶ドクロを俺のも分けてくれよ。頼むよ頼むよ頼むよ!!」
アドナはカムロスさんの身体を揺さぶって必死に頼み込む。しかしカムロスさんの返す言葉はただひとつだった。
「……貴様には、売らん」
その言葉にアドナの顔が真っ青になり、言葉を失ってしまう。
事実上の彼への敗北宣言。
しかしアドナは、それを認めようとしない。あきらめが悪いアドナは、売らないと言われても必死にカムロスさんにせっつき、結果を変えようとする。
その表情には、確実に焦りが生まれ始めていた。
「待ってくれ。本当に俺のせいじゃないんだ。頼む、金ならここにたっぷりとある。これで足りないというなら街へ行って借りてきたっていい。だから売ってくれ。いくらだ。いくらだ──」
「金の問題じゃねぇっ。いくら積まれたってお前なんかには絶対に売らねぇつってんだよ!」
とうとう借金をしてまで手に入れようとするが、結果は変わらない。
むしろカムロスさんの機嫌が目に見えて悪くなり、事態は悪化している。
そしてカムロスさんの突っぱねるような強気な態度。それにアドナはとうとう我慢できなくなり──。
「この野郎。下手にのりゃつけ上がりやがって──!」
とうとう怒りを爆発させ、カムロスさんの胸ぐらをつかむ。
「よこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせよこせ」
アドナは目を血眼になりながら叫んだ。
当然だ。アドナはこのドクロを手に入れられなければ奴隷の首輪をつけさせられるのだから。
彼の頭の中には、どんなことをしてでも水晶ドクロを手に入れるという事しかない。そのためならどんな事でもするだろう。
それくらい、今のアドナは必死になってる。
「ふざけるんじゃないよ!」
しかしカムロスはアドナの胸ぐらをサッとつかみ返す。そしてそのまま後ろに投げ飛ばした。
アドナがは数メートルほど体を吹き飛ばされ、大きく転倒。
そして、そのショックでただ体をフリーズさせている。
大きく目を開け、表情を失っているアドナに、カムロスは今までにないくらい感情を爆発させて叫ぶ。
「お前みたいなやつは大っ嫌いさ。常に周囲のことを考えず自分が助かることしか考えていない。自分の徳とならないと見るや俺の仲間を見捨て、保身に走る。そ
お前はただ卑しいだけの小悪党だ。
そんなお前に俺達の宝であるドクロを与えるなんて絶対嫌だな。たとえ金貨を百枚積まれたって売りゃしないよ」
村の冒険者たちはカムロスにとっても同じ村人であり、仲間のような存在。
そんな彼らに対してアドナは「使えない」、「雑魚」などと罵詈雑言を吐き、ピンチの時には助けようともせず、見捨てた。
その事実は村の冒険者たちを通して、カムロスの耳へと伝わっていたのだ。
カムロスさんは、その時はため息をして肩を落とした。本当であれば、例え石英を手に入れられなかったといても、譲ってあげようという気持ちはあったのだが、彼の素行の悪さを聞いて、その気持ちは消えてしまったのだ。
そして、アドナに対する答えは出たのであった。
「そういうことだ、アドナはん。お前さんが村人たちを見捨てた時点で、こうなる運命は決まっていただ。じゃあな」
カムロスはそう言ってこの部屋を去っていった。
畳の部屋の中、アドナは完全にフリーズしてしまい、顔面蒼白状態。
アドナに抵抗する気力も、何か策を打つ頭も残っていない。
自分が何も手に入れられなかったという現実が、彼の頭の中に重く重くのしかかっている。
そしてこのままでは雑魚で使えないと豪語していたフライに負けるということ、もう一つは奴隷の首輪をつけられるという事実。
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