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~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間そのスキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がる。なお俺を追放したパーティーは没落した模様

静内 燕

第96話 アドナ ダンジョンを越え、破滅へ

「クソが、クソがこの野郎ども──」

そしてデュラハンはこれを好機と考え一気に攻め込んでくる。

その姿を見たアドナ。
自分をデュラハンが勝てる相手だと認識しているのだと感じる。

それに対して、彼の心の中で怒りが頂点に達する。

「この俺様は、貴様らなどに負けるような雑魚ではない!! 貴様らなど、すべて八つ裂きにしてやる!!」

感情を爆発させた。自分はSランクの実力があるという過信と、雑魚敵と認識していたデュラハンにすら苦戦してしまう現実との差。

それをまざまざと突き付けられ、とうとう彼は怒りが理性を越えてしまったのだ。
そしてそのまま怒り狂い力任せに剣を振り回す。

デュラハンはさっきまでの様に攻撃を受けようとするが──。

グジャァァァァァァァァァァァァ──。

さっきとは攻撃を受けることができず、デュラハンの肉体は壁にたたきつけられた。

たたきつけられた肉体はそのまま倒れこむ。
そしてアドナはまるでハイエナの様に倒れた肉体に急接近。

今まで苦戦していた分、力任せにデュラハンの亡骸を何度も何度も切りつける。

「このクソ野郎。俺は雑魚ではない雑魚ではない雑魚ではない雑魚ではない雑魚ではない」

いままで苦戦していた現実を、払拭するかのように。
そしてそれが終わったアドナは、他の苦戦している冒険者のところへと向かう。

まずはリーダー格のジュゴル。

有利に戦いを進めていたデュラハンを力ずくで蹴っ飛ばし、後ろにある岩にたたきつける。

そのまま襲い掛かり何度もデュラハンを突き刺し、くし刺しに。
今まで、自分が苦戦した分の怒りをぶつけるように、何度も、何度も──。


「このクソ野郎ども。この俺様をコケにした報い、受けさせてやるぞォォォォォ」

「あいつ、完全に怒り狂ってるけ──」



ジュゴルはその姿に驚いて他の仲間の応援へ。
その後も彼らの戦いは続く。

そしてアドナの活躍もあって何とかデュラハンを退治した。しかし動きはバラバラなうえ、アドナは感情のままに限界を超えてデュラハン達を皆殺しにした。

それだけではない。かなり体力を消耗してしまっている。おまけにアドナと村人たちの関係はいがみ合ったまま、これ以上の強敵と出くわしたらどんな結果が待っているかわからない。

「す、すまん。少しばかり休憩させてくれ」

「ああ、オラたちもさすがに体力的にきつい」

ということでしばしの間休憩することとなった。
幸い他の敵は襲ってこなかった。


そしてしばらく休んで動けるようにはなった。
疲労を抱えながらも、早く石英を手に入れたいという気持ちも強い。

「おーい、お前たち。そろそろ行くぞ」

「ああ、そうだな……」

どこか悪い雰囲気。周囲を確かめもせず、アドナは立ち上がって道の先へ。

不安要素を抱えたまま、彼らはダンジョンを進んでいく。


そしてその不安要素が、彼らをさらなる絶望へ導くことになろうとは、この時はまだ知らなかった。






それからダンジョンを進んでいき、俺たちと同じように何とかダンジョンを突破。
草が腰くらいまで生い茂る草原に出る。

「んじゃ、先へ進むで」

「ああ」

さっきまでギスギスしていたパーティーたち。全く会話もかわさず、雰囲気は最悪。
デュラハン達に大苦戦。おまけに苦戦した責任を全員で押し付け合い、口論にまでなったのだから当然だ。

なので冒険者たちは周囲のことなど全く考えていない。助け合うことなどもうないだろう。  もっともアドナは最初から周囲のことなど考えない。自分が大活躍をして、結果を出す。俺に自分との差を見せつける事ばかり考えている。

そしてしばらく草原を歩いていくと、その場所は訪れた。

「おおっ、アレ石英じゃないべか。見つけたで」

冒険者の一人が指をさしたのは、草原の中にある大きな大樹の下。
そこに無色透明な色、水晶のような形をした物質、石英があった。

その姿に今まで雰囲気が悪かった冒険者たちの中にも、どこか落ち着きの様子が感じられた。
そしてそれを見て一番にやつきを抑えられなかったのがアドナだった。

石英を視界にとらえた瞬間、自分たちが勝利した気になったため、警戒もせずに我先にと石英の方へと向かっていく。

「これで俺の勝利は確定だ。フライめ、今度こそ実力の差というものを思い知らせてやるよ、あのクソザコ野郎」

その慢心が、彼自身に報いとなって襲い掛かるとも知らずに。

冒険者達も、少しずつ石英の方へ向かっていく。すると──。


ガサガサガサガサ──。

冒険者達の周囲から、何かが動いているような物音が聞こえてきた。
アドナや冒険者たちはすぐにその音に反応。きょろきょろと周囲に視線を向ける。

すると、背後の草むら。そこから白い角が見え始めた。

「グルルルル──」

ユニコーンだ。周囲の冒険者たちはその姿に戸惑い、怯え始める。

しかし、その姿を見ても全く動じない、むしろ誇らしげな態度になる人物が一人だけいた。

「なんだ、どんな強敵かと思ったら貴様達か。こんなザコども私の敵ではない。
こいつらを倒して、俺はもう一度Sランクへと成り上がる。さあ、この俺様が全員ぶっ倒してやるぞ!」

そう、アドナだ。俺たちとパーティーで戦っていた時、何とかだが勝利した記憶があるので、ユニコーンは自分が勝てる相手だと思い込んでいるのだ。

当然それは俺の加護やミュアの援護、周囲との連携があっての物だ。単独で倒したのではない。

その過信が、アドナを窮地に陥れることになるのだが。

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