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~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間そのスキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がる。なお俺を追放したパーティーは没落した模様

静内 燕

第95話 過信と報い

「んだど? よそモンのくせに黙っていればつけ上がりやがって。お前さんこそ出ていけ!」

そして冒険者も怒りを爆発させる。いつ敵が襲ってくるかわからない場所で一触即発の状態で、リーダー格の一人が仲裁に入る。

「おい、こんなところで喧嘩はよせだ。今はそんなときじゃないだ」

その言葉に二人ともいやいや矛を収める。
アドナが舌打ちをすると、リーダーのジュゴルが強くアドナをたしなめる。

「お前さんも、強いのがわかるが、もう少し言葉の使い方に気を付けた方がいいだよ」


アドナはため息をついて言葉を返す。

「ふぅ──、仕方がないな。すまなかったすまなかった」

しこりが残ってしまったが、真っ暗でいつ敵が襲ってくる状況でいつまでもケンカしてはいられない。

互いに矛を収めて何とかこの場は鎮まる。
そして気まずい雰囲気のまま彼らはダンジョンの中を進んでいく。

薄暗くて道の先や足元が見えない中、慎重に進んでいくと、事件は起こった。

ズバァァァァァァァァァァ──。

明かりを照らしていた冒険者が突然何者かに襲われる。

彼の大きな悲鳴。アドナたちは慌てて武器を取り、対応する。

動揺している冒険者たちに、敵は待っているはずもない。

さらに明かりの冒険者が攻撃を受けた瞬間、明かりが消え真っ暗になってしまったのでどんな敵かもわからず困惑するばかり。

ズバァァァァァァァァァァ──。

「こいつ。奇襲をしてきやがったな」


アドナは機嫌が悪くなり、つぶやくが敵だって俺たち冒険者を倒すために、策を練っている。

だが真っ暗なダンジョンの中を、無警戒で歩くなんてしない。普通の敵の奇襲を警戒して周囲の気配を感じたりするのだが、俺やミュアに任せっきりだったアドナにそれをしようという思考回路はない。


おまけにそれが当たり前になっていたので、いざ一人になっても俺たちの様に周囲を警戒しようなんて考えてもなかったのだ。



間一髪でアドナは攻撃をかわす。
いきなりの奇襲に冒険者たちは戸惑い、動揺したままだ。

しかし敵は立て直す時間など与えるわけがない。ここで勝負を決めるといわんばかりに冒険者たちに猛攻を仕掛けていく。


「な、なんだこいつ。いきなり襲ってきたぞ」

「こいつらは、デュラハンだ。何のことはない、実力は並程度だ。問題ない、倒せる」

ようやく目が慣れてきたアドナが叫ぶ。

デュラハン。首から上が存在しない騎士。ダンジョンなどでは冒険者を襲うことで知られている。

真っ暗なうえに、敵はこのダンジョンを縄張りとしている。よってどこからでも攻撃ができる性質上いつも冒険者側は警戒を怠ってはならない。


そしてデュラハン、確かに実力は並程度で、以前俺達といたときは何の苦もなく倒している。


「このクソ野郎が、この俺に逆らった報いを受けるがいい!」

アドナはその時の記憶から、弱い雑魚敵の一種だと勘違いしすぐに倒せるものだと思い込んでしまう。

「どんな敵と出くわすと思ったら雑魚敵の一種か。お望み通り、数秒で八つ裂きにしてやる!」

アドナの中ではデュラハンは雑魚敵の一種だという認識でしかない。俺たちとダンジョンで戦っていた時は、何十体という集団で襲ってきたこいつらを当たり前の様に一人でなぎ倒してきたからだ。しかしそれは俺の加護やミュアの援護があっての物。

「くらえ! この雑魚がぁ」

自分の実力を受け入れる器がないアドナは、その間違いを体で教えられることになる。

ただでさえ奇襲を食らい、後手後手に回っている中。自分のペースを乱されている上にいつもとは違い狭いダンジョン。

アドナは思ったように反撃ができず、その攻撃はあざ笑うかのように 簡単にかわされる

「クソっ、クソォォォッ──。この野郎、雑魚の分際でよけでばかり。正々堂々と勝負しろぉ!」

ただでさえ俺の加護もミュアの援護もない状況。おまけに精神的に動揺を隠せない状態だ。
おかげで攻撃が乱れ、単調で力任せになる。

そんな状態ではデュラハンにまともに攻撃を与えることができず、逆にダメージを少しずつ浴びてしまう。

とはいえこんな事をしていたら無駄に疲労がたまってしまうのだが、感情的になったアドナはそこまで頭が回らない。

おまけにダンジョンの中はそこまで広くなく、平地の様に剣を振り回せない。

他の冒険者と一緒に、苦戦を続けていた。
それでもアドナは持ち前の瞬発力を生かし。致命傷を避けていく。


──が、一つ一つわずかではあるが、何度も攻撃を受けていくうちにアドナにダメージが蓄積していく。

そしてそれがアドナの攻撃をさらに精度が低いものにしていった。


今までのアドナであればこの程度の敵、雑魚敵の一人として数秒で真っ二つにしていた。

何匹来ようと結果は一緒だった。
それが一人になった途端、攻撃を当てることすらままならず、もてあそばれているようにも見える。


確かにフライを見捨ててから、動きづらくなったり、魔力の調子が悪くなったりと感じたことはあった。

今回の戦いは、あの裏切り者フライに実力の差を見せつけるために自ら吹っ掛けけたものだ。

それが、こんなザコ的デュラハンなんかに苦戦する羽目になってしまっている。
以前トランから聞いた言葉。それがアドナの胸に刺さる。

「あのフライとかいう雑用係、アイツの加護があるからこそお前達はSランクの強さがあったんだ。それがない今のお前たちは、せいぜいBランク程度しかない中堅パーティーだ」

そんなことはない、アイツはゴミで使えない
チームを引っ張ってきたのはいつだって俺だ。

特にフライはクソスキル。戦闘だって並程度の実力しかない。本人は後ろで加護の術式をしているとか言っているが、あんなものあったってなくたって同じだ。

ミュアもキルコも、一人ではSランクの強さなんてない。ウェルキは、ただ感情に任せて突っ込むしかないイノシシのようなやつだ。だから、あっさりと敵の罠にかかって戦死した。

そう思い、全力で剣を振り、デュラハンに攻撃を加える。

──が現実は非情だ。攻撃は全く命中せず、すべて対応されてしまう。


怒りに任せ、ペース配分を考え忘れていたせいでアドナは疲れ果ててしまう。
ぜぇはぁと大きく息を荒げ、座り込む。

「クソが、クソがこの野郎ども──」

「~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間そのスキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がる。なお俺を追放したパーティーは没落した模様」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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