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~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間そのスキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がる。なお俺を追放したパーティーは没落した模様

静内 燕

第82話 レシアの勇気

「ごまかそうとしても無駄です。私はわかるんです。あなたからは、人間ではないにおいがします。ミュラン──ではなく熾天使エンレィ」

俺はそばにいたハリーセルにそのことを聞いてみる。」

「ミュランというのは、熾天使の一人だフィッシュ」

熾天使というのは、この前訪れた遺跡で聞いた事がある。

「私たちが住んでいる天界で、一番の過激派と呼ばれる奴だフィッシュ。多宗教への弾圧や皆殺しは当たり前フィッシュ」


野放しにしてはおけない人物ということじゃないか──。

その間にも、フリーゼとエンレィはにらみを利かせながら会話を続ける。

「フフフ──、すごいじゃないフリーゼ。ずっとあっていないのに、よく私のことがわかっていたわね」

「わかりますよ。私をにらんできたあの眼つき、忘れはしません」

「素晴らしいわ。私、精一杯正体を隠したつもりだったのに。だからそこまで消耗していないのね」


「はい。あそこで倒れたのもそのためです。あなたなら、私達が消耗した後私達をいたぶりつくすくらいやりかねません。だから体力を温存したまま離脱していた。あなたの目論見を打ち破るために」

フリーゼ、すごいな。エンレィのことを最初っから見破って計算していたのか。

確かに、フリーゼがやられた時、彼女にしてはあっけないと思った。
フリーゼなら、もう少し粘れると俺も考えていたが、そこまで考えていたとは。

彼女がいなかったら、どうしようもなかった。助かった。

「それでエンレィさん。どうしてこの世界に来たんですか?」

「わからないの? 観光に来たとでも思っているの?」

余裕そうな表情で冗談を飛ばすエンレィ。フリーゼはため息を一つついた後、質問に答える。

「──すいません。聞いた私が愚か者でした。この世界の偵察ですかね



「すばらしいわ。さすがわフリーゼね。正解、人間に化けてこの世界にいたの。偵察としてね──」

「人間に、化けていた?」

「そうよぉ~~。大変だったんだから、少し前までいた欠陥品と追い出した奴に負けた雑魚のマヌケの目をだまくらかすのは」

すると倒れこんでいたノダルが舌打ちをして突っかかる。
エンレィは冷静な表情を崩さない。

「おい、隣にいる雑魚のマヌケって誰のことを言っているんだよ!」



「フフッ、そんなこともわからないのかしら。だからバカでマヌケなのよ。だからレディナなんて雑魚に負けるのよ」

「なんだとこの野郎!」

逆上したノダルは怒りを爆発させエンレィの胸ぐらをつかむ。

しかし──。

「ふふふ……、そんな子供騙しで、そんな貧弱な力で私に何かできると思っているのかしらぁ?」

するとエンレィは逆にノダルの胸ぐらをつかみ返した。
そして彼の体を悠々と持ち上げる。彼女の華奢な腕からは考えられない力だ。ノダルは何とかエンレィの服を掴むが、圧倒的な力の差にどうすることも出来ない。

「グ……なんだ、この力は──」

「貴様の様な下劣な存在が、この私に触れるなぁぁぁぁぁぁ!」

そしてそのままノダルを力づくで投げ飛ばす。
彼の体は数メートルほど吹き飛び、倒れこんだ。

「この世界の現状を把握するために、比較的いろいろな場所を旅していてアウトローなこともしている。それなりにランクも高いあなたと一緒に行動していたけどもう用済みよあなたは」

するとエンレィの手から数本の触手が登場。

ピンク色でぬるぬるとした、粘液がたっぷり絡みついた触手だ。

「もういいです。あなたは──私の養分となってもわいます」


その触手たちはいっせいにノダルの肉体に巻き付く。
ノダルは懸命に触手から逃れようと必死にもがくが、触手は柔らかいながらも柔軟性がありどうすることも出来ない。

そして彼に絡みついた触手たちはどこからか粘液を垂れ流す。
垂れ流された粘液はノダルの服にべとべとに絡みつき、やがて彼の服が解け始めた。

「やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。離せぇぇぇぇぇぇぇぇ」


「さあ、ぼうや今私が何をしたのか理解しているかい?」

妖艶な笑みを浮かべるエンレィ。
俺は彼女ににらみをきかせながら言葉を返す。

「わかるさ。ノダルの体から触手を通してお前に魔力が充填されている。そうだろ」

まずい、堕天使ということは普通の冒険者よりも魔力が多く強敵のはず。それなのにノダルの魔力を吸ったらさらに手を付けられなくなる。

「させないわ!」

レディナもそれに気が付いてエンレィに突っ込んでいく。彼女だって相当消耗していて限界に近いはずだが、己の正義感が許さなかったのだろう。

しかし、消耗したレディナでは今のエンレィに対抗することは難しく──。

「──うっ」

「その程度で、私が破れると思うなよ」

エンレィの攻撃に対応できず、すぐにレディナの体は吹き飛ばされてしまう。レディナはノダルとの戦いで体力も魔力も大きく消耗している。とても一戦を交えられる状態ではない。

「さあ、死ねえぇぇぇぇ!」

逆にエンレィがレディナの方へ向かってくる。すると誰かが二人の間に割って入る。

「レディナに、これ以上触れさせはしない」


「フッ、自身の力すら使いこなせない半端野郎など、私の敵ではないわレシア」

そう、レシアだ。彼は今まででも自分の力を使いこなせていない。
けれど、レシアに怯えていたり怖がったりしている様子は全くない。

勇気を持った強い目つきで、エンレィに言い放つ。

「僕はもう、未熟な存在なんかじゃない。僕は、みんなを守るんだ──」

「~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間そのスキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がる。なお俺を追放したパーティーは没落した模様」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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