~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間そのスキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がる。なお俺を追放したパーティーは没落した模様
第78話 唯一王 いざ決戦へ
俺達は遺跡から帰ってきた。そしてノダルとの決戦が決まったので俺たちはその準備を行う。
全員で連携の確認を行ったり、二対二で摸擬戦を行ったりする。
誰が誰を相手取るのか、どのような役割を担うのか。
前衛や後衛の確認など。
レシアはそれまでに何とか自分の力を使いこなそうと努力をした。
しかし、本人の必死さとは裏腹に、やはり使いこなすことができなかったけど。
しょんぼりとした、レシアの表情。落ち込んでいるのがよくわかる。
──がないものねだりをしてもしょうがない。その中で勝利できるように、最善を尽くすしかない。
「とりあえず、作戦はこんな感じだ。明日は本番だし、後は部屋でゆっくり休もう」
「はい、では夕飯の買い出しに行きましょう」
「そうね。じゃあ一緒に行きましょう、フリーゼ」
レディナの言葉に俺達は街へ。
そして俺たちは夕飯の買い出しに行く。それから部屋に戻り、全員で食事を作って食べた。
レシアは、どこかがっかりとしている。やはり自分の能力が開花しないことに罪悪感を感じているのだろう。
いつかそれができるようにこれからも力になってあげなきゃ。
食事後、シャワーを浴び、寝間着に着替える。
「じゃあフリーゼ、お休みってあれ、レシアは?」
「レシアですか? フライさんがシャワーを浴びに行った瞬間外に飛び出してしまいました。ちょっと夜風にあたりたいと──」
俺が行った瞬間に飛び出す? ちょっと気になるな……。
「レシアって、俺に隠れて、それもこそこそ夜風にあたりに行くようなやつか?」
「多分、あんたに悟られたくないことがあるんでしょうね……」
レディナが、ため息をついた後に話に入ってくる。
俺に悟られたくないこと。一つしか思い当たらない。
「ちょっと、レシアを探しに行ってくる」
「わかったわフライ。私達も行こうかしら?」
「いやいい。ここは二人で話したいし。それにレシアがいる所は予想がつく」
「そう──。ならフライに任せるわ」
そして俺は服に着替えて外へ。
木枯らしの風が吹く肌寒い夜。
早足になることに特に意味が分かるわけではない。レシアは自分の命を無下に扱うようなやつじゃない。自身が焼かれないように、魔力で体を覆っているはずだ。
けれどレシアのことを思うと自然と足が速くなる。
場所は、ここから一番近い池があるあの場所だろう。
そして数分ほど街を歩くと──。
「あ、いたいた。って大丈夫か?」
その場所は、俺とレシアが初めて会ってテストマッチをしたところ。
そこの池の隣にレシアはいた。
大きく体力も魔力も消耗したのだろうか倒れこんでいる。
「レシア、心配したんだぞ。お前いきなり部屋から飛び出しちゃったって……」
「ご、ごめん。これ以上フライに迷惑かけたくなくて──。
ボロボロの姿。
何があったかは、言わなくてもわかる。必死に自分のスキル、追い詰められると自身が炎に包まれ魔力をパワーアップさせるスキルを使いこなそうとしていたのだろう。
そして、失敗したのだと。
「僕、ダメなのかな──」
レシアは目に涙を浮かべながらうつむいてつぶやく。
「僕、今までずっと自分のスキルを使いこなそうとしてきた。ノダルといた時も、何度も使いこなそうとしたけれど、結局できなかった。それで、大きなクエストで大けがをして入院したら、愛想をつかされちゃった」
「大丈夫、レシアならできる。俺はずっと見ていたから。レシアが自分のスキルを使いこなせると信じてる」
俺はレシアの手をぎゅっと握る。何度体を燃やそうともそれにめげずに挑戦している。
もしできなくても、俺が考えてあげればいい。彼を生かすやり方を。
だから、心配しなくていい。
「あ、ありがとうフライ。僕、絶対使いこなして見せるよ──」
「そうだ。その意気だ、その心構え、忘れないでくれ」
そして部屋へと戻っていく。レシアの意気込みはすごいけど、明日は大事な戦い。さすがに休まなきゃ。
明日、ノダルたちに勝てますように。
そんなことを考えながら、俺達はこの場を後にしていった。
そして当日。
俺達は試合のため、街にある闘技場にやってきた。
「おおっ、ずいぶんと大きい建物だフィッシュ」
今日は試合をするわけではないので、観客はいない。
会場の人には摸擬戦をすることになっているということになっている。
なのでどこかさみしい雰囲気だ。
そして視線の先。今日戦う相手はいた。
「よおレディナ。よくこの場に現れたな。逃げ出すかと思ったぜ。褒めてやるぜ」
ノダルとその取り巻き達。合わせて五人。
彼の取り巻きの一人。小太りで斧を持った冒険者が舐め回すような視線をレディナの太ももに送る。
「レディナのむっちむちの太もも、一日好き放題にできるなんてたまらねぇぜ」
「──うっ」
舌をなめずりしながらの言葉。
その言葉にレディナは警戒した目つきになる。まあ、女の子が何でもされると聞いて真っ先に警戒するのは、そういう事だろう。この勝負、レディナのためにも負けられない。
「ルールは簡単。五対五で戦って最後に残っていたやつのチームの勝利、それだけだ。いいな」
「ああ!」
「では、試合を始めましょう、ノダル。フライさん」
ノダルの仲間の一人、黒髪のお姉さんミュランがそう宣言すると、俺たちの戦いは始まった。
全員で連携の確認を行ったり、二対二で摸擬戦を行ったりする。
誰が誰を相手取るのか、どのような役割を担うのか。
前衛や後衛の確認など。
レシアはそれまでに何とか自分の力を使いこなそうと努力をした。
しかし、本人の必死さとは裏腹に、やはり使いこなすことができなかったけど。
しょんぼりとした、レシアの表情。落ち込んでいるのがよくわかる。
──がないものねだりをしてもしょうがない。その中で勝利できるように、最善を尽くすしかない。
「とりあえず、作戦はこんな感じだ。明日は本番だし、後は部屋でゆっくり休もう」
「はい、では夕飯の買い出しに行きましょう」
「そうね。じゃあ一緒に行きましょう、フリーゼ」
レディナの言葉に俺達は街へ。
そして俺たちは夕飯の買い出しに行く。それから部屋に戻り、全員で食事を作って食べた。
レシアは、どこかがっかりとしている。やはり自分の能力が開花しないことに罪悪感を感じているのだろう。
いつかそれができるようにこれからも力になってあげなきゃ。
食事後、シャワーを浴び、寝間着に着替える。
「じゃあフリーゼ、お休みってあれ、レシアは?」
「レシアですか? フライさんがシャワーを浴びに行った瞬間外に飛び出してしまいました。ちょっと夜風にあたりたいと──」
俺が行った瞬間に飛び出す? ちょっと気になるな……。
「レシアって、俺に隠れて、それもこそこそ夜風にあたりに行くようなやつか?」
「多分、あんたに悟られたくないことがあるんでしょうね……」
レディナが、ため息をついた後に話に入ってくる。
俺に悟られたくないこと。一つしか思い当たらない。
「ちょっと、レシアを探しに行ってくる」
「わかったわフライ。私達も行こうかしら?」
「いやいい。ここは二人で話したいし。それにレシアがいる所は予想がつく」
「そう──。ならフライに任せるわ」
そして俺は服に着替えて外へ。
木枯らしの風が吹く肌寒い夜。
早足になることに特に意味が分かるわけではない。レシアは自分の命を無下に扱うようなやつじゃない。自身が焼かれないように、魔力で体を覆っているはずだ。
けれどレシアのことを思うと自然と足が速くなる。
場所は、ここから一番近い池があるあの場所だろう。
そして数分ほど街を歩くと──。
「あ、いたいた。って大丈夫か?」
その場所は、俺とレシアが初めて会ってテストマッチをしたところ。
そこの池の隣にレシアはいた。
大きく体力も魔力も消耗したのだろうか倒れこんでいる。
「レシア、心配したんだぞ。お前いきなり部屋から飛び出しちゃったって……」
「ご、ごめん。これ以上フライに迷惑かけたくなくて──。
ボロボロの姿。
何があったかは、言わなくてもわかる。必死に自分のスキル、追い詰められると自身が炎に包まれ魔力をパワーアップさせるスキルを使いこなそうとしていたのだろう。
そして、失敗したのだと。
「僕、ダメなのかな──」
レシアは目に涙を浮かべながらうつむいてつぶやく。
「僕、今までずっと自分のスキルを使いこなそうとしてきた。ノダルといた時も、何度も使いこなそうとしたけれど、結局できなかった。それで、大きなクエストで大けがをして入院したら、愛想をつかされちゃった」
「大丈夫、レシアならできる。俺はずっと見ていたから。レシアが自分のスキルを使いこなせると信じてる」
俺はレシアの手をぎゅっと握る。何度体を燃やそうともそれにめげずに挑戦している。
もしできなくても、俺が考えてあげればいい。彼を生かすやり方を。
だから、心配しなくていい。
「あ、ありがとうフライ。僕、絶対使いこなして見せるよ──」
「そうだ。その意気だ、その心構え、忘れないでくれ」
そして部屋へと戻っていく。レシアの意気込みはすごいけど、明日は大事な戦い。さすがに休まなきゃ。
明日、ノダルたちに勝てますように。
そんなことを考えながら、俺達はこの場を後にしていった。
そして当日。
俺達は試合のため、街にある闘技場にやってきた。
「おおっ、ずいぶんと大きい建物だフィッシュ」
今日は試合をするわけではないので、観客はいない。
会場の人には摸擬戦をすることになっているということになっている。
なのでどこかさみしい雰囲気だ。
そして視線の先。今日戦う相手はいた。
「よおレディナ。よくこの場に現れたな。逃げ出すかと思ったぜ。褒めてやるぜ」
ノダルとその取り巻き達。合わせて五人。
彼の取り巻きの一人。小太りで斧を持った冒険者が舐め回すような視線をレディナの太ももに送る。
「レディナのむっちむちの太もも、一日好き放題にできるなんてたまらねぇぜ」
「──うっ」
舌をなめずりしながらの言葉。
その言葉にレディナは警戒した目つきになる。まあ、女の子が何でもされると聞いて真っ先に警戒するのは、そういう事だろう。この勝負、レディナのためにも負けられない。
「ルールは簡単。五対五で戦って最後に残っていたやつのチームの勝利、それだけだ。いいな」
「ああ!」
「では、試合を始めましょう、ノダル。フライさん」
ノダルの仲間の一人、黒髪のお姉さんミュランがそう宣言すると、俺たちの戦いは始まった。
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