~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間そのスキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がる。なお俺を追放したパーティーは没落した模様
第62話 唯一王 レディナと混浴
入ると受付のおじさん。入浴料を払うと、更衣室の前へ。当然といえば当然だが、男女わかれている。
考えてみれば当然だ。当然、浴場ということは俺もレディナも服を脱ぐ。いくら何でもそんな姿で一緒にいるわけにはいかない。あくまで旅仲間であり、恋人関係ではないからだ。
浴場から上がったら、どんな気持ちだったかを聞いておこう。
「いったんお別れだね。じゃあねレディナ」
「……そうね。しっかり体を休めましょう」
そして俺たちは、互いの更衣室へ。レディナは、どこかさみしそうな様子をしていた。
入浴の仕方はおじさんからしっかり教わった。まずは服を脱いで、この借りた白いタオルを腰に巻く。
準備は完了、さあ入浴だ。
扉を開け、湯気で視界が悪い大浴場へ。
床のタイルがすこし滑るから、気を付けて歩く。
オレンジのランプに照らされた、広く穏やかな浴場。
遅い時間のせいか、俺以外に人はいない。
取りあえず体を洗おう。
誰かが入ってくる。しかし扉が開く音は俺が入ってきた方向と正反対の方向だ。俺が入った更衣室以外に、別の部屋があったのか。
そしてその人が俺の近くまで迫ってきた。湯気の中から出て来たその人物は──。
「フ、フライ??」
「レディナ?」
その姿に俺は思わず表情が固まってしまう。そう、更衣室前で別れたはずのレディナが目の前にいるのだ。
当然、服は着ていない。胸の上からお尻の部分までタオル一枚で覆っている姿。
純白で色っぽい肌が丸見えになってしまっている。
レディナもこの事態は想定していなかったのだろう。表情が固まってしまっている。
「あ、あんたどうしてここにいるのよ。まさか、私の裸をのぞきに??」
「ち、違う、ただ更衣室から浴場に入ったらここにたどり着いたんだ」
まさかの事態にあたふたしながら説明する。ど、どうしよう。このままじゃ俺、レディナの裸をのぞきに来た変態になってしまう」
するとレディナが顔を真っ赤にして叫ぶ。何かを思い出した様だ。
「あ~~~~っ。そういえば聞いた事があるわ。大浴場の中には、男女の区別がなく一緒の風呂に入るタイプがあるって。混浴って言うんだったわ」
つ、つまりここは混浴というタイプの浴場ということか。
まさかの事態、これはどうすればいいんだ?
とても色っぽいと感じる。
彼女の滑らかで綺麗な太ももや肩に思わず視線を向けてしまう。
すると前かがみになり、胸本の部分を右手でタオルをぎゅっと抑えながらこっちを見る。
「この変態、じろじろ見すぎよ!」
「ご、ごめん」
しょ、しょうがないじゃん。突然のことだし、今のレディナ、すごい色っぽいし──。
しかしど、どうしよう──。
流石に一緒に入るというのはまずい。
「ど、どうする? 俺が一回上がってレディナが出てから入ることにしようか?」
俺がオロオロしながら話していると、レディナはあきれたように一度ため息をつく。
「しょうがないわね、一緒に入るわよ、もう──」
「えっ、本気で言ってるの? いいよ。俺、レディナが出たら一人で入るから」
「気を使う必要ないわ。そしたらあなた風邪ひいちゃうでしょ。ほら、身体洗うわよ」
その言葉に俺は思わず言葉を失ってしまう。さすがに一緒に入浴というのはまずい。
するとレディナは顔を赤くして反論。
「なんであんたの方が慌てているのよ。ここまで来たらしょうがないじゃない。変な事したら、この場でミンチ肉にしてやるんだから」
「わ、わかったよ──」
仕方がない。そして改めてレディナに視線を戻す。
タオルに包まれた、彼女の体を見る。
その刺激的な姿に、胸が大きく高まり、視線が逸らせなくなってしまう。
冒険者特有のずっと戦ってきた影響か、引き締まっている肉体。
それでいて、身体の曲線は女性らしさを象徴した曲線となっている。
真っ白のタオルに隠されている彼女の体は、男なら誰でも見惚れてしまう美しさだ。
「もう、身体は正直ってやつね……」
欲情してしまっている俺に、レディナはため息をついて呆れ始める。
俺だって男だ。こんな姿を見てしまったら、どうしたってレディナの体を視界に入れてしまう。
「と、とりあえず体を洗いましょう」
「そ、そうだね──」
俺達は体を洗い始めようとする。するとレディナは俺の後ろに浴槽の椅子を置いて座り始め……。
「フライ、背中、洗って上げるわ」
「おおっ、ありがとなレディナ──、ってちょっと待て!」
気付いた時にはすでに遅く彼女はタオルを持って俺の背中を洗い始めていた。
「いいじゃない。日ごろの恩返しよ。受け取りなさい。これは命令よ」
「わ、わかったよ……」
ここは従っておこう。断ったらまた何か言われそうだからだ。
「どう、加減はいい?」
「そ、そうだね。その加減でお願い」
ごしごしと背中が現れていく感覚。そして、時折タオル越しに触れる大きなレディナのふくらみが背中を襲い、どうしても彼女を意識してしまう。
柔らかくて、触ってみたいくらいだ。けれど、間違いを起こすわけにはいかない。
深呼吸をして何とか冷静さを保つ。
すると俺の体を洗いながら話しかけてきた。
「フライ、こんな状況になっても発情したりしないのね」
「い、いや、流石に理性が飛びそうだ」
「まあ、そんなことをでしょうね」
そしてレディナは俺の体を洗い終える。次は──。
「じゃあフライ、今度はあなたが洗う番よ」
「わかった」
俺がレディナの体を洗う番だ。レディナはまいているタオルを壁にかけ、背中を向ける。
真っ白で綺麗な彼女の肌が俺の目の前に現れる。天国かな、ここは。
そしてタオルに石鹸をしみこませ、レディナの背中を磨く。
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