~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間そのスキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がる。なお俺を追放したパーティーは没落した模様
第54話 今日は闇市でデート
扉の向こう、闇市へ。
「おおっ、人がいっぱいフィッシュ」
「そうだね、いろいろな店もあるし」
中には、いろいろな出店に、それを吟味したり買い付けたりしている人は多くいた。
取りあえず、いろいろ見て回ろう。
この建物は4階建てであり、どのフロアもそれなりの広さがある。
いろいろ見て回るには困らない広さだ。
どこか高級感のある闇市の商店の中は、繁華街の市場のような華々しさこそないものの、どこの商店でも商談を交わしている商人の目は、彼ら特有のギラギラとした眼差しをしている。
今まででもアドナたちと一緒に何度か訪れたことはあるが、やはり商人たちの雰囲気はこんな感じだ。
近くにいる小太りのおじさんは、目の前の商品の吟味や、様々な取引について話している。
「あれ、ハリーセルは?」
ハリーセルの姿が見えないので周囲を見回すと、ツンツンと誰かが肩をつついてくる。
「このドーナツ、おいしいフィッシュ。食べてみるフィッシュ」
とろりと蜂蜜がかかったドーナツをかじりながらハリーセルがそんなことを言ってくる。もう物を買ったのかよ。
「わかった、後で食べるから、今は商店を回ろう」
──もしかしたら俺は将来こう言った市場に関する仕事につくかもしれない。
それならば、この場でアウトローなこの雰囲気になじんでおくのもいいかもしれない。
そう考え俺たちは出店を回り始める。
俺はハリーセルの手をぎゅっと握る。
にっこりと笑った彼女と一緒に俺は闇市の中を回り始めた。
この闇市は一つの階のエリアがそこそこ広く、いくつかの仕切りに分かれている。
その中で俺たちは食品の取り扱いエリアで足を止めた。
いろいろな動物の干し肉や、魚介類の保存食などは今も冒険の時などはよく購入している保存食だ。
見たこともない色をしている肉や魚を珍しそうに見ていると、店主のおじさんが話しかけてきた。
「ちょっと、ご試食になってみますか?」
「いいえ、お気遣いなく、俺達見ていただけですから」
「これ、おいしいフィッシュ」
「ってもう食べてるし!」
遠慮している俺をしり目に、ハリーセルはすでに干し肉を噛んでいた。
「まあまあ、彼氏さんもどうぞ」
笑顔のおじさんに促されて、俺も干し肉を味見することになる。
普段、冒険の時に食べている硬くしょっぱい肉に比べると香りがついていて、味に奥行きがあるような気がした。
「これ、花の香りがするフィッシュ」
「おお、お嬢ちゃん、それに気づかれるとはお目が高い。さあ、このドライフルーツも召し上がっていきませんか?」
「ドライフルーツ? 大好きフィッシュ」
「す、すいません……。いろいろ見て回りたいので今のところはこれで──」
きらきらと目を輝かせているハリーセルだったが、流石にこれ以上は気が引ける。
このままだとこの人のペースに乗せられて何か買わされてしまいそうだからだ。
その後、紅茶やコーヒー、珍しい衣類や毛皮に調理用の刃物などいろいろなものを見物する。
ハリーセルは、何を見ても好奇心を働かせ無邪気に珍しがる。
俺も、いろいろ雑用などをやってきたが、珍しい商品が多くどこか楽しい気分になる。
「おお─よこ、これとか結構よさそうだな」
俺が目につけたのはとある商店に売りつけられているナイフだ。
腕がいい職人に作られているようで、刃物の厚みや切れ味、鋭いエッジの部分の作りがいい。
調理に使うのによく適していそうだ。
その瞬間、老いた男の商人が俺たちのところに寄ってくる。
「おおっ、気に入られましたか。目の付け所が違いますな──。それは遠い国の国宝といわれる職人が作り上げたナイフです。もっと良いものもありますよ」
「これ、そうなんですか?」
俺はそのナイフをとって眺める。
以前のパーティーで雑用をしていた時、高級ナイフは見たことがある。
確かにこのサインは有名な職人の物だ。ちょっと高そうだけど、買ってみようかな。
そんな気持ちになりおじいさんに値段を聞いてみようかと考え始めたその時──。
「これ、偽物フィッシュ」
ハリーセルが突然ナイフを指さしながら言い放つ。
「革の部分はいいけれど、刃物の質がさっきと比べて良くないフィッシュ」」
その言葉に商人のおじいさんは慌てふためきながら説明を始めた。
「そ、そんなわけないだろう嬢ちゃん。ちゃんとここに本人のサインがあるだろう、本物だよ本物」
「確かにその部分は本物フィッシュけれど、 多分、その部分を付け替えたフィッシュ」
「ちょっとそのナイフ、見せてもらってよろしいですか」
俺はおじいさんの答えを待たずにナイフをまじまじと見る。
「に、兄ちゃん。ちょ、ちょっと待ってくれないかな──」
確かに、柄の部分に不自然に抜き取られた部分がある。
刃物の部分が、さっきより雑に造られているような感じになっている。
「確かに、これはおかしいですね──」
俺とハリーセルはおじいさんの顔をじーっと見つめる。図星だったのか急に焦り始め商店の奥へと逃げるように足を進めた。
真実がどうなっているかは明白だった。
それから周囲を以上にきょろきょろとし始める。大方周囲にこのことがばれていないか気になっていたのだろう。
信用が第一の稼業で意図的に偽物を売りつけようとしたことがばれれば。商人としての未来は絶たれたも同然だ。
「も、申し訳ありません。これは失礼しました。手違いで別の商品が紛れ込んでしまったようで。まことにすいません」
平謝りする商人の顔を、ぷくっと膨れた顔でハリーセルは見つめている。
「さっきの短剣、九割引で売ってくれフィッシュ」
「おおっ、人がいっぱいフィッシュ」
「そうだね、いろいろな店もあるし」
中には、いろいろな出店に、それを吟味したり買い付けたりしている人は多くいた。
取りあえず、いろいろ見て回ろう。
この建物は4階建てであり、どのフロアもそれなりの広さがある。
いろいろ見て回るには困らない広さだ。
どこか高級感のある闇市の商店の中は、繁華街の市場のような華々しさこそないものの、どこの商店でも商談を交わしている商人の目は、彼ら特有のギラギラとした眼差しをしている。
今まででもアドナたちと一緒に何度か訪れたことはあるが、やはり商人たちの雰囲気はこんな感じだ。
近くにいる小太りのおじさんは、目の前の商品の吟味や、様々な取引について話している。
「あれ、ハリーセルは?」
ハリーセルの姿が見えないので周囲を見回すと、ツンツンと誰かが肩をつついてくる。
「このドーナツ、おいしいフィッシュ。食べてみるフィッシュ」
とろりと蜂蜜がかかったドーナツをかじりながらハリーセルがそんなことを言ってくる。もう物を買ったのかよ。
「わかった、後で食べるから、今は商店を回ろう」
──もしかしたら俺は将来こう言った市場に関する仕事につくかもしれない。
それならば、この場でアウトローなこの雰囲気になじんでおくのもいいかもしれない。
そう考え俺たちは出店を回り始める。
俺はハリーセルの手をぎゅっと握る。
にっこりと笑った彼女と一緒に俺は闇市の中を回り始めた。
この闇市は一つの階のエリアがそこそこ広く、いくつかの仕切りに分かれている。
その中で俺たちは食品の取り扱いエリアで足を止めた。
いろいろな動物の干し肉や、魚介類の保存食などは今も冒険の時などはよく購入している保存食だ。
見たこともない色をしている肉や魚を珍しそうに見ていると、店主のおじさんが話しかけてきた。
「ちょっと、ご試食になってみますか?」
「いいえ、お気遣いなく、俺達見ていただけですから」
「これ、おいしいフィッシュ」
「ってもう食べてるし!」
遠慮している俺をしり目に、ハリーセルはすでに干し肉を噛んでいた。
「まあまあ、彼氏さんもどうぞ」
笑顔のおじさんに促されて、俺も干し肉を味見することになる。
普段、冒険の時に食べている硬くしょっぱい肉に比べると香りがついていて、味に奥行きがあるような気がした。
「これ、花の香りがするフィッシュ」
「おお、お嬢ちゃん、それに気づかれるとはお目が高い。さあ、このドライフルーツも召し上がっていきませんか?」
「ドライフルーツ? 大好きフィッシュ」
「す、すいません……。いろいろ見て回りたいので今のところはこれで──」
きらきらと目を輝かせているハリーセルだったが、流石にこれ以上は気が引ける。
このままだとこの人のペースに乗せられて何か買わされてしまいそうだからだ。
その後、紅茶やコーヒー、珍しい衣類や毛皮に調理用の刃物などいろいろなものを見物する。
ハリーセルは、何を見ても好奇心を働かせ無邪気に珍しがる。
俺も、いろいろ雑用などをやってきたが、珍しい商品が多くどこか楽しい気分になる。
「おお─よこ、これとか結構よさそうだな」
俺が目につけたのはとある商店に売りつけられているナイフだ。
腕がいい職人に作られているようで、刃物の厚みや切れ味、鋭いエッジの部分の作りがいい。
調理に使うのによく適していそうだ。
その瞬間、老いた男の商人が俺たちのところに寄ってくる。
「おおっ、気に入られましたか。目の付け所が違いますな──。それは遠い国の国宝といわれる職人が作り上げたナイフです。もっと良いものもありますよ」
「これ、そうなんですか?」
俺はそのナイフをとって眺める。
以前のパーティーで雑用をしていた時、高級ナイフは見たことがある。
確かにこのサインは有名な職人の物だ。ちょっと高そうだけど、買ってみようかな。
そんな気持ちになりおじいさんに値段を聞いてみようかと考え始めたその時──。
「これ、偽物フィッシュ」
ハリーセルが突然ナイフを指さしながら言い放つ。
「革の部分はいいけれど、刃物の質がさっきと比べて良くないフィッシュ」」
その言葉に商人のおじいさんは慌てふためきながら説明を始めた。
「そ、そんなわけないだろう嬢ちゃん。ちゃんとここに本人のサインがあるだろう、本物だよ本物」
「確かにその部分は本物フィッシュけれど、 多分、その部分を付け替えたフィッシュ」
「ちょっとそのナイフ、見せてもらってよろしいですか」
俺はおじいさんの答えを待たずにナイフをまじまじと見る。
「に、兄ちゃん。ちょ、ちょっと待ってくれないかな──」
確かに、柄の部分に不自然に抜き取られた部分がある。
刃物の部分が、さっきより雑に造られているような感じになっている。
「確かに、これはおかしいですね──」
俺とハリーセルはおじいさんの顔をじーっと見つめる。図星だったのか急に焦り始め商店の奥へと逃げるように足を進めた。
真実がどうなっているかは明白だった。
それから周囲を以上にきょろきょろとし始める。大方周囲にこのことがばれていないか気になっていたのだろう。
信用が第一の稼業で意図的に偽物を売りつけようとしたことがばれれば。商人としての未来は絶たれたも同然だ。
「も、申し訳ありません。これは失礼しました。手違いで別の商品が紛れ込んでしまったようで。まことにすいません」
平謝りする商人の顔を、ぷくっと膨れた顔でハリーセルは見つめている。
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