~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間そのスキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がる。なお俺を追放したパーティーは没落した模様
第41話 唯一王 ダンジョンの中へ
人気がない森の山道を歩いて丸一日ほど。
「ここが私がいた遺跡よ」
レディナは道の先にある神殿の様な建造物を指さして言った。
「あの神殿の上に、ダンジョンへの入り口があるという事でしょうか」
「そうよ。階段を登った先に私たちのマークがあるから、その場所で魔力を体に込めればダンジョンに転送されるわ」
「そうなのか。わかった」
なるほど、この神殿の上に行けばいいんだな。
そして俺たちはレディナを先頭に神殿の階段を登っていく。
階段を登った先は、ハリーセルの遺跡にあったものと同じような構造をしていた。
星型の模様、そしてその中心から感じる強い魔力。
考え事をしているとレディナが話しかけてくる。
「どうしたのよフライ。何か気になったことでもあるの?」
「ううん。早く中に入ろう」
気になったことは、あとで質問すればいいか。
「そうフィッシュ。早く遺跡の中に行くフィッシュ」
そして俺たちは神殿の中心に立ち全身に魔力を込める。
「身体が、光始めた?」
「そうよ。もう少しで、ダンジョンに入れるわよ」
自分の足元に視線を移すと、肉体が半透明になっているのがわかる。
そして数秒もすると視界が真っ白になっていった。おそらくダンジョンへの転送が始まったのだろう。
身体の感覚もなくなる。
どんな敵が待っているのかはわからない。
けれど、自分にできる精一杯のことをしよう。
そして俺たちは、ダンジョンへと入っていった。
ダンジョンに到着。
肉体に感覚が戻る。視界も元に戻り、周囲を見回す。
灰色の空。
ボロボロの建物が何軒も連なっている。
まるで廃墟となった街のような光景だ。ここがダンジョンであることが信じられない。
元の世界だと錯覚してしまう。
それから、フリーゼたちもいた。
「道はあっちよ」
レディナが左方向に指をさす。
「じゃあ、行こうか」
「そうですね」
俺たちはダンジョンの奥へと進んでいく。
そして廃墟の村を出たその瞬間、横の針葉樹の森から大きい音がした。
グォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
その方向を見ると、大きな魔物が叫び声を上げているのがわかる。
真黒なオーラを身にまとった魔物「ガメス」だ。
「待って。私よ私、思い出して!」
レディナは一生懸命自分のことを想いだすよう叫ぶ。しかし──。
グォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
そんな言葉を彼は聞かずいきなり殴りかかる。
巨大な爪、まともに食らったら全身をズタズタに引き裂かれそうだ。
そしてそのガメスを前にレディナが叫ぶ。
「待って、私よ。レディナよ。攻撃をやめて!」
しかし、ガメスはレディナのことを知らないかのごとく、威嚇してくる。
「この魔物、言うことを気かないわ」
そうみたいだ。
ノダルによってレディナのことを敵として認識してしまっているんだ。
仕方ない。戦うしかないか──。
「おいフリーゼ、ハリーセル。仕方がない、戦うぞ」
俺は加護の術式を発動。すべてのダメージを半減させる「フレイムガード」だ。
それだけでなく他のベールの術式も展開した。
俺の加護により、三人の攻撃は二倍、受けるダメージは半分になる。
そんなことはつゆ知らず、ガメスは目の前にいたフリーゼに殴りかかる。
「甘いですね、その程度の攻撃で私が倒せるとでも?」
そしてフリーゼがガメスの攻撃をかわす。これでガメスは無防備、勝負を決めるチャンスだ。
フリーゼが一気に距離を詰めガメスに向かって切りかかっていく。
──が障壁によって防がれてしまう。
そのスキをついてレディナとハリーセルが連続攻撃を仕掛けていく。
「まだまだよ。食らってみなさい!」
「私の攻撃、くらうフィッシュ」
俺のベールで攻撃が半減されるのを見越して、三人ともノーガードでガメスに攻撃していく。
「待ってくれ、突っ込みすぎた。俺の魔力が持たなくなる!」
俺はあまりの魔力の消費具合に立ち眩みを起こしてしまう。
流石に三人同時は魔力の消耗が激しすぎる、あまり長くは使えないようだ。
「待ってください。これではフライさんの魔力が持ちません。むやみに突っ込むのはやめましょう」
フリーゼもそれに気づいた様で二人にそれを忠告する。
「──しょうがないわね」
二人とも話を聞いてくれたようでいったん後退。立ち眩みこそなくなったものの、攻撃がストップされてしまった感じだ。
何か俺が原因みたいでいい感じがしない。ここは俺が行った方が──。
いや、流石に攻撃しながら三人にベールを張るなんて魔力が持たない。
しかし、三人が戦っている中、そんな甘えたことは言ってられない。
何より、フリーゼたちが体を張っているのに、自分だけ後方にいるなんて嫌だ!
「ガメス。次は俺が相手だ!」
そして俺もガメスに対して前に出ていく。前線での戦いは何度も経験している。
三人にベールを張りながら突っ込んでいった。
グォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
俺は虚空で剣をなぎ払う。剣から魔力を伴った砲弾が出現し、ガメスに向かっていく。
「フライ。そんな威力じゃそいつに届かないわよ!」
ガメスは口から砲撃を繰り出していく。
ドォォォォォォォォォォォォォォォン!
レディナの忠告通りだ。
さすがに三人にベールを張りながら戦うのはきつかったようで、技の威力が足りず、吹き飛ばされてしまう。
ガメスは俺に向かって殴り掛かってきたのだ。
そして追撃を受けそうになったタイミングでフリーゼが間に立ちふさがる。
「フライさん。それは無茶です。ここは私達が仕留めます!」
「ここが私がいた遺跡よ」
レディナは道の先にある神殿の様な建造物を指さして言った。
「あの神殿の上に、ダンジョンへの入り口があるという事でしょうか」
「そうよ。階段を登った先に私たちのマークがあるから、その場所で魔力を体に込めればダンジョンに転送されるわ」
「そうなのか。わかった」
なるほど、この神殿の上に行けばいいんだな。
そして俺たちはレディナを先頭に神殿の階段を登っていく。
階段を登った先は、ハリーセルの遺跡にあったものと同じような構造をしていた。
星型の模様、そしてその中心から感じる強い魔力。
考え事をしているとレディナが話しかけてくる。
「どうしたのよフライ。何か気になったことでもあるの?」
「ううん。早く中に入ろう」
気になったことは、あとで質問すればいいか。
「そうフィッシュ。早く遺跡の中に行くフィッシュ」
そして俺たちは神殿の中心に立ち全身に魔力を込める。
「身体が、光始めた?」
「そうよ。もう少しで、ダンジョンに入れるわよ」
自分の足元に視線を移すと、肉体が半透明になっているのがわかる。
そして数秒もすると視界が真っ白になっていった。おそらくダンジョンへの転送が始まったのだろう。
身体の感覚もなくなる。
どんな敵が待っているのかはわからない。
けれど、自分にできる精一杯のことをしよう。
そして俺たちは、ダンジョンへと入っていった。
ダンジョンに到着。
肉体に感覚が戻る。視界も元に戻り、周囲を見回す。
灰色の空。
ボロボロの建物が何軒も連なっている。
まるで廃墟となった街のような光景だ。ここがダンジョンであることが信じられない。
元の世界だと錯覚してしまう。
それから、フリーゼたちもいた。
「道はあっちよ」
レディナが左方向に指をさす。
「じゃあ、行こうか」
「そうですね」
俺たちはダンジョンの奥へと進んでいく。
そして廃墟の村を出たその瞬間、横の針葉樹の森から大きい音がした。
グォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
その方向を見ると、大きな魔物が叫び声を上げているのがわかる。
真黒なオーラを身にまとった魔物「ガメス」だ。
「待って。私よ私、思い出して!」
レディナは一生懸命自分のことを想いだすよう叫ぶ。しかし──。
グォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
そんな言葉を彼は聞かずいきなり殴りかかる。
巨大な爪、まともに食らったら全身をズタズタに引き裂かれそうだ。
そしてそのガメスを前にレディナが叫ぶ。
「待って、私よ。レディナよ。攻撃をやめて!」
しかし、ガメスはレディナのことを知らないかのごとく、威嚇してくる。
「この魔物、言うことを気かないわ」
そうみたいだ。
ノダルによってレディナのことを敵として認識してしまっているんだ。
仕方ない。戦うしかないか──。
「おいフリーゼ、ハリーセル。仕方がない、戦うぞ」
俺は加護の術式を発動。すべてのダメージを半減させる「フレイムガード」だ。
それだけでなく他のベールの術式も展開した。
俺の加護により、三人の攻撃は二倍、受けるダメージは半分になる。
そんなことはつゆ知らず、ガメスは目の前にいたフリーゼに殴りかかる。
「甘いですね、その程度の攻撃で私が倒せるとでも?」
そしてフリーゼがガメスの攻撃をかわす。これでガメスは無防備、勝負を決めるチャンスだ。
フリーゼが一気に距離を詰めガメスに向かって切りかかっていく。
──が障壁によって防がれてしまう。
そのスキをついてレディナとハリーセルが連続攻撃を仕掛けていく。
「まだまだよ。食らってみなさい!」
「私の攻撃、くらうフィッシュ」
俺のベールで攻撃が半減されるのを見越して、三人ともノーガードでガメスに攻撃していく。
「待ってくれ、突っ込みすぎた。俺の魔力が持たなくなる!」
俺はあまりの魔力の消費具合に立ち眩みを起こしてしまう。
流石に三人同時は魔力の消耗が激しすぎる、あまり長くは使えないようだ。
「待ってください。これではフライさんの魔力が持ちません。むやみに突っ込むのはやめましょう」
フリーゼもそれに気づいた様で二人にそれを忠告する。
「──しょうがないわね」
二人とも話を聞いてくれたようでいったん後退。立ち眩みこそなくなったものの、攻撃がストップされてしまった感じだ。
何か俺が原因みたいでいい感じがしない。ここは俺が行った方が──。
いや、流石に攻撃しながら三人にベールを張るなんて魔力が持たない。
しかし、三人が戦っている中、そんな甘えたことは言ってられない。
何より、フリーゼたちが体を張っているのに、自分だけ後方にいるなんて嫌だ!
「ガメス。次は俺が相手だ!」
そして俺もガメスに対して前に出ていく。前線での戦いは何度も経験している。
三人にベールを張りながら突っ込んでいった。
グォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
俺は虚空で剣をなぎ払う。剣から魔力を伴った砲弾が出現し、ガメスに向かっていく。
「フライ。そんな威力じゃそいつに届かないわよ!」
ガメスは口から砲撃を繰り出していく。
ドォォォォォォォォォォォォォォォン!
レディナの忠告通りだ。
さすがに三人にベールを張りながら戦うのはきつかったようで、技の威力が足りず、吹き飛ばされてしまう。
ガメスは俺に向かって殴り掛かってきたのだ。
そして追撃を受けそうになったタイミングでフリーゼが間に立ちふさがる。
「フライさん。それは無茶です。ここは私達が仕留めます!」
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