悪い勇者召喚に巻き込まれて殺されかけましたが、女将軍と属国王女に助けられたので、復讐がてら手助けする事にしました
第75話:一発逆転
サザーランド王国首脳部はとても狡猾で慎重だった。
自分たちの媚態外交が受け入れられない事を十分理解していた。
理解したうえで、時間稼ぎに媚態外交を行ったようだ。
各国が独自に攻め込んで来たら対処に困る。
だが同盟して侵攻することになったら、勝手に攻め込む国はなくなる。
軍事行動を調整するため話し合いが始まるので、時間稼ぎができる。
稼いだ時間で一発逆転を考えていたのだ。
「動かなくていい、この場は俺に任せろ。
お前たちは大陸各国とサザーランド王国を見張っていればいい。
何度も同じことを言わすな」
別に怒っているわけではないが、厳しく言わなければいけない。
鷹匠団員たちの忠誠心が強いので、攻め込んできたサザーランド王国軍に対処するよりも情報を集める事の方が大切なのに、なにかと迎撃に加わろうとする。
まあ、彼らもサザーランド王国には恨みがあるのだろう。
だが、敵軍の中にも忠誠心と誇りを持った者もいる。
騎士や兵士を皆殺しにしてしまったら、周辺国の侵攻を抑える時に困るのだ。
「国境から王都まで7日はかかる。
足の速い勇者は俺が抑える。
だから安心して大切な情報を収集してくれ。
俺の鳥たちは情報集めに使えなくなるのだぞ」
嘘をついて鷹匠団員にやる気を引き出す。
英雄の俺なら、迎撃と偵察を同時にやっても魔力的な問題は全くない。
だがそんな事を言ってしまったら、偵察は俺に任せるから迎撃をさせてくれと言いだす奴が必ず出てくる。
「モンドラゴン国王陛下、敵の目的は何だと思われますか」
隣に座っているエリザベス王女が質問をしてきた。
エリザベス王女も鷹匠や猟犬のスキルを持っているから、現状を把握している。
俺もエリザベス王女にだけは命令するのをためらってしまう。
それはそれとして、他国の国王と王女が、同じソファーに横並びに座るのはマナー的にどうなのだ。
それに、座る位置が近すぎるだろう。
俺が横にずれたら近づいてくるし、年寄りをからかうのは止めてくれ。
「ゴア伯爵から聞いていたサザーランド王国の主力部隊は全軍そろっています。
ここで大損害を受けたら、我々の反攻を受けるだけでなく、周辺国が同盟を無視して我先に攻め込んでくるくらい分かっているはずです。
だから何か逆転の手を考えているのだと思います。
しかしその手が何なのかが分かりません」
さて、本当になにを考えているんだ、サザーランド王国。
大陸制覇の野望を抱いているのが1人ではない事は分かっている。
主になっているのはアルパーソン国王、ルーソン王太子、ジョージ王太孫だ。
それにトマスという名の魔術狂いが加わって、勇者召喚を成功させた。
もし俺が彼らの立場だったら、もう1度勇者召喚を行うだろう。
勇者を前回と同じ4人くらい召喚できれば、大いに戦力が増強される。
もし、同じように英雄まで召喚できれば、強くなった奴隷勇者が3人もいるから、英雄を自分たちの手先にできる可能性が高い。
狡猾でバカではない彼らなら、急に強くなったスタンフォード王国の事から俺の事を思い出して、全ての元凶が俺だと思いいたる可能性が高い。
だが、奴らはその手を使わずに総攻撃をしてきた。
いったいどんな一発逆転を考えているんだ。
自分たちの媚態外交が受け入れられない事を十分理解していた。
理解したうえで、時間稼ぎに媚態外交を行ったようだ。
各国が独自に攻め込んで来たら対処に困る。
だが同盟して侵攻することになったら、勝手に攻め込む国はなくなる。
軍事行動を調整するため話し合いが始まるので、時間稼ぎができる。
稼いだ時間で一発逆転を考えていたのだ。
「動かなくていい、この場は俺に任せろ。
お前たちは大陸各国とサザーランド王国を見張っていればいい。
何度も同じことを言わすな」
別に怒っているわけではないが、厳しく言わなければいけない。
鷹匠団員たちの忠誠心が強いので、攻め込んできたサザーランド王国軍に対処するよりも情報を集める事の方が大切なのに、なにかと迎撃に加わろうとする。
まあ、彼らもサザーランド王国には恨みがあるのだろう。
だが、敵軍の中にも忠誠心と誇りを持った者もいる。
騎士や兵士を皆殺しにしてしまったら、周辺国の侵攻を抑える時に困るのだ。
「国境から王都まで7日はかかる。
足の速い勇者は俺が抑える。
だから安心して大切な情報を収集してくれ。
俺の鳥たちは情報集めに使えなくなるのだぞ」
嘘をついて鷹匠団員にやる気を引き出す。
英雄の俺なら、迎撃と偵察を同時にやっても魔力的な問題は全くない。
だがそんな事を言ってしまったら、偵察は俺に任せるから迎撃をさせてくれと言いだす奴が必ず出てくる。
「モンドラゴン国王陛下、敵の目的は何だと思われますか」
隣に座っているエリザベス王女が質問をしてきた。
エリザベス王女も鷹匠や猟犬のスキルを持っているから、現状を把握している。
俺もエリザベス王女にだけは命令するのをためらってしまう。
それはそれとして、他国の国王と王女が、同じソファーに横並びに座るのはマナー的にどうなのだ。
それに、座る位置が近すぎるだろう。
俺が横にずれたら近づいてくるし、年寄りをからかうのは止めてくれ。
「ゴア伯爵から聞いていたサザーランド王国の主力部隊は全軍そろっています。
ここで大損害を受けたら、我々の反攻を受けるだけでなく、周辺国が同盟を無視して我先に攻め込んでくるくらい分かっているはずです。
だから何か逆転の手を考えているのだと思います。
しかしその手が何なのかが分かりません」
さて、本当になにを考えているんだ、サザーランド王国。
大陸制覇の野望を抱いているのが1人ではない事は分かっている。
主になっているのはアルパーソン国王、ルーソン王太子、ジョージ王太孫だ。
それにトマスという名の魔術狂いが加わって、勇者召喚を成功させた。
もし俺が彼らの立場だったら、もう1度勇者召喚を行うだろう。
勇者を前回と同じ4人くらい召喚できれば、大いに戦力が増強される。
もし、同じように英雄まで召喚できれば、強くなった奴隷勇者が3人もいるから、英雄を自分たちの手先にできる可能性が高い。
狡猾でバカではない彼らなら、急に強くなったスタンフォード王国の事から俺の事を思い出して、全ての元凶が俺だと思いいたる可能性が高い。
だが、奴らはその手を使わずに総攻撃をしてきた。
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