偽装結婚を偽装してみた
Chapter.117
ベッドへひぃなを座らせて、
「ひな……」
押し倒しながらキスをする。
「…こうと…」
目の前に、嬉しそうに相好を崩す攷斗の顔。
愛しくて、身体の奥が疼く。
攷斗が着ていたパーカーを脱いで、Tシャツ姿になった。ひぃなの服を脱がせようとすると、ひぃながためらうように胸元を隠した。
「……今度にする……?」
小さく問うた攷斗の言葉に、ひぃなが小さく首を振った。
「肩に、子供の頃の傷痕が残ってて…見るの、嫌かなって……」
「いいよ、別に。俺は気にしない」
手を握ってどかして、服をはだけさせる。
左の肩に、その傷はあった。
何かに裂かれ、縫い合わせたようにひきつれた皮膚、白く滑らかな肌に痛々しく残る熱さの痕跡。
想像していたよりも広範囲にわたって残る傷痕を見て、攷斗が思わず手を止めた。
「やっぱり、嫌だよね……ごめん……」
空いてる手を使って服を戻そうとするが、攷斗がそれを止めた。
「痛む?」
「…たまに。いまは平気……」
優しくうなずいて、
「痛かったら、教えて?」
その熟した果実のような痕に指を滑らせる。そのまま、場所を変えながら攷斗は何度もキスを落とした。
痛みとは違う疼きがひぃなの傷痕に走る。
攷斗が触れたところから、過去の苦しみが消えていくよう。
肩から首筋、そして頬、瞼、鼻、唇。軽く何度もするキスに、ひぃなの体温が上がっていく。恥ずかしそうに身をよじるひぃなから身体を離して、
「もう、独りで抱え込まなくていいから」
視線を絡ませた。
「頑張ってたんでしょ? 誰にも言わないで」
ひぃなの瞳が見る見るうちに透き通っていく。
「ひなはえらいよね。そういうとこも好きだよ」
頭を撫でると、瞳の中の薄い水面が揺れた。
ひぃなが嬉しそうな照れくさそうな笑顔を浮かべる。けれど、その表情はどこか困っているようにも見えて……可愛くて、熱い身体の中心を押し当てながら、ひぃなの唇に深くキスをした。
攷斗の熱さを受けて、ひぃなが身じろぐ。
「……どこか痛い?」
「――は…はずかしい……」
顔を背けてつぶやくそのしぐさが、攷斗の欲情を掻き立てた。もうどうにも抑えられない感情をぶつけるように、攷斗がひぃなの唇をむさぼる。
重なる隙間から時折漏れるひぃなの切ない声。
出会った頃から切望していたこの状況に、攷斗が溺れた。
やっと手に入れた愛しい人を、じっくり味わい尽くすように愛撫する。
弾む息。熱っぽく柔らかい肌。濡れる粘膜。甘く鼻にかかった声。
そのどれもが、愛おしくて、たまらない。
はぁっ……と溜まった息を吐いて、攷斗がひぃなから離れた。
「体調、辛くなったら教えてね」
服を脱いで、攷斗がひぃなに囁きかける。
「…ん……」
トロンとした目つきで攷斗を見つめ、ひぃながうなずく。その身体から、攷斗が衣服をすべて脱がす。
愛おしそうにゆっくりとまばたきをして、身体を寄り添わせ、もう何度したかわからないキスをする。
それだけで、イッてしてしまいそうだ。
自らを落ち着かせるようにゆっくり呼吸すると、
「……挿れるね……」
ひぃなの耳元でつぶやいた。
返事を待たず、位置を確認してゆっくりと押し広げていく。
恥ずかしそうにまぶたを閉じ、少し苦しそうに眉根を寄せるひぃなの顔を見ながら攷斗が腰を押し進め、二人は一つに繋がった。
攷斗が動きを止めると、二人は顔を視線を絡ませ照れたように笑って、どちらからともなくキスを交わす。
「愛してるよ……ひぃな……」
極上の甘い笑みを浮かべて、攷斗は初めて、ひぃなの本当の名前を口にした。
ひぃなは少し驚いて、とても嬉しそうに微笑んで、
「私も、愛してる…攷斗……」
覆いかぶさるその身体を、抱き寄せた。
* * *
「ひな……」
押し倒しながらキスをする。
「…こうと…」
目の前に、嬉しそうに相好を崩す攷斗の顔。
愛しくて、身体の奥が疼く。
攷斗が着ていたパーカーを脱いで、Tシャツ姿になった。ひぃなの服を脱がせようとすると、ひぃながためらうように胸元を隠した。
「……今度にする……?」
小さく問うた攷斗の言葉に、ひぃなが小さく首を振った。
「肩に、子供の頃の傷痕が残ってて…見るの、嫌かなって……」
「いいよ、別に。俺は気にしない」
手を握ってどかして、服をはだけさせる。
左の肩に、その傷はあった。
何かに裂かれ、縫い合わせたようにひきつれた皮膚、白く滑らかな肌に痛々しく残る熱さの痕跡。
想像していたよりも広範囲にわたって残る傷痕を見て、攷斗が思わず手を止めた。
「やっぱり、嫌だよね……ごめん……」
空いてる手を使って服を戻そうとするが、攷斗がそれを止めた。
「痛む?」
「…たまに。いまは平気……」
優しくうなずいて、
「痛かったら、教えて?」
その熟した果実のような痕に指を滑らせる。そのまま、場所を変えながら攷斗は何度もキスを落とした。
痛みとは違う疼きがひぃなの傷痕に走る。
攷斗が触れたところから、過去の苦しみが消えていくよう。
肩から首筋、そして頬、瞼、鼻、唇。軽く何度もするキスに、ひぃなの体温が上がっていく。恥ずかしそうに身をよじるひぃなから身体を離して、
「もう、独りで抱え込まなくていいから」
視線を絡ませた。
「頑張ってたんでしょ? 誰にも言わないで」
ひぃなの瞳が見る見るうちに透き通っていく。
「ひなはえらいよね。そういうとこも好きだよ」
頭を撫でると、瞳の中の薄い水面が揺れた。
ひぃなが嬉しそうな照れくさそうな笑顔を浮かべる。けれど、その表情はどこか困っているようにも見えて……可愛くて、熱い身体の中心を押し当てながら、ひぃなの唇に深くキスをした。
攷斗の熱さを受けて、ひぃなが身じろぐ。
「……どこか痛い?」
「――は…はずかしい……」
顔を背けてつぶやくそのしぐさが、攷斗の欲情を掻き立てた。もうどうにも抑えられない感情をぶつけるように、攷斗がひぃなの唇をむさぼる。
重なる隙間から時折漏れるひぃなの切ない声。
出会った頃から切望していたこの状況に、攷斗が溺れた。
やっと手に入れた愛しい人を、じっくり味わい尽くすように愛撫する。
弾む息。熱っぽく柔らかい肌。濡れる粘膜。甘く鼻にかかった声。
そのどれもが、愛おしくて、たまらない。
はぁっ……と溜まった息を吐いて、攷斗がひぃなから離れた。
「体調、辛くなったら教えてね」
服を脱いで、攷斗がひぃなに囁きかける。
「…ん……」
トロンとした目つきで攷斗を見つめ、ひぃながうなずく。その身体から、攷斗が衣服をすべて脱がす。
愛おしそうにゆっくりとまばたきをして、身体を寄り添わせ、もう何度したかわからないキスをする。
それだけで、イッてしてしまいそうだ。
自らを落ち着かせるようにゆっくり呼吸すると、
「……挿れるね……」
ひぃなの耳元でつぶやいた。
返事を待たず、位置を確認してゆっくりと押し広げていく。
恥ずかしそうにまぶたを閉じ、少し苦しそうに眉根を寄せるひぃなの顔を見ながら攷斗が腰を押し進め、二人は一つに繋がった。
攷斗が動きを止めると、二人は顔を視線を絡ませ照れたように笑って、どちらからともなくキスを交わす。
「愛してるよ……ひぃな……」
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ひぃなは少し驚いて、とても嬉しそうに微笑んで、
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