偽装結婚を偽装してみた
Chapter.107
後日、マンションで管理されている防犯カメラの映像が警察に確認された。
やはり正面からではなく、ゴミ庫へ出るための通用口前で鍵を忘れた住人を装ったようだ。たまたま中から出てきた住人と二言三言会話を交わし、マンション内へ入って行った。
その後、非常階段に身を潜めてひぃなの帰宅を待ち、部屋に押し入ったらしい。
自宅から出た痕跡もなく、攷斗の部屋が入っているマンション付近でも黒岩の姿を確認出来なかったらしい。どういうルートを通って包囲網をかいくぐったのかは、黒岩本人しか知らない。
玄関に置いてあった防犯カメラの映像を見て、待機していた外間と桐谷は慌てて攷斗の部屋に駆け付けたという。
「すみません! オレたちのミスです!」
二人が攷斗に謝罪したが、そこを責めるつもりはない。
むしろ、不意を突けたから証拠も身柄も確保出来た。もう二度と、ストーカーがひぃなに近付けなくなればそれでいい。
マンションの管理会社にもこのことは報告され、より一層セキュリティを強化する旨が、詳細を伏せられ、マンションの全住居に告知された。
シューズクローゼットの上に置かれていたカメラのオブジェを、外間と桐谷に返却する。
「二人に依頼して本当に良かった。ひなを助けてくれて、感謝してます。本当にありがとう」
頭を下げる攷斗に二人は恐縮して、今後の業務に抜かりがないよう、一層身を引き締めると決意を新たにした。
「僕らの力が必要なときなんてないに越したことはありませんけど、もし万が一、またなにか危険が及ぶようなことがあれば、全力でお守りしますのでご用命ください」
頭を下げる外間と桐谷に、
「頼りにしてます」
攷斗が笑顔で答えた。
「早速で悪いんだけど、明日俺、出社しないとならないから、家で警護してもらっていいかな」
「もちろん。また伺います」
「今日はもう、俺が家にいるので、下も、もう大丈夫だと思うから、ゆっくり休んでください」
「すみません、ありがとうございます」
仕事とはいえ、連日車内泊は身体にも悪い。
「それでは、また明日」
「はい、お願いします」
玄関先で二人を見送って、ひぃなの部屋のドアをノックした。
「はい」
返事と共にドアが開く。
「ごめん、話終わったよ」
「うん」
「明日、外間と桐谷に来てもらうことにしたから、家、上がってもらっていいかな」
「もちろん」
「体調つらくないなら、一緒に映画でも視ない?」
「視たい」
「うん。じゃあ、リビング行こう」
手を繋いでソファに座り、ネットで映画のラインナップを探す。
「なにか飲む?」
「ん、俺やるよ?」
「なにかやってないと落ち着かないの」
「……そっか」
事件以降、ひぃなは会社を休んでいる。自主的にではなく、攷斗と堀河がそれを薦めたのだ。
体調も安定せず、急に寝込んだりするので、まだ安心は出来ない。しかし、攷斗の会社の繁忙期まであと少し。いつまでも自宅勤務をしているわけにもいかなかった。
やはり正面からではなく、ゴミ庫へ出るための通用口前で鍵を忘れた住人を装ったようだ。たまたま中から出てきた住人と二言三言会話を交わし、マンション内へ入って行った。
その後、非常階段に身を潜めてひぃなの帰宅を待ち、部屋に押し入ったらしい。
自宅から出た痕跡もなく、攷斗の部屋が入っているマンション付近でも黒岩の姿を確認出来なかったらしい。どういうルートを通って包囲網をかいくぐったのかは、黒岩本人しか知らない。
玄関に置いてあった防犯カメラの映像を見て、待機していた外間と桐谷は慌てて攷斗の部屋に駆け付けたという。
「すみません! オレたちのミスです!」
二人が攷斗に謝罪したが、そこを責めるつもりはない。
むしろ、不意を突けたから証拠も身柄も確保出来た。もう二度と、ストーカーがひぃなに近付けなくなればそれでいい。
マンションの管理会社にもこのことは報告され、より一層セキュリティを強化する旨が、詳細を伏せられ、マンションの全住居に告知された。
シューズクローゼットの上に置かれていたカメラのオブジェを、外間と桐谷に返却する。
「二人に依頼して本当に良かった。ひなを助けてくれて、感謝してます。本当にありがとう」
頭を下げる攷斗に二人は恐縮して、今後の業務に抜かりがないよう、一層身を引き締めると決意を新たにした。
「僕らの力が必要なときなんてないに越したことはありませんけど、もし万が一、またなにか危険が及ぶようなことがあれば、全力でお守りしますのでご用命ください」
頭を下げる外間と桐谷に、
「頼りにしてます」
攷斗が笑顔で答えた。
「早速で悪いんだけど、明日俺、出社しないとならないから、家で警護してもらっていいかな」
「もちろん。また伺います」
「今日はもう、俺が家にいるので、下も、もう大丈夫だと思うから、ゆっくり休んでください」
「すみません、ありがとうございます」
仕事とはいえ、連日車内泊は身体にも悪い。
「それでは、また明日」
「はい、お願いします」
玄関先で二人を見送って、ひぃなの部屋のドアをノックした。
「はい」
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