偽装結婚を偽装してみた
Chapter.11
「やばい、さいご緊張するな」
手の汗をジーンズで拭って、攷斗がバッグからさっき取ったばかりの住民票を出したところで、
「コーヒー淹れてくるかぁ。湖池手伝ってー」
「はーい」
堀川が湖池を連れて休憩スペースへ移動した。
ひぃなからペンを借り、ひぃなと同じ順序で空欄を埋めていく。自分の情報を全て書き終え、ひぃなが残していた項目に取り掛かった。
「届出日は今日でしょー? あれ、これって結婚記念日になるのか」
「そう、じゃないかな?」
「そうだよね」
年月日を書き入れ、
「今日だったら絶対忘れないな」
攷斗が口の中でつぶやく。残念ながらひぃなには聞こえていない。
「名字、俺のでいい?」
「うん」
躊躇ないひぃなの回答に攷斗が相好を崩し
「ありがと」
子供のような笑顔で礼を言う。
「【新しい本籍】だって。どこにしようか」
「んー、特にこだわりはないけど……」
「便利だろうし、俺の家でいい?」
「うん。大丈夫だよ」
はーい、と返事して、攷斗の自宅住所を記入した。
「同居も結婚式これからだから空欄ー、と」
連絡先も俺のケータイ番号でいいか、と記入する。
「これで大丈夫かな」
と、ひぃなに問う。
ひぃなは一通り書類を確認して、必要事項欄に書き漏れがないかを探す。
「……うん。大丈夫、だと思う」
専門外なので自信はないが、おそらく問題ないだろうと判断する。
「よーし。じゃあ、あとは押印だけ」
はい、とひぃなに書類を差し出す。それを受けて、先ほど作ったばかりのハンコを持ち届出人の欄に【時森】印を押した。続いて攷斗。
「……うん、できた」
攷斗の言葉に、どちらからともなく顔を見合わせ、
「よろしくお願いします」
「こちらこそ」
はにかみながら会釈などしてみる。
少し気恥ずかしくなって、
「しまってくるね」
机上に置いてあった自分の住民票を手に取り、ひぃなが席を立った。
手の汗をジーンズで拭って、攷斗がバッグからさっき取ったばかりの住民票を出したところで、
「コーヒー淹れてくるかぁ。湖池手伝ってー」
「はーい」
堀川が湖池を連れて休憩スペースへ移動した。
ひぃなからペンを借り、ひぃなと同じ順序で空欄を埋めていく。自分の情報を全て書き終え、ひぃなが残していた項目に取り掛かった。
「届出日は今日でしょー? あれ、これって結婚記念日になるのか」
「そう、じゃないかな?」
「そうだよね」
年月日を書き入れ、
「今日だったら絶対忘れないな」
攷斗が口の中でつぶやく。残念ながらひぃなには聞こえていない。
「名字、俺のでいい?」
「うん」
躊躇ないひぃなの回答に攷斗が相好を崩し
「ありがと」
子供のような笑顔で礼を言う。
「【新しい本籍】だって。どこにしようか」
「んー、特にこだわりはないけど……」
「便利だろうし、俺の家でいい?」
「うん。大丈夫だよ」
はーい、と返事して、攷斗の自宅住所を記入した。
「同居も結婚式これからだから空欄ー、と」
連絡先も俺のケータイ番号でいいか、と記入する。
「これで大丈夫かな」
と、ひぃなに問う。
ひぃなは一通り書類を確認して、必要事項欄に書き漏れがないかを探す。
「……うん。大丈夫、だと思う」
専門外なので自信はないが、おそらく問題ないだろうと判断する。
「よーし。じゃあ、あとは押印だけ」
はい、とひぃなに書類を差し出す。それを受けて、先ほど作ったばかりのハンコを持ち届出人の欄に【時森】印を押した。続いて攷斗。
「……うん、できた」
攷斗の言葉に、どちらからともなく顔を見合わせ、
「よろしくお願いします」
「こちらこそ」
はにかみながら会釈などしてみる。
少し気恥ずかしくなって、
「しまってくるね」
机上に置いてあった自分の住民票を手に取り、ひぃなが席を立った。
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