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とある冒険者の日記 ~異世界転移は突然過ぎやしませんか?スキルDIYって何です?器用貧乏な俺は異世界で今日も生きていく。

華音 楓

五日目② 俺が悪いのか?

コンコンコン

「マスター。件の冒険者を連れてまいりました。」

「おういいぞ。はいれ。」

 中から渋いおっさんの声がした。
 この声どっかで聞いたような気がするが…
 きっと気にしたら負けな気がしてならない。

 執務室の中は、意外とこざっぱりしていた。
 てっきり、ゴテゴテした装飾とかありそうだったんだけどな。
 そして促されて、中に入ると執務室の机が目についた。
 華美というわけではなく、実用性重視なんだろうか。
 すごい書類の量でもビクともしなかった。
 
 そして、書類の奥の執務机で書類に埋もれながら格闘しているマッチョなおっさんがいた。
 あ、あの時のおっさんだ。

「おう来たな。まあ座れや。」

 おっさんにソファーに座るよう促され、腰を下ろした。
 ソファーに腰を下ろすと、キャサリンさんがお茶を用意してくれた。

「もうすぐ書類の処理が終わると思うから、少し待っててくださいね。ギルマス、さっさと書類の処理を終わらせなさい。」
「わ~てるって。ねぇ…ウォッホン、キャサリンさんもお茶を飲んでゆっくりしていてくれ。」

 そう言うとギルマスがまた書類との格闘に戻っていった。
 何か大事なことを言いかけていたようだけど、その瞬間キャサリンさんから何かが発せられたようで、すぐに言葉を引っ込めた。

カチコチカチコチ

 いまだおっさんの書類整理が終わらない…
 なんだこのいたたまれない空気は…

カチコチカチコチ

 2杯くらいお茶をお代わりしたころだろうか。
 処理が終わったようでこっちにおっさんが歩いてくる。

「待たせたなぁ。」

 相も変わらずどっかの蛇さんみたいな渋い声だな…
 いかん、気にしたら負けだ。
 ギルマスは疲れたといわんばかりにソファーにドカンと腰を下ろした。
 下ろした後も体を伸ばしているところを見ると、大分時間を使って処理していたことがうかがい知れた。

「とりあえず事情聴取だ。っとその前に自己紹介がまだだったな。俺はここのギルドマスターをしているシャバズ・ウォルド=ウィリアムズだ。呼び方は…特に決まってねぇ~から、好きに呼んでくれて構わん。」
「じゃあ、適当に呼ばせてもらうよ。それじゃあ、わかっていると話思うけどカイト・イシダテだ。」

 そういって手を伸ばすときちんと握手で返してくれた。
 どうやら握手の文化はちゃんとあるらしいな。

「それで本題に入るんだが、お前さん、昨日常設依頼のゴブリン退治の報告をしたろ?で、その左耳どっからとってきた?」
「なにを聞きたいかわからないけど、普通にボコって切ってきたに決まってるでしょうに。」

 あ、これ完全に疑われてるパターンだ…
 もし俺があの場で死んでいたら…死人に口なしってやつか…
 めんどくさいけど、昨日有ったことを説明した。

 東の森を探索中に戦闘を確認。
 盾役が倒れて戦線崩壊。
 近くに居た俺を発見し、擦り付けて逃走。
 5体のゴブリンと必死に戦闘。
 討伐後左耳を回収。
 やっとのことで街へと帰還。

 と、まあ、かいつまんで説明を行った。
 それにしても、良く生き残ったもんだよ全く。

「そうか、しかしな、今朝それについて物言いがついた。自分たちが倒したゴブリンの死体から左耳かっさらったやつがいるって。そいつがお前さんだっていう話だ。」

 ………あいつら絶対〆る。

「つまり、俺がウソの申告をしたってことになってるってわけね?」
「ありていに言えばそうなるな。」

 これって切れていいやつだよな?
 さすがに温和な俺でも切れてあいつらを帰らぬ人にしたい気分だ。
 おっと、それはさすがにまずいか…

★★★★★★★★★★★★★★

ここまでお読みいただきありがとうございます。

いきなり濡れ衣を着せられて事情聴取。
しかも、あまり信じていない様子…

ただ、このおっさんとは今後も付き合いが続くとはこの時考えもしていなかった…
って感じですね。

では、次回をお楽しみください。

※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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