とある冒険者の日記 ~異世界転移は突然過ぎやしませんか?スキルDIYって何です?器用貧乏な俺は異世界で今日も生きていく。
四日目② あと4回…
モンスターを殺した…
手には嫌な感触が残る。
その感触は何とも言えず、ぬるっともずるっとも言えない……
そんな感じだ。
ゴブリンの血は青いんだな…赤くないだけまだマシなのかもしれない。
俺は何の気なしに自分の手を見つめていた。
そして、俺は気が付いた…
これ…解体しなきゃダメ?
そして俺は頑張った。
めちゃくちゃ頑張った。
右手に嫌な感触を感じながら、ゴブリンの左耳を持ち上げそぎ落とした。
それに解体用のナイフなんか持ってないから、剣で切ったんだが…
ものすごく切りづらかったとだけ言っておこう。
冒険者の皆様に敬意を表します。
スゲ~よマジで。
剥ぎ取った後、しばらくすると不思議な現象が発生した。
ゴブリンは黒い靄に覆われたかと思うと、跡形もなく消え去った。
どういうこと?
そういうもんなの?
だったら教えてくれてもよかったよね?
でもこれで、あいつらが普通の生き物じゃないってことは理解できた。
むしろゲームじゃないのかって思えてしまうくらいだ。
それにしても…
はぁ…あと4回か…
本気でテンションが下がっていった。
しばらくテンションが下がっていたが、こうしてもいられない。
よし、気を取り直して周辺の探索だ。
俺はゴブリンの探索中、ヒール草を見つけたので採取していた。
ヒール草は追加分を引き取ってもらえるって言ってたし。
いくら探してもゴブリンが見つからない。
仕方がないので、俺はヒール草の採取に勤しんでいた。
しばらくヒール草を探しながら歩いていると、少し遠めの前方にゴブリンの集団がいた。
数は…おそらく5匹。
まだ距離があったため、ばれてはいないようだった。
少し観察していると、なんだか様子がおかしい。
気付かれないように、少しづつ距離を詰めていく。
状況を確認できるまで近づくと、戦闘音も一緒に聞こえてきた。
すでに、別グループと交戦状態だった。
「グギャガギャガガギャギャ!!」
「くそ!!こいつらつえぇぞ!!」
「おい何やってんだ!!邪魔すんじゃね!!」
「うせぇ!!俺の邪魔すんな!!」
叫びながら戦闘って意味あるのか?
俺は気付かれないようにさらに距離を詰め、木の陰に隠れるようにして様子をうかがった。
あれは…おそらく昨日の酔っぱらいだ…
5人くらいのパーティーだったのか。
ガン!!ゴン!!ドガン!!
一人が大盾を構えて、単調に突進してくるゴブリン達の攻撃を防いでいた。
あれがタンクってことか?
残りの4人はって…
ただがむしゃらに剣を振り回していた。
あぁ、騒いでいるのがその4人か。
盾持ちは支えてるだけで手いっぱいって感じか。
「おいこら!!人の獲物にてぇだすんじゃね~よ!!」
「うっせ!!俺の方が近かっただけだろうが!!」
「黙って攻撃しやがれ!!死にてぇのか!!」
おいおい、連帯なんてあったもんじゃないな。
盾持ちがゴブリンを無理やり抑え込んで、あとの連中がただやみくもに攻撃しているだけだった。
それじゃあ、勝てるものも勝てない。
それにゴブリンの数も5匹だ。
だんだん盾持ちが押し込まれていく。
ガンガンガン!!
どんどん盾持ちが押し込まれる。
そりゃそうだ。2・3匹なら通用するかもしれない。
でも、あれだけ数が多けりゃ、力負けしてしまうのもうなずける。
その他のメンバーがゴブリンの邪魔ができれば問題ないんだろけど、ほとんど役に立っていなかった。
「グギャ!!」
「ぐわ!!」
あ、一人吹っ飛ばされた。
ほら言わんこっちゃない。
まだ、少し動いているから死んではいないだろうけど…。
早めの治療が必要になるはずだ。
ガコン!!
「ぐうぉわああ!!」
あ、盾持ちも結局耐え切れなかったか。
大分吹っ飛ばされたな。
これは本格的にやばいそうだな。
完全に戦線崩壊だ。
ここまでくれば、倒れた仲間を担いで逃走。
1名が殿を務めて時間稼ぎ。
これが定石だろうか。
しばらく状況を見守っていると…
あ、目が合った。
昨日の自称先輩が、何かを仲間に伝えてる?
状況打開の名案でも考え付いたのかもしれない。
あ、残りのメンバー全員で走り出した…
どっちに向かう気なんだ?って!!!!
こっちくんなし!!
★★★★★★★★★★★★★★
ここまでお読みいただきありがとうございます。
モンスタートレインはまじめに迷惑ですよね?
作者もMMOとかよくやりますが、戦闘準備とかしてない状態であれやられると本気でしんどい。
仲間との連携が取れないし、無駄に被害は広がるしでてんやわんや。
モンスタートレイン。だめ!!絶対!!
では、次回をお楽しみください。
※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。
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