修行①

「では、修行を始める。まずは魔力をかんじるところからだ。」

「魔力を感じる？」

「魔力は体の中にある湖のようなものだ。目を閉じてそのイメージを頭に思い浮かべてみろ。」

俺は言われた通り目を閉じて意識を集中させた。すると、体の中から熱い何かを感じた。

「何か熱い感じがする。」

「それが魔力だ。やはり竜王様のおっしゃる通り、素質があるな。」

「そうなのか？」

「普通の竜は1回ではなかなか成功しないんだ。」

俺からしたら普通にわかったんだか、他からしたら難しいのか。

「じゃあ次だな。炎属性初級魔法の『ファイア』を使ってみよう。湖から水をすくい上げるイメージで魔力を取り出すんだ。」

俺は言われた通り水をすくい上げるイメージを頭に思い浮かべた。

「こ、こんな感じか？」

「そうだ。それを手に集めて向こうの岩に向けて
『ファイア』と唱えるんだ。」

(魔力を手に集めて...それを一気に放つ！)

『ファイア！』

詠唱と同時にバスケットボールぐらいの大きさの火の玉が表れすごい勢いで岩に向かって放たれた。火の玉は岩にぶつかり、岩は砕けた。

「おお！これが魔法か！すげぇー！」

俺が感動しているとラルクは震え声で喋った。

「し、初級のま、ま、魔法でこ、これだけの精密さと威力...、リュート、お前ってやつは...」

「な、なに？」

「もうお前は天才だよ...教えてる私が1番驚いているよ。」

そんなにすごいのか...始めたばかりなのに。

「普通は初級魔法の威力じゃあんな威力は出ないんだ。せいぜい黒焦げになるぐらいだ。」

「そんな威力が出ていたのか。」

「とりあえず今日は初級魔法全般を使ってみよう。」

その後使った初級魔法も似たような結果になり、全て終わった時にはラルクは言葉を失っていた。

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修行①

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