竜としてこの世界で生きていく

キリくん

竜王との出会い

今日も授業が終わり、放課後3人で下校していた。


「いやぁー、今日も疲れたねー」


「そうだな。やっばり授業は長く感じるよ。」


「私もうクタクター」


いつものように3人で喋りながら歩いていた。


「はぁ...、毎日勉強ばっかりで嫌になるよなぁ」


「うん、毎日同じことばかりで退屈よ」


「俺もそう思う。何かすごい事でも起きたらなぁ」


そんなくだらない話をしてると分かれ道に着いた。


「じゃ、また今度な。竜輝。」


「またね。りゅうちゃん。」


「おぅ、またな。」


そうして俺たちは別れた。


2人と別れて帰っていると不思議な感覚がした。


「.....?」


誰かに見られているような気がしたのだ。


「気のせいか?」


そう思って、俺は気にせずに帰った。


「.....あれが竜輝か、」


誰かが竜輝をじっと見ていた。




その夜、俺はあまり眠れなかった。何か胸騒ぎがしたからだ。


「全然眠れない...、散歩でもしてこようかな。」


少し冷えたため、パーカーを着て外に出た。
遅い時間だったため、人がほとんど通らなかった。


「流石にこの時間だと暗いな.....ん?」


ふと目の前の山を見た時だった。山の頂上で一瞬何かが光った。


「なんだろう?」


不思議に思った俺は好奇心が抑えられず、山に向かった。


山はそこまで高くなく、頂上まであまりかからなかった。俺は登りきると、自分の目を疑った。
目の前には見たこともない生き物がたたずんでいた。
体調は3、4メートルぐらい、顔はトカゲのようで、頭には2本のツノが生えている。歯は鋭く、なんでも噛み砕いてしまいそうだ。体中は燃えるような赤い鱗で覆われている。手足には長くて鋭い爪が生えていて、全てを切り裂いてしまいそうだった。そう目の前にいるのは間違いなく「竜」だった。
俺は今までにない恐怖に襲われた。逃げなければならない。頭は分かっていても体が動かなかった。俺が動けずにいると、竜がこちらを見つめてきた。俺は喰われてしまうのかと思ったが、竜の目を見ていると何故か落ち着いた。とても優しく、力強い目だった。すると、頭の中に声が響いた。


「お前が竜輝か?」


なんと、喋った!俺は驚いたがその問に答えた。


「は、はい!そうです!」


「そうか...、母さんに似ているな。」


「!?」


俺は驚いて絶句した。


「か、母さんを知っているんですか!?」


「そうか、お前は何も知らんのだな。私はよく知っている。最愛の妻だったのだから。」


「なっ!?」


「驚くのも無理はない、ずっと秘密にしてきたことなのだから。」


「じ、じゃあ、あなたは俺の父さんなのか?」


「いかにも。私の名はファイズ・バン・デウス。
竜の国の王、竜王だ。そしてお前は私の息子、
竜の王子だ。」


こうして、竜輝の運命が変わりだす...



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