竜としてこの世界で生きていく

キリくん

いつもの日常

俺は勝田竜輝。普通の高校一年生。特に何か特徴があるわけでもなく、勉強も普通ぐらい。友達もそこそこいて何も不満なことも無かった。
 だが、俺は毎日の普通の日常がとてもつまらなかった。変わることの無い日常が退屈だった。けれども、そんな日常が簡単に変わるわけもなく、今日も普通の朝が訪れた。
 

「ふわぁぁー...」


欠伸をしながら俺は目を覚ました。


「...何時だ?」


ベッドのそばの時計を見ると8時だった。


「ちょっと寝すぎたな、さっさと支度するか。」


俺はベッドから降りてキッチンに向かった。俺の家は両親がすでに亡くなっている。母さんは1年前に、父さんは俺が生まれてすぐに病気で亡くなった。だから家のことは全て自分でやっている


「さてと、行ってきます。」


俺は朝食を食べてからすぐに家を出た。腕時計を見るとそこまで時間は経っていなかった。


「これなら間に合うだろ。」


「おーい、竜輝ー!」


後ろから誰かに呼ばれた。振り返ると、2人の生徒が手を振りながら走ってきた。


「おはよー、りゅうちゃん。」


「だからりゅうちゃんはやめろよ...」


「いいじゃない別に♪」


彼女は大空舞おおぞら まい。中学からの親友だ。とても明るく、ムードメーカーでもある。


「おぅおぅ、相変わらず仲がいいなぁー」


「別にそんなんじゃねぇっての!」


彼は蒼井有騎あおい ゆうき。舞と同じで中学からの親友でどこか憎めない元気なやつ。


「いいじゃん別に、私りゅうちゃんのこと嫌いじゃないよ?」


「え!?そ、そうか、ありがとう...」


「お似合いですなぁ」


「だぁからやめろって!」


俺たちはそんな何気ない会話をしながら学校に向かった。この日常が変わることも知らずに。

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