精霊と共に
魔力量
今日は俺の6歳の誕生日。自分で言うのもなんだが、この世界での生活によく慣れたもんだなと感心する。赤ちゃんに転生して人間じゃない種族で、冷静に考えてみれば凄いな。
まぁそんなことより、今俺は非常に困っている。
「アーサーー、俺と遊んでくれよー」
「・・・」
この俺にくっついているのは俺の兄のラースだ。歳は16とかなり離れている。普段は城の騎士をしているらしい。そのためなかなか帰ってくることはないが、帰ってくると俺にべったりになる。
「兄さん・・・離れて」
「いいじゃないかー、俺にとってお前は癒しなんだよ。できれば一生そのままでいてくれー」
兄よ。なんということを望んでいるのだあなたは・・・。
「おーい、お前達。そろそろ始め━━ってまたか。ほら行くぞ」
「はーい・・・」
いや、そんな顔されても・・・
「では、アーサーの6歳の誕生日を祝って。カンパーイ!」
「「「カンパーイ!」」」
こうして誕生日会が始まった。この家では従者と主人の差があまりないので、みんな普通に接してくれる。
「おめでとうございますアーサー様」
「うん、ありがとう」
いろんな人が挨拶をしてくる。そんななか父さんが近づいてきた。
「楽しんでるか?アーサー」
「うん!みんなに祝ってもらえて幸せだよ!」
「そうか。お前が楽しんでいるなら良かった」
「「アーサー!改めておめでとうー!」」
母さんと兄さんが肩を組みながらこっちに走ってきた。酔っ払いかあんたらは。
「ありがとう二人とも」
「ねぇアーサー。そろそろアレ、出さないかしら?」
「そうだね。メルト!」
「かしこまりました」
メルトに合図をすると、すぐに例のものを運んできてくれた。山の形の入れ物を逆さにして皿の上に乗せているものだ。
「みなさん!これはアーサー様が作られたデザートでございます。ぜひご堪能ください」
紹介するとメルトは入れ物をそっと持ち上げた。すると中からプルンとしたものが飛び出した。そう、プリンだ。しかも特大サイズ。
「おお!」  「なんだアレは!?」
などと声が挙がっている。
「えー、これはプリンというデザートで、俺のオリジナルのものなんだ。食べてみて!」
みんな不思議そうな顔をしながらプリンをつつき始め、口にした。
「美味しいー!!」「このプルプルした食感がたまらない!」
大絶賛だった。かなりの大きさだったはずなのだが、あっという間になくなってしまった。
「みなさん。モグモグ。まだまだありますのでモグ。ゆっくりとお食べ下さいモグ」
「お前がゆっくり食べろ」
喋りながら食べているメルトをツッコミつつ俺もプリンを楽しんだ
「それにしてもアーサー?あのプリンの作り方はどうして思いついたの?」
「う、そ、それは・・・」
 
言えない。前世で料理が趣味だったなんて言えない。決してモテたいとかいう気持ちはない。断じてない。
「ほ、ほら!本とか読んで考えたんだよ!」
「へぇー、すごいわね。料理の才能がありそうね」
な、何とか誤魔化せた・・・
「さぁ!もっとプリン食べましょう!」
「母さん、食べすぎると太るよ?」
「私は食べても太りませーん!」
それ、食べ過ぎな人の常套句だぞ・・・
━━数時間後━━━
「うぅー、苦しいー」
「もう無理・・・」
「無理に食べるからだよ」
兄さんと二人で調子に乗ってプリン丸々一つ食べるとは思わなかった。どうやったらあの量が胃に入るのやら・・・
「アーサー、ちょっといいか?」
「父さん?大丈夫だけど」
「確認しておきたくてな。この水晶玉を触ってみてくれ」
父さんの手には野球ボールぐらいの水晶玉があった。
俺はそれにそっと手をのせた。すると水晶は弱々しい光を放ちゆっくりと消えた。
「やはりか…」
「今のは何?」
「これは魔力量を測る魔道具でな。魔力量が多いと強い光を放つのだが…」
今の光が弱々しかったということはつまり...
「お前は魔力量が少ないらしい。「アクア」の水を飲めたのは魔素少なかったからだ。魔力が少ないと魔素の濃度も減るからな」
なるほど。だから俺は魔法をあまり連発できなかったのか。
「わかっていると思うがお前は魔法をあまり使うことができない。初級ならまだしも上級魔法を使ったらお前は倒れるだろう」
「うん。わかってる」
「ただ、魔力が少ないはずだが、お前の魔法は威力が高い。魔力量で魔法の威力は変わるが、お前はそれが当てはまらない」
魔力が少ないのに威力が高い?どういうことだ?
「正直俺たちにはよくわからない。今のところ問題ないが、一応原因ぐらいは知っておきたい。そこで知り合いの魔法に詳しいやつに見てくれるように頼もうと思うんだが」
一応自分のことを知れる機会だし問題ないな。
「わかった。自分のことを知っておきたいし」
「よし。連絡をしておこう。多分明日か明後日には会えるだろう」
それにしても父さんの知り合いか。どんな人なんだろう?
まぁそんなことより、今俺は非常に困っている。
「アーサーー、俺と遊んでくれよー」
「・・・」
この俺にくっついているのは俺の兄のラースだ。歳は16とかなり離れている。普段は城の騎士をしているらしい。そのためなかなか帰ってくることはないが、帰ってくると俺にべったりになる。
「兄さん・・・離れて」
「いいじゃないかー、俺にとってお前は癒しなんだよ。できれば一生そのままでいてくれー」
兄よ。なんということを望んでいるのだあなたは・・・。
「おーい、お前達。そろそろ始め━━ってまたか。ほら行くぞ」
「はーい・・・」
いや、そんな顔されても・・・
「では、アーサーの6歳の誕生日を祝って。カンパーイ!」
「「「カンパーイ!」」」
こうして誕生日会が始まった。この家では従者と主人の差があまりないので、みんな普通に接してくれる。
「おめでとうございますアーサー様」
「うん、ありがとう」
いろんな人が挨拶をしてくる。そんななか父さんが近づいてきた。
「楽しんでるか?アーサー」
「うん!みんなに祝ってもらえて幸せだよ!」
「そうか。お前が楽しんでいるなら良かった」
「「アーサー!改めておめでとうー!」」
母さんと兄さんが肩を組みながらこっちに走ってきた。酔っ払いかあんたらは。
「ありがとう二人とも」
「ねぇアーサー。そろそろアレ、出さないかしら?」
「そうだね。メルト!」
「かしこまりました」
メルトに合図をすると、すぐに例のものを運んできてくれた。山の形の入れ物を逆さにして皿の上に乗せているものだ。
「みなさん!これはアーサー様が作られたデザートでございます。ぜひご堪能ください」
紹介するとメルトは入れ物をそっと持ち上げた。すると中からプルンとしたものが飛び出した。そう、プリンだ。しかも特大サイズ。
「おお!」  「なんだアレは!?」
などと声が挙がっている。
「えー、これはプリンというデザートで、俺のオリジナルのものなんだ。食べてみて!」
みんな不思議そうな顔をしながらプリンをつつき始め、口にした。
「美味しいー!!」「このプルプルした食感がたまらない!」
大絶賛だった。かなりの大きさだったはずなのだが、あっという間になくなってしまった。
「みなさん。モグモグ。まだまだありますのでモグ。ゆっくりとお食べ下さいモグ」
「お前がゆっくり食べろ」
喋りながら食べているメルトをツッコミつつ俺もプリンを楽しんだ
「それにしてもアーサー?あのプリンの作り方はどうして思いついたの?」
「う、そ、それは・・・」
 
言えない。前世で料理が趣味だったなんて言えない。決してモテたいとかいう気持ちはない。断じてない。
「ほ、ほら!本とか読んで考えたんだよ!」
「へぇー、すごいわね。料理の才能がありそうね」
な、何とか誤魔化せた・・・
「さぁ!もっとプリン食べましょう!」
「母さん、食べすぎると太るよ?」
「私は食べても太りませーん!」
それ、食べ過ぎな人の常套句だぞ・・・
━━数時間後━━━
「うぅー、苦しいー」
「もう無理・・・」
「無理に食べるからだよ」
兄さんと二人で調子に乗ってプリン丸々一つ食べるとは思わなかった。どうやったらあの量が胃に入るのやら・・・
「アーサー、ちょっといいか?」
「父さん?大丈夫だけど」
「確認しておきたくてな。この水晶玉を触ってみてくれ」
父さんの手には野球ボールぐらいの水晶玉があった。
俺はそれにそっと手をのせた。すると水晶は弱々しい光を放ちゆっくりと消えた。
「やはりか…」
「今のは何?」
「これは魔力量を測る魔道具でな。魔力量が多いと強い光を放つのだが…」
今の光が弱々しかったということはつまり...
「お前は魔力量が少ないらしい。「アクア」の水を飲めたのは魔素少なかったからだ。魔力が少ないと魔素の濃度も減るからな」
なるほど。だから俺は魔法をあまり連発できなかったのか。
「わかっていると思うがお前は魔法をあまり使うことができない。初級ならまだしも上級魔法を使ったらお前は倒れるだろう」
「うん。わかってる」
「ただ、魔力が少ないはずだが、お前の魔法は威力が高い。魔力量で魔法の威力は変わるが、お前はそれが当てはまらない」
魔力が少ないのに威力が高い?どういうことだ?
「正直俺たちにはよくわからない。今のところ問題ないが、一応原因ぐらいは知っておきたい。そこで知り合いの魔法に詳しいやつに見てくれるように頼もうと思うんだが」
一応自分のことを知れる機会だし問題ないな。
「わかった。自分のことを知っておきたいし」
「よし。連絡をしておこう。多分明日か明後日には会えるだろう」
それにしても父さんの知り合いか。どんな人なんだろう?
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