精霊と共に

キリくん

新しい人生?

「・・・ね・・・しょう?」


「う、あ・・・」


どこだ、ここは?俺は死んだはずだけどな・・・
もしかして奇跡でも起きたか?いや、さすがに無いはずだが・・・


「・・・と・・・こね」


「き・・・ぞ・・・」


誰かが話している。だけど視界がぼやけてうっすらとしか見えない。


「あ、あぅ。」


あれ?喋れない?


「あら・・・ら、どう・・・たの?」


なんとなく聞き取れるようになってきた。視界もクリアになってきた。男と女が俺の事をのぞき込んでいる。


「どうしたアーサー、お腹がすいたのか?」


「あらそうなの?アーサー?」


アーサー?誰のことだ?俺はそんな名前じゃないぞ?
あれ?なんか泣きそうに・・・


「う、う、うぇーーん。」


「あらあら。泣いちゃったわ」


「やっぱりお腹がすいたんだよ」


どうして?自然と涙が・・・


「はーい、アーサー?ご飯ですよー」


すると女は俺を抱き抱えた。抱き抱えた?いや、俺高校生だぞ?抱けるはずがない。


「ほら、飲んで」


そのまま女が俺を胸に近づける。え?いや、あの、それはさすがに・・・


「うぅ、あぁ」


「あら?飲まないの?」


あぁ、ダメだ。本能に逆らえない・・・


ゴクゴク・・・


「あら、すごい飲んでる。よっぽどお腹がすいてたのね」


ようやく理解した。俺はどうやら・・・転生したらしい。

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