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静かなところにいる ~転生したら盲目難聴でした~

あきや

67.死に戻り?

[つまりまとめると、
 エクサティシー様には、触れた相手の前世を見るという【奇跡】が宿っていると。
 そして僕には、死んだときに人生をやり直すという【奇跡】が宿っている。
 この二つが干渉した結果、エクサティシー様は僕の人生を覗くことができる、
 ということですね。]
[そうそう、そんな感じ。
 いやわからんけど。]

そうすると理屈は通っている、ことになってるの?
そしてアピロスさんは、こんな複雑な結論に一瞬で辿り着いたと。
すごい人だね。

しかしクリシが、いわゆる死に戻り系のループ能力とは。
主人公が持ってるタイプの最強能力じゃん。

[クリシはそういうことで納得できるの?
 『確かに言われてみれば、この【デジャヴ】は前世の体験だったなー』みたいな、
 そういう感じはある?]
クリシの手が止まる。

即答で納得できる感じではないらしい。

[確かに未来予知というよりは、
 前世体験を思い出すという感覚に近いような気はします。
 ですが体験したにしては、あまりにも記憶が曖昧です。
 そもそも前世の記憶というものは、そういうものかもしれませんが。]

たしかに、普通の人には前世の記憶なんてないし、
『前世の記憶が~』なんて言い出す人はほぼ嘘つきだと思う。
私は本当に、はっきり覚えてるけど。
まぁ、それが私の【奇跡】ということなのかも。

そう、私には前世がはっきりとわかってしまう。
自分の前世も、クリシの前世も。
だから、自分がどういう死に方をするのか、わかってしまった。
あの記憶の私は、まだ若々しい姿だった。
あれはきっと、何年も後の話ではない。
1,2年もしないうちに起こることだ。
死刑宣告のように感じる。
なんて残酷な【奇跡】だろう。

そう思うと、私はまだ絞首刑のような、苦しみの少ない死に方だった。
クリシの……
おかげで。
でも、そのクリシは……

クリシが私の手を取り、言葉を伝える。
その手からはどこか、力強さを感じる。
[そんなに不安に感じることはありませんよ。
 確かに、もしあなたに悲劇的な死が近付いているなら、
 僕は何としてもそれを止めます。
 そのためなら、【奇跡】の一つくらい起こすかもしれません。
 きっとそういうことだから、今があるのでしょう。
 それなら、未来は必ず変わりますよ。]

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