静かなところにいる ~転生したら盲目難聴でした~
66.どういうこと?
[で、アタイの記憶はどうだった?]
[『姦淫の女だー』とか言われて死刑になる人の記憶だった。
 もちろんアピロスさんではなくてね。]
[なんだそりゃ。
 そのくらいで死刑になるんだったら、
 アタイは何回死ななきゃいけないんだよって話だ。]
経験豊富と?
まぁともかく、(死刑になるような)心当たりはないらしい。
クリシが私の手を取る。
[しかし、記憶を覗かれる可能性があると言われても、
 特別嫌がる人がいなかったのは意外ですね。
 これもエクサティシー様の人徳のなせるわざでしょうか?]
[いやいや、そんな……]
そう言われるとまるで、他人が築き上げた好感度を、
自分の都合で勝手に食いつぶしているような気がしてくる。
[ともかく、どうやらその【奇跡】は本人の記憶を見る者ではないようですね。
 これだけの人数に触れてみて、
 誰も僕のときのようなことは起こらなかったのですから。]
[どうしてクリシは例外だったんだろう?]
[……どうしてでしょうか。すみません。]
答えが出ない。
すごく仲がいいからとか?
いや、そうすると私と父さんの関係がややこしいことになるな……
[クリシの【奇跡】で変になってとか?]
[どういうこと?]
[いやほら、アタイが【奇跡】で思いっきりピョーンって飛んだところに、
 なんかの【奇跡】で嵐を起こされたら、
 グルグルーってなってどっか行っちゃうみたいな、そういうのあるじゃん。]
えーと、擬音が多くてよくわからないけど、
アピロスさんの軽くなる能力で自由に飛び回れるはずが、
相手が風を操って吹き飛ばそうとした場合、
軽くなってる分風で飛ばされやすくなってて、逆に不自由するってことかな。
能力の相性によっては、予想外の化学反応が起こるみたいな。
なるほど、そういうのあるんだ。
[つまり、クリシの【奇跡】と私の【奇跡】が干渉して、
 特殊な記憶が見えているってことね。]
[そうそう、そんな感じ。
 いやわからんけど。]
[ですが、僕の【デジャヴ】がどう干渉するするのでしょうか?]
[なんだよ【デジャヴ】って。
 というかクリシに【奇跡】があるなんて初めて聞いたぞ。]
いやこの話の流れを始めたのはアピロスさんでしょ。
テキトーに喋ってるなぁ、この人。
[僕も昨日初めて自覚したことですから。
 僕は時々、思い出すようにこれから何が起こるのか予知することがあるのです。
 それが【デジャヴ】という、初めて体験するはずなのに、
 過去に体験したことがあるかのように感じる現象に似ているということで、
 そう呼んでいます。]
ごめん、きっとこの世界にはそんなは言葉ないと思われます。
このままではクリシだけ、
自分の能力に厨二病的なオリジナルネームを付けてしまった、
ちょっと痛い子みたいな感じになってしまう……
止めるべき?
いや、止めたら止めたで
『じゃあなんで私は急に【デジャヴ】なんていう謎の単語を口走ったのか』
という、ややこしい問題が発生してしまう。
どうしよう?
混乱は避けたい。
ここは『本当にそういう単語があった』という既成事実を作る方針で行こう。
そうすれば、誰も傷つかずに済むのだ。
きっとどんな言葉も、そんな感じで生まれて来たのだ。
うん。
えーと、何の話だっけ?
[だとすればだよ、あれだ。
 みんな前は別の生き物やってたんだけど、
 クリシだけは前もクリシやってたんじゃないか?]
うん?どういうこと?
[『姦淫の女だー』とか言われて死刑になる人の記憶だった。
 もちろんアピロスさんではなくてね。]
[なんだそりゃ。
 そのくらいで死刑になるんだったら、
 アタイは何回死ななきゃいけないんだよって話だ。]
経験豊富と?
まぁともかく、(死刑になるような)心当たりはないらしい。
クリシが私の手を取る。
[しかし、記憶を覗かれる可能性があると言われても、
 特別嫌がる人がいなかったのは意外ですね。
 これもエクサティシー様の人徳のなせるわざでしょうか?]
[いやいや、そんな……]
そう言われるとまるで、他人が築き上げた好感度を、
自分の都合で勝手に食いつぶしているような気がしてくる。
[ともかく、どうやらその【奇跡】は本人の記憶を見る者ではないようですね。
 これだけの人数に触れてみて、
 誰も僕のときのようなことは起こらなかったのですから。]
[どうしてクリシは例外だったんだろう?]
[……どうしてでしょうか。すみません。]
答えが出ない。
すごく仲がいいからとか?
いや、そうすると私と父さんの関係がややこしいことになるな……
[クリシの【奇跡】で変になってとか?]
[どういうこと?]
[いやほら、アタイが【奇跡】で思いっきりピョーンって飛んだところに、
 なんかの【奇跡】で嵐を起こされたら、
 グルグルーってなってどっか行っちゃうみたいな、そういうのあるじゃん。]
えーと、擬音が多くてよくわからないけど、
アピロスさんの軽くなる能力で自由に飛び回れるはずが、
相手が風を操って吹き飛ばそうとした場合、
軽くなってる分風で飛ばされやすくなってて、逆に不自由するってことかな。
能力の相性によっては、予想外の化学反応が起こるみたいな。
なるほど、そういうのあるんだ。
[つまり、クリシの【奇跡】と私の【奇跡】が干渉して、
 特殊な記憶が見えているってことね。]
[そうそう、そんな感じ。
 いやわからんけど。]
[ですが、僕の【デジャヴ】がどう干渉するするのでしょうか?]
[なんだよ【デジャヴ】って。
 というかクリシに【奇跡】があるなんて初めて聞いたぞ。]
いやこの話の流れを始めたのはアピロスさんでしょ。
テキトーに喋ってるなぁ、この人。
[僕も昨日初めて自覚したことですから。
 僕は時々、思い出すようにこれから何が起こるのか予知することがあるのです。
 それが【デジャヴ】という、初めて体験するはずなのに、
 過去に体験したことがあるかのように感じる現象に似ているということで、
 そう呼んでいます。]
ごめん、きっとこの世界にはそんなは言葉ないと思われます。
このままではクリシだけ、
自分の能力に厨二病的なオリジナルネームを付けてしまった、
ちょっと痛い子みたいな感じになってしまう……
止めるべき?
いや、止めたら止めたで
『じゃあなんで私は急に【デジャヴ】なんていう謎の単語を口走ったのか』
という、ややこしい問題が発生してしまう。
どうしよう?
混乱は避けたい。
ここは『本当にそういう単語があった』という既成事実を作る方針で行こう。
そうすれば、誰も傷つかずに済むのだ。
きっとどんな言葉も、そんな感じで生まれて来たのだ。
うん。
えーと、何の話だっけ?
[だとすればだよ、あれだ。
 みんな前は別の生き物やってたんだけど、
 クリシだけは前もクリシやってたんじゃないか?]
うん?どういうこと?
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