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静かなところにいる ~転生したら盲目難聴でした~

あきや

64.記憶?

柔らかいベッドの感触。
あれ?
私はどうしたんだっけ?
確か、色々あってクリシと和解して、それで……

そう、あまりにも痛々しく鮮明な記憶が、私の心に入ってきたのだ。
それからどうなったんだろう?
こうしてベッドで眠っていたということは、気を失ってしまったのかな。
まぁ、そうなってもおかしくないような状況だった。
元々、疑心暗鬼で疲れていたところだったし。

[目を覚まされましたか?]
クリシが私の動きに気付き、尋ねる。

まさか私が寝ていた間、ずっと隣にいたんだろうか?
しかも私はほとんど動いてないはずなのに、瞬時に目を覚ました気配に気付いたと?
うーむ、凄まじい忠誠心だ。
ヤンデレとかそういうのとは別ジャンルだとは思うけど。

[ごめん、私寝ちゃってた?]
[はい。なんだか苦しそうなお顔をされて、そのまま気を失うように眠られました。]

私はクリシにお願いして、やることやったらさっさと寝てしまったらしい。
自分勝手な女だ。

[それで、今度は何が見えたのでしょうか?]

さて、難題だ。
あの訳が分からない上に、ドロドロでセンシティブな話を、どう説明しよう?

[理解できないと思うけど、そのまま話すね。
 私はイメージの中でクリシになってたのよ。
 前回と同じようにね。
 でもそのクリシが、なんか化物に操られているみたいで、
 『クリシが私を騙して利用しようとする光景』を、
 ただ眺めていることしかできないのね。
 で、最終的に私と化物がケンカして、化物が私の首を殺さない程度に締めて、
 苦しめて、言うことを聞かせようとするのよ。
 そこでクリシ本人が頑張って、私を殺してくれて、
 そうしたら化物本体がやってきて、クリシを殺したと。
 そういう感じ。]

ふぅ、何とか説明した形にはなったかな。
まさか私の人生で、こんなに『殺す殺す』と連呼する日が来るとはね。

[すみません。
 少し理解する時間をください。]

うん。
こんなのは誰も理解できないよ。
これが異世界転生なら、そろそろ神様が現れて、
この訳が分からない状況を、説明してくれてもいい頃では?

もしもし神様、私を助けてください。
もしもし!

[イメージの内容は置いておくとして、エク様が僕に触れると、
 僕の過去や未来の記憶が見えるということでしょうか。]

この子はどうして、こんなにも私を理解しようとしてくれるんだろう?
ホント助かる。

[そういうことになるのかな]
[今のところ、そういう可能性があるというだけですが。
 まずはエク様の【奇跡】が何かをはっきりさせたいですね。
 今ならコリー様とカテトロ様もいらっしゃいますので、
 相談されてはいかがでしょうか?]
[そうだね]

あぁ、頼もしいなー。
もしかするとクリシは、神様が私を憐れんで使わした天使なのかもしれない。

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