静かなところにいる ~転生したら盲目難聴でした~
58.既視感
また、何かが見えた。
これは何なんだろう?
どうやら、クリシの視点からの何かが見えているらしいけど、今回は明らかに過去だった。
もしかすると、クリシの記憶を覗いているのかもしれない。
そうすると、最初に見えたあの光景も、過去ってこと?
心のすさんでいた頃のクリシが、私のことを裸で拘束して、首を絞め殺そうとしたことがあった?
でも、どうやら私は4年ほど寝ていたらしいし、あの光景の私の姿は、
今よりもむしろ1,2年くらい大人になっていたように見えた。
やっぱり最初の光景は、クリシの過去の記憶にしては違和感がある。
[ベッドにお連れしますね。]
クリシが私を助け起こし、肩を抱えてベッドに連れていく。
そして元通り、私はベッドで横になる。
その一つ一つのしぐさから、クリシの中にある優しさを信じてもいいような気がしてくる。
[取り乱しちゃって、ごめんね。
 何だか怖い夢を見ちゃったから。]
[謝る必要はありません。
 あなたの世話をすることが、僕の役目ですから。
 僕はいつもあなたのことを見守ってますよ。
 いつも、ずっと。]
やっぱなんか恐い。
まぁでもせっかく見守ってくれるのなら、色々聞いてみようか。
[変なこと聞いてもいい?]
[何でもどうぞ]
[クリシは【未来予知】とかできるの?]
[変なことを聞きますね。
 僕にそんなことはできませんよ。
 たまに【奇跡】という不思議な力を使って、そういうことをする人がいますが、
 僕にはありません。]
[そうなの?
 たまに妙に反応が早い時があるから、もしかしてそういう力があるのかなと思ったんだけど。]
[それは……
 これも変な話なのですが、時々今の状況を、前に経験したことがあるような気がするのです。
 それで直感的に「こうなる」って感じたことが、本当にそうなるのです。
 「今日エクサティシー様が目を覚ます」とか。]
[随分と具体的な【デジャヴ】だね]
[【デジャヴ】ですか?
 それは何でしょうか?]
しまった。
前世の単語を使ってしまった。
[見たことないはずのことが、見たことあるように感じることだよ。
 あまり使われない単語かもしれないけど。
 ともかく、そんなに具体的に未来を予知できるなら、
 それはもう【奇跡】ってやつなんじゃない?]
[たしかに、そうかもしれません。
 【奇跡】を得た人も、最初はあまり自覚しないそうですし。]
[きっとそうだよ。
 あ、でも、自分がなんか超能力を得たからって、いきなり人が変わったりしないでよ?]
[そんなことは……
 いえ、よっぽど変な未来が見えたりしたら、わかりませんね。]
実は今の私こそ、そんな感じの状況なんだけど、その話は今は置いておこう。
[話は戻りますが、怖い夢を見られたのですね。
 どのような夢だったのでしょうか?]
[それは……
 言いたくないな。
 ごめん。]
一瞬のイメージだったし、もしかすると何かの間違いだったのかもしれない。
ただ、伝えてしまうと、それが本当になってしまう気がする。
私がどんな夢を見て怯えていたのかを伝えたら、きっとクリシは悲しむ。
私はクリシの過去を糾弾したいわけではない。
それにもし、クリシが私に殺意を持っているのだとしても、
私はクリシにもう少しメイドごっこを続けて欲しいと思う。
私は弱い人だ。
[いえ、不躾な質問をしてしまいました。
 申し訳ございません。
 怖い夢を見られたのは、体調が優れないからかもしれませんね。
 熱でもあるのでしょうか?]
クリシのおでこが私のおでこに当たる。
イメージが流れ込んでくる。
これは何なんだろう?
どうやら、クリシの視点からの何かが見えているらしいけど、今回は明らかに過去だった。
もしかすると、クリシの記憶を覗いているのかもしれない。
そうすると、最初に見えたあの光景も、過去ってこと?
心のすさんでいた頃のクリシが、私のことを裸で拘束して、首を絞め殺そうとしたことがあった?
でも、どうやら私は4年ほど寝ていたらしいし、あの光景の私の姿は、
今よりもむしろ1,2年くらい大人になっていたように見えた。
やっぱり最初の光景は、クリシの過去の記憶にしては違和感がある。
[ベッドにお連れしますね。]
クリシが私を助け起こし、肩を抱えてベッドに連れていく。
そして元通り、私はベッドで横になる。
その一つ一つのしぐさから、クリシの中にある優しさを信じてもいいような気がしてくる。
[取り乱しちゃって、ごめんね。
 何だか怖い夢を見ちゃったから。]
[謝る必要はありません。
 あなたの世話をすることが、僕の役目ですから。
 僕はいつもあなたのことを見守ってますよ。
 いつも、ずっと。]
やっぱなんか恐い。
まぁでもせっかく見守ってくれるのなら、色々聞いてみようか。
[変なこと聞いてもいい?]
[何でもどうぞ]
[クリシは【未来予知】とかできるの?]
[変なことを聞きますね。
 僕にそんなことはできませんよ。
 たまに【奇跡】という不思議な力を使って、そういうことをする人がいますが、
 僕にはありません。]
[そうなの?
 たまに妙に反応が早い時があるから、もしかしてそういう力があるのかなと思ったんだけど。]
[それは……
 これも変な話なのですが、時々今の状況を、前に経験したことがあるような気がするのです。
 それで直感的に「こうなる」って感じたことが、本当にそうなるのです。
 「今日エクサティシー様が目を覚ます」とか。]
[随分と具体的な【デジャヴ】だね]
[【デジャヴ】ですか?
 それは何でしょうか?]
しまった。
前世の単語を使ってしまった。
[見たことないはずのことが、見たことあるように感じることだよ。
 あまり使われない単語かもしれないけど。
 ともかく、そんなに具体的に未来を予知できるなら、
 それはもう【奇跡】ってやつなんじゃない?]
[たしかに、そうかもしれません。
 【奇跡】を得た人も、最初はあまり自覚しないそうですし。]
[きっとそうだよ。
 あ、でも、自分がなんか超能力を得たからって、いきなり人が変わったりしないでよ?]
[そんなことは……
 いえ、よっぽど変な未来が見えたりしたら、わかりませんね。]
実は今の私こそ、そんな感じの状況なんだけど、その話は今は置いておこう。
[話は戻りますが、怖い夢を見られたのですね。
 どのような夢だったのでしょうか?]
[それは……
 言いたくないな。
 ごめん。]
一瞬のイメージだったし、もしかすると何かの間違いだったのかもしれない。
ただ、伝えてしまうと、それが本当になってしまう気がする。
私がどんな夢を見て怯えていたのかを伝えたら、きっとクリシは悲しむ。
私はクリシの過去を糾弾したいわけではない。
それにもし、クリシが私に殺意を持っているのだとしても、
私はクリシにもう少しメイドごっこを続けて欲しいと思う。
私は弱い人だ。
[いえ、不躾な質問をしてしまいました。
 申し訳ございません。
 怖い夢を見られたのは、体調が優れないからかもしれませんね。
 熱でもあるのでしょうか?]
クリシのおでこが私のおでこに当たる。
イメージが流れ込んでくる。
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