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静かなところにいる ~転生したら盲目難聴でした~

あきや

54.私は誰??

転生したら金髪王女だった。
今は色々あって、昏睡状態で囚われの身だ。
そこに、メイド服を来た少女が現れる。

彼女は私の従者だ。
どうやら、私を捕らえたワルモノを退治してくれたらしい。

彼女は私に近付き、昏睡状態の私を起こして……
くれるのかと思いきや、私の服を脱がし始めた。

そういえば私のメイドは病的なまでに私を愛していて、
時々こうして眠る私の裸を見て、性欲を発散していたのだった。
この世界の主従関係では、このくらい変態でも何でもない。
思い出してみれば、いつものことだ。
そして私は、いつも気付かないふりをしていたのだ。
女同士なので別に痛いことをされるわけでもないし。
なんか、発情期の犬みたいでかわいいし。
まぁ、満足したら助けてくれるでしょ。

突然、メイド少女はろうそくを取り出した。

あれ?
もしかして痛いことしようとしてる?
なんかいつもと違うな。
いつもだったら……

いやちょっと待て。
なんで私はいつもとは何もかも違うこの状況に納得してたの!?

ああ、これは夢だ。
さっさと起きよう。
私にそういう趣味はないし、なんだかリアルのおはようさん(仮称)に申し訳ない。

暗闇と静寂の中、ベッドで寝ている感触だけを感じる。

一回、状況を整理しよう。
私は異世界転生して、お姫様ベッドで眠る盲目難聴少女になった。
最近はおはようさんから、この世界の文字を教わっている。
おはようさんは、私のことをとても献身的に助けてくれるメイドさんなのだが、
たまにヤンデレ的な気配を漂わせる奇行に走る。
要警戒。
そして、体はかなり動かせるようになってきた。
そろそろ、ベッドから出て歩いたりもできるんじゃないかな?

私はお姫様ベッドの上を這い、ベッドサイドに腰掛ける。
そのまま前のめりになり、立ち上がろうとする。
しかし、全然足に力が入らない。
よろめいて倒れそうになった私を、おはようさんの手が支える。

え、もしかしてずっと寝てる私のそばにいたの?
恐い。
服を脱がされたりした形跡はないし、たまたま様子を見に来たタイミングで、
私がベッドから出ようとしただけかもしれないけど。
実際、まだまだ分からないことだらけだ。
ともかく、おはようさんの助けに感謝。
けど、警戒度は少し上げておこう。

私はおはようさんの肩を借りようとして、頭に触れる。



その瞬間、暗闇だった視界にイメージが浮かぶ。
何だかぼやけていてよく見えないが、メイド服を着た人になって、
裸で拘束された金髪少女の首を絞め殺している映像に見える。
それが突然、私の脳裏に焼き付く。



私は思わず、おはようさんに伸ばした手をひっこめる。
おはようさんは、呆然とする私の体を助け起こし、ベッドに戻し、布団をかけ直す。
そして、私の手の平に文字をなぞる。
しかし、今の私には、何となぞられているのか感じ取る余裕がない。

今の光景は何?
3DCGで描かれたような、全く身に覚えのない、残酷な光景。
明らかに現実ではない。
いや、明らかに私の前世の世界ではなくて、バーチャル世界のようなところでの光景だ。
そんなものが、なぜ私に見えた?

目が見えないのでわからなかったけど、今までのことを考えるなら、
今の私がいるこの現実世界とは、あのバーチャルのような光景が広がる世界なのかもしれない。
しかし、目の見えない私に、なぜ突然あんな光景が見えたの?

自分の顔に触る。
まるで人形のように整った顔。
自分の髪に触る。
腰まで届く、さらさらした長髪。
自分の胸に触る。
巨乳。
まるで、さっきの光景の金髪少女のような体。

おはようさんの奇行には、ヤンデレ気配とは別に、
まるで【未来予知】でもしているかのような行動がある。
きっとここは、【未来予知】のような超能力が存在するファンタジー世界だ。
そうすると、私もその【未来予知】能力に目覚めたのかもしれない。
それでさっきの光景が見えたと。

つまり、例えば、【おはようさんが私の首を絞め殺す未来】を予知した、とか……

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