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静かなところにいる ~転生したら盲目難聴でした~

あきや

52.死後の無??

静かなところにいる。
何も見えないし、何も聞こえない。

ただ、私の中に記憶がある。
鮮やかに光り輝く街があって、たくさんの人がいた。
私は雑音をかき消すためにイヤホンで音楽を聞き、飲食店を見ては満たされない食欲を感じ、
時計を確認してはもう時間がないと焦っていた。
そしてそんな毎日を繰り返しているうちに、いつの間にか死んでいた。
特に感動的な話もなく、自分の人生に満足することもなく、
ただ「これで終わってしまう」という焦りだけがあった。
今思うとなんだか世界中から急かされていて、ずっと焦っていたように思う。

ここには何もない。
きっとここが死後の世界なんだろう。
死んだら天国に行くとか地獄に落ちるとか、輪廻転生するとか聞いていたけど、
どうやら【無】になるらしい。

この【無】はいつまで続くのか、想像すると怖い。

だけど、何も感じず、何にも急かされることなく、ただこうして何もしなければいいというのは、
案外心地良い。
そんなことを思っているうちに、だんだんと眠くなってきた……

あれ?
なんで私は眠いの?
この眠気はどこから来たの?

わからないけど、眠くなったら眠れるみたい。
それなら永遠の無というものも……
怖くは……

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