静かなところにいる ~転生したら盲目難聴でした~
40.長旅
馬車に揺られること13日。
ようやくドワーフの町に着いたようだ。
[それじゃあ、話をしてくるからここで待ってて。]
[うん。お願い。]
今の私の周りには、100人ほどの護衛や従者が居る。
こんな集団で急に近付いたら、戦争しに来たかと思われるかもしれない。
みんな大げさだ。
少し話をしに行くだけなのだから、こんなに人数はいらないと私は思うのだけど。
しかしこれでもテアが言うには、王族の移動にしては少な過ぎるという。
カルチャーショックだけど、そういうものなら受け入れよう。
どうせ大所帯での移動になるなら、エピロスさんにも来て欲しかったけど、今回は留守番だ。
どうもうちは、王族にしては従者が少ないらしい。
チート能力を持つ人が結構いるので、戦力としては十分なのだが、
こういう人手がいることをやろうとすると、人数不足が目立ってしまうようだ。
というか従者が少ないというより、活動を広げ過ぎているているという方が正確だ。
うちは普通の王族はやらないようなことを、色々やっているから。
しかし、改めて大事だと思う。
これだけのことをするには、テアを一年間養うより、よっぽどお金がかかるかもしれない。
いや、まず百人程を13日も動かしたんだから、その食費だけで余裕で超えてるのか……
これに人件費とか馬車代とか色々入ってきて、しかもそれが往復になるのだ。
もう、いくら掛かるのかわからない。
テアは入れる保証はないと言っていた。
これで成果がなかったら、私はどう思われてしまうかな?
前世ガチャで一千万円(適当)溶かした人。
うわぁ……
日本だったらマスコミから袋叩きにされる……
テアには結構きついことを言ったけど、私の方がよっぽど穀潰しかも。
いや、穀潰しにならないための行動だったはずだけど、まさかこんな大事になるなんて……
これが支配階級ということなのか。
そりゃあ、食べきれない程の料理を用意させたあげくに、皿をひっくり返したりもするわ。
とにかく今は成功を祈ろう。
どうかヒドリオ様、慈悲を与えてください。
あれ?
そういえばこの【超能力】は、ヒドリオ様が慈悲により与えた【奇跡】だと聞いていたけど、
そう呼んでいるのはイリンイだけらしい。
それじゃあ、他の国はヒドリオ様をどう思っているんだろう?
というか、ヒドリオ様って何?
わからない。
まぁ、帰ったら父さんに聞いてみよう。
[テアティスが帰ってきました]
さぁ、審判の時だ。
[あのね。
 なんというか、これを聞いてエクはどう感じるかわからないんだけど……]
あ、終わった。
顔や体から力が抜けていく。
なんか、逆にリラックスしてきた。
そっか。
どんな現実でも、ただ受け入れればいいんだ。
私は一千万円溶かした。
よし。
[いいから、何があったのか、そのまま話して。]
[私の記憶では、ドワーフの人達は私のためなら何でもするくらいの恩があるはずだったんだけど、
 誰も知らなくて。
 「誰やお前」って……
 ほら、ドワーフって刹那的だし、すぐ格好付けて死のうとするところあるでしょ?
 だから別にそこまで昔じゃないと思うんだけど……
 とにかく、私もさすがにこのまま戻ったらまずいと思って、色々粘ったのよ。
 しばらく粘ってたら、若頭さんって人が病人を連れて出て来て、
 「癒してみや」って言うから、そうしたの。
 そしたらその若頭さんが「お前さんの伝承は長老から聞いとる。歓迎するで。」って。
 偶然門に偉い人がいて助かったね。
 それで、これからその長老達に会わせてくれるんだけど、
 私以外に入っていいのは、テアと【滴】を持たない従者一人だけ。
 それも怪しい物は一切持ち込み禁止だって。
 報告は以上です。
 私、そこそこ働いたよね?]
[超働いたよ!
 こんなに爽やかな気分、生まれて初めて!
 なんでテアはそんなに有能なの?
 もしかして女神様ですか!?]
不穏な出だしだったけど、要するに話ができるということだ。
まさか、地獄から生還できるとは思わなかった!
テアの予想していた流れとは違うけど、それでもテアほどの知名度があれば、
どうとでもなるということらしい。
ちょっと人外とかニート扱いし過ぎたかもしれない。
さて、ここからは私の交渉次第だ。
私こそ一千万円溶かしたニートにならないように、頑張ろう!
[それじゃあ行こうかクリシ。
 銃は置いて行ってね。]
[はい。お供します。]
ようやくドワーフの町に着いたようだ。
[それじゃあ、話をしてくるからここで待ってて。]
[うん。お願い。]
今の私の周りには、100人ほどの護衛や従者が居る。
こんな集団で急に近付いたら、戦争しに来たかと思われるかもしれない。
みんな大げさだ。
少し話をしに行くだけなのだから、こんなに人数はいらないと私は思うのだけど。
しかしこれでもテアが言うには、王族の移動にしては少な過ぎるという。
カルチャーショックだけど、そういうものなら受け入れよう。
どうせ大所帯での移動になるなら、エピロスさんにも来て欲しかったけど、今回は留守番だ。
どうもうちは、王族にしては従者が少ないらしい。
チート能力を持つ人が結構いるので、戦力としては十分なのだが、
こういう人手がいることをやろうとすると、人数不足が目立ってしまうようだ。
というか従者が少ないというより、活動を広げ過ぎているているという方が正確だ。
うちは普通の王族はやらないようなことを、色々やっているから。
しかし、改めて大事だと思う。
これだけのことをするには、テアを一年間養うより、よっぽどお金がかかるかもしれない。
いや、まず百人程を13日も動かしたんだから、その食費だけで余裕で超えてるのか……
これに人件費とか馬車代とか色々入ってきて、しかもそれが往復になるのだ。
もう、いくら掛かるのかわからない。
テアは入れる保証はないと言っていた。
これで成果がなかったら、私はどう思われてしまうかな?
前世ガチャで一千万円(適当)溶かした人。
うわぁ……
日本だったらマスコミから袋叩きにされる……
テアには結構きついことを言ったけど、私の方がよっぽど穀潰しかも。
いや、穀潰しにならないための行動だったはずだけど、まさかこんな大事になるなんて……
これが支配階級ということなのか。
そりゃあ、食べきれない程の料理を用意させたあげくに、皿をひっくり返したりもするわ。
とにかく今は成功を祈ろう。
どうかヒドリオ様、慈悲を与えてください。
あれ?
そういえばこの【超能力】は、ヒドリオ様が慈悲により与えた【奇跡】だと聞いていたけど、
そう呼んでいるのはイリンイだけらしい。
それじゃあ、他の国はヒドリオ様をどう思っているんだろう?
というか、ヒドリオ様って何?
わからない。
まぁ、帰ったら父さんに聞いてみよう。
[テアティスが帰ってきました]
さぁ、審判の時だ。
[あのね。
 なんというか、これを聞いてエクはどう感じるかわからないんだけど……]
あ、終わった。
顔や体から力が抜けていく。
なんか、逆にリラックスしてきた。
そっか。
どんな現実でも、ただ受け入れればいいんだ。
私は一千万円溶かした。
よし。
[いいから、何があったのか、そのまま話して。]
[私の記憶では、ドワーフの人達は私のためなら何でもするくらいの恩があるはずだったんだけど、
 誰も知らなくて。
 「誰やお前」って……
 ほら、ドワーフって刹那的だし、すぐ格好付けて死のうとするところあるでしょ?
 だから別にそこまで昔じゃないと思うんだけど……
 とにかく、私もさすがにこのまま戻ったらまずいと思って、色々粘ったのよ。
 しばらく粘ってたら、若頭さんって人が病人を連れて出て来て、
 「癒してみや」って言うから、そうしたの。
 そしたらその若頭さんが「お前さんの伝承は長老から聞いとる。歓迎するで。」って。
 偶然門に偉い人がいて助かったね。
 それで、これからその長老達に会わせてくれるんだけど、
 私以外に入っていいのは、テアと【滴】を持たない従者一人だけ。
 それも怪しい物は一切持ち込み禁止だって。
 報告は以上です。
 私、そこそこ働いたよね?]
[超働いたよ!
 こんなに爽やかな気分、生まれて初めて!
 なんでテアはそんなに有能なの?
 もしかして女神様ですか!?]
不穏な出だしだったけど、要するに話ができるということだ。
まさか、地獄から生還できるとは思わなかった!
テアの予想していた流れとは違うけど、それでもテアほどの知名度があれば、
どうとでもなるということらしい。
ちょっと人外とかニート扱いし過ぎたかもしれない。
さて、ここからは私の交渉次第だ。
私こそ一千万円溶かしたニートにならないように、頑張ろう!
[それじゃあ行こうかクリシ。
 銃は置いて行ってね。]
[はい。お供します。]
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