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静かなところにいる ~転生したら盲目難聴でした~

あきや

30.悪役令嬢

村に来ている。
そして面白い少年を見つけた。

「ちょっとこのナノス君を屋敷に連れて行ってもいいですか?」
[ええもちろん。
 話は聞いています。
 光と音を失って、さぞお辛いことでしょう。
 うちの子が慰めになるのなら、どうぞ連れて行ってください。]

慰め?
私は不幸により心を病んで、
村の少年を連れ去っては慰み者にしている悪役令嬢ということになったのだろうか?
とんでもない誤解だ。

「いや、ただナノス君の前世から興味深いものが見えたから、
 じっくり見させてもらうだけだけだよ。」
[気遣いは不要ですよ。
 少しやんちゃなところはありますが、本当は優しくて我慢強い子です。
 多少痛くしても大丈夫です。]

だめだ。
話を聞いてくれない。
後で本人の口から、間違いはなかったことを証言してもらうしかない。

ナノス君を連れて馬車に戻る。

しばらくして、馬車が動き出す。
前回は展開を急いで失敗してしまった。
今回はちゃんと事前に話しておこう。
「ちょっと唇に触るね。
 その感触があれば、私もナノス君が何をしゃべっているのかわかるから。」
ナノス君の唇に触れる。
「本当にこれでわかるのか?
 別に気を使わなくても……」
「わかるよ」
「マジかよ!すごいな、本当に聞こえてないのか?」
「マジだよ。
 それで、これから屋敷に行ったらさっきと同じように頭に触れさせてもらうんだけど、
 実は手で触れるよりも頭同士で触れたほうが良く見えるんだ。
 だから少し顔が近くなるけど……」
「そんなややこしい話はいいよ。
 アンタが苦労していることくらい、見ればわかる。
 そりゃストレスもたまるよ。
 それに俺はアンタのおかげで勉強とか色々助けられているんだ。
 アンタのためにできることなら、俺は何でもしてやる。」

格好良いことを言う少年だ。
誤解に基づいた発言であることを除けば。

「何をされると思っているのかわからないけど、ただ前世を見るだけだからね。」
「そんなわけないだろ。
 もしかして、小さいからってガキ扱いしているのか?
 ガキ扱いは嫌いなんだ。
 油断してると、逆に食っちまうぜ?」

学校はどんな言葉を教えているんだ!

「いや本当に変なことしないし、そっちもしないでよ!?」

今は拳銃を手にした狂犬がいる。
あまり刺激してはいけない。

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