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静かなところにいる ~転生したら盲目難聴でした~

あきや

28.オーバーテクノロジー

「説明してなかったけど、頭に触るだけじゃなくておでこを合わせると鮮明に見えるの。
 だからちょっと顔が近くなるけど、気にしないでね。」
「はい」
これで心の準備をしてもらえる。
もう大丈夫なはず。
私は再びシディの前髪をかき上げ、おでこを近付ける。
イメージが流れ込んでくる。



しばらくして、シディから離れる。
「クリシ、これから話すことをメモして。」
今見たことを忘れないようにしなくては。
[どうぞ]
「【銃】の作り方」

シディが前世で作っていたものを、できる限り鮮明に話す。
銃と言っても、おそらくかなり初期のものだ。
素人である私にとっては、銃というものは引き金を引くだけで、
殺傷力のある弾丸が正確に飛んでいく物だと思っていた。
しかし、今クリシに書き記してもらっている銃はかなり弱い。
撃つためにはまず銃口から弾薬を込め、撃鉄を引き、引き金を引く必要がある。
とっさには撃てない。
それに撃ったとしても、狙ったところには当たらない。
威力もかなり痛いくらいで、致命傷にはならない。
あまり役には立たなそう。
特に、このチート能力バトルをしている世界では。
しかし、もしこれがうまくいけば、私の奇跡が力になる可能性が見えてくる。

「どう?これを作れそう?」
[すみません。僕にはどういう理屈でこれが武器になるのか、さっぱりわかりません。
 ですが、コリー様なら何かわかるかもしれません。」

この世界においてはオーバーテクノロジーなのだとしたら、
作り方を教えられても意味が分からなくて当然だ。
理解されないかもしれないけど、一応父さんに聞いてみよう。

クリシに連れられて、父さんの部屋に移動する。
[着きました]
「ねえ、父さん。見て欲しいものがあるんだけど。お願いクリシ。」

しばらくして、父さんの手が触れる。
[これなら作れるだろう。
 どういう理屈で弾が飛ぶのかは、私にもわからないがな。
 しかし、せっかくお前の奇跡から生まれたアイディアだ。
 試してみよう。]

母さんの手が触れる。
[これがうまくいったら、いよいよあなたの奇跡の力が証明されるわね。
 よくやったわ。おめでとう。]

そういえば、まだ私がいい加減な嘘をついていて、
本当は何の奇跡も宿っていない可能性もあった。
ようやくこれで、私も堂々と【奇跡の担い手】を名乗れる。
しかし、意外と母さんが一番乗り気なのね。

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