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静かなところにいる ~転生したら盲目難聴でした~

あきや

18.戦士の記憶

ダララッ!ダラララッ!
女が引き金を引くとともに、銃声が鳴り響く。
俺たちの周りに銃痕が作られていく。
彼女は俺たちを殺そうとしている。
なぜ?

気まぐれで助けた戦争孤児たちの中に、彼女はいた。
感謝されるとは思っていなかった。
他の子たちは家族を殺した俺たち戦士を、結局は最後まで許してくれなかった。
だが、彼女は違った。
平和のために殺すという、矛盾した存在である俺たちを、
民間人の少女が理解してくれた。
俺たちを認めてくれた。
奇跡のように思えた。
スパイではないかと疑う者もいた。
しかし、彼女と共に過ごすうちに、段々と疑う者もいなくなった。

だがそれは、彼女の嘘だった。
彼女は俺たちの信用を得ると、セキュリティを破り、機密情報を奪い逃走した。
決して民間人に破られるような、軟弱なセキュリティではない。
彼女の背後には大きな組織があることは明らかだ。

ダララララッ!!
仲間の迷彩服が、みるみる血に塗れていく。
確かな殺意をもって、急所を撃たれている。
そして立っていることもできなくなり、力なく倒れこむ。
「あの女……
 仲間だと思ってたのに……
 殺してやる……
 絶対に……!」
既に体に力はなく、息も絶え絶えだ。
もう助けられないだろう。

こいつは冗談半分で「護身のため」と、彼女に銃の使い方を教えたりしていたらしい。
それも、ほんの少しだろう。
しかし、明らかにこいつより彼女のほうが熟練した戦士だった。
彼女は特別な訓練を受けている。
平和を愛する民間人ではなかった。
結局のところ、彼女の全ては嘘だった。

「あとは任せて、お前はそこで休んでいろ。
 俺が代わりに、殺してやる。」
俺は銃を構え、彼女を狙い、引き金を引く。
ダララッ!ダララララッ!

騙し合いでは負けたが、戦闘では俺の勝ちだった。
血塗れになった彼女近づき、生死を確認する。
まだ何かしてくるかもしれない。
銃を蹴り飛ばし、他に武器を持っていないか確認する。
ふと服の下にペンダントをしていることに気づく。
ずっと昔に俺がプレゼントしたものだ。

まだ持っていた?本当に仲間だった?また騙すつもりか?わからないふざけるなしらじらしい許せない信じたい死ぬな俺が殺した死ね信じられない許してくれわからない辛い痛い苦しい……

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