バーテンダーに落ちて酔わされ愛されて
XXXVⅠ
スティーブさんショーマがこっちに来ること分かってたからあんなニヤニヤしてたんだ。
いや、だからってなにも突撃してこなくてもいいでしょ。
やっぱり一言言ってやろうと思えば、ショーマの顔は少々不機嫌そうで、なんでこんな顔するのかと思えば、カウンターの向こう側から「嫉妬してんじゃねーぞ」とスティーブさんの声がした。
「え?ショーマ嫉妬してるの?」
一体どこに嫉妬するようなシチュエーションがあった?
私はただスティーブさんのカクテルを飲んでいただけなのに…ともう一口飲もうとした私の手を止めたショーマは、私からグラスを奪い取って、せっかく私の為に作られたサイドカーを全て飲んでしまった。
最悪だ!私のものなのに!めっちゃ美味しかったのに!
コン、と空のグラスを置いたショーマはカウンター越しにスティーブさんに詰め寄り、
「アヤナが飲んでいいカクテルは、俺が作ったものだけだから」
___低く牽制するような声でスティーブさんに囁いた。
カウンターからゆっくり身体を離すと「今日寝かさないから」と私にしか聞こえないトーンで言うと、他の人と会話しに戻っていってしまった。
「嫉妬が強いうえに、独占欲も強い。お嬢ちゃんあの男に捕まっちまって大変だなぁ」
スティーブさんの言葉にあはは、と笑って返すと…確かにと思った。
それでも、私はショーマが好きだしきっとこの先離れるだとか別れるだとか考えきれない。
「別れるとか冗談でも言われたら私泣くな~。いや、きっとお先真っ暗になって死ぬたくなるかも」
「うわ、アヤナさんそれ重症…」
ちょっと引き気味に返してきた來さんに「だね」と笑って返す。
スティーブさんは「わっはは」と豪快な笑い方をして、そんなに好きになっちまうなんてアイツに洗脳でもされたか?と言われてしまった。
洗脳、か…それは冗談だと思うけど、洗脳というより依存に近いよね。
「ふふっ、私ショーマから離れられない病になっちゃったらしいです」
そう冗談めいたことを返してもう一度だけスティーブさんにサイドカーが飲みたいと頼んだらすぐに作ってくれた。
「そう言えば、サイドカーのカクテル言葉ってなんですか?」
今の私に合ったものを作ってくれてるはずだから、きっといい意味が込められてるんだと思う。…思いたい。
ドキドキしながら生唾を飲み込み、このカクテルの意味を待つ。
「サイドカーのカクテル言葉は___“いつも二人で”」
いつも二人で…やっぱり素敵な言葉だ。
「本当はショーマが作ってやるのが良かったんだだが、俺からは“これからも2人で何事も乗り越えて、幸せになってほしい”そんな意味を込めて作った」
嗚呼、ヤバいこの人もいい男すぎる。こんなことがさらっとできちゃうなんて素敵。
「スティーブさんありがとうございます!あぁ、ヤバいカッコいい、好き」
「お?俺のことが好きか?カッコいいか?」
「はい!カッコ良すぎて惚れちゃいそうですね!」
「アヤナさん、そこまでにしておいた方がいいですよ」
「え、なんで?來さんもカッコいいって思いますよね?」
「思うけど、アヤナさんが言うのと俺とが言うのとじゃ全然違うから___って、ほら嫉妬深い男が来ちゃった」
來さんのその最後の言葉を聞いた瞬間、背後からゾクリとするような圧が掛かり、恐る恐る振り返ってみると___前を思いっきり向きなおしてしまったくらい黒く怖い笑みを向けながら近づいてくる人物がいた。
来るな、来るなという私の願いは悲しくも叶わず…。
「アヤナ、旦那の前で堂々と他の男をカッコいいとか惚れそうだとかよく言えるね?」
「いや、これはね、」
「ん?」
ひえぇぇっ、怖い!こっわ!腰を抱くその手が怖いです!
ん?とたった一言に有無を言わさない圧を感じて何も言えなくなると、ショーマは來さんやスティーブさんがいるにもかかわらず、とんでもない台詞を吐いた。
「朝までコースと朝からコース両方ね」
「ひッ…」
「うっわ、ショーマさんそれは鬼コースすぎます」
「Hahaha! Shoma,you’re crazy!」
朝までと朝からのコースの刑を言い渡され、すでに死にそうになっている私に私の旦那はトドメを刺してきた。
「ゴムが無くなってもやめてあげない。本当の意味で抱き潰すから」
___…甘く甘い囁きには程遠く、真逆な言葉を紡いだ。
【サイドカー/いつも二人で】
いや、だからってなにも突撃してこなくてもいいでしょ。
やっぱり一言言ってやろうと思えば、ショーマの顔は少々不機嫌そうで、なんでこんな顔するのかと思えば、カウンターの向こう側から「嫉妬してんじゃねーぞ」とスティーブさんの声がした。
「え?ショーマ嫉妬してるの?」
一体どこに嫉妬するようなシチュエーションがあった?
私はただスティーブさんのカクテルを飲んでいただけなのに…ともう一口飲もうとした私の手を止めたショーマは、私からグラスを奪い取って、せっかく私の為に作られたサイドカーを全て飲んでしまった。
最悪だ!私のものなのに!めっちゃ美味しかったのに!
コン、と空のグラスを置いたショーマはカウンター越しにスティーブさんに詰め寄り、
「アヤナが飲んでいいカクテルは、俺が作ったものだけだから」
___低く牽制するような声でスティーブさんに囁いた。
カウンターからゆっくり身体を離すと「今日寝かさないから」と私にしか聞こえないトーンで言うと、他の人と会話しに戻っていってしまった。
「嫉妬が強いうえに、独占欲も強い。お嬢ちゃんあの男に捕まっちまって大変だなぁ」
スティーブさんの言葉にあはは、と笑って返すと…確かにと思った。
それでも、私はショーマが好きだしきっとこの先離れるだとか別れるだとか考えきれない。
「別れるとか冗談でも言われたら私泣くな~。いや、きっとお先真っ暗になって死ぬたくなるかも」
「うわ、アヤナさんそれ重症…」
ちょっと引き気味に返してきた來さんに「だね」と笑って返す。
スティーブさんは「わっはは」と豪快な笑い方をして、そんなに好きになっちまうなんてアイツに洗脳でもされたか?と言われてしまった。
洗脳、か…それは冗談だと思うけど、洗脳というより依存に近いよね。
「ふふっ、私ショーマから離れられない病になっちゃったらしいです」
そう冗談めいたことを返してもう一度だけスティーブさんにサイドカーが飲みたいと頼んだらすぐに作ってくれた。
「そう言えば、サイドカーのカクテル言葉ってなんですか?」
今の私に合ったものを作ってくれてるはずだから、きっといい意味が込められてるんだと思う。…思いたい。
ドキドキしながら生唾を飲み込み、このカクテルの意味を待つ。
「サイドカーのカクテル言葉は___“いつも二人で”」
いつも二人で…やっぱり素敵な言葉だ。
「本当はショーマが作ってやるのが良かったんだだが、俺からは“これからも2人で何事も乗り越えて、幸せになってほしい”そんな意味を込めて作った」
嗚呼、ヤバいこの人もいい男すぎる。こんなことがさらっとできちゃうなんて素敵。
「スティーブさんありがとうございます!あぁ、ヤバいカッコいい、好き」
「お?俺のことが好きか?カッコいいか?」
「はい!カッコ良すぎて惚れちゃいそうですね!」
「アヤナさん、そこまでにしておいた方がいいですよ」
「え、なんで?來さんもカッコいいって思いますよね?」
「思うけど、アヤナさんが言うのと俺とが言うのとじゃ全然違うから___って、ほら嫉妬深い男が来ちゃった」
來さんのその最後の言葉を聞いた瞬間、背後からゾクリとするような圧が掛かり、恐る恐る振り返ってみると___前を思いっきり向きなおしてしまったくらい黒く怖い笑みを向けながら近づいてくる人物がいた。
来るな、来るなという私の願いは悲しくも叶わず…。
「アヤナ、旦那の前で堂々と他の男をカッコいいとか惚れそうだとかよく言えるね?」
「いや、これはね、」
「ん?」
ひえぇぇっ、怖い!こっわ!腰を抱くその手が怖いです!
ん?とたった一言に有無を言わさない圧を感じて何も言えなくなると、ショーマは來さんやスティーブさんがいるにもかかわらず、とんでもない台詞を吐いた。
「朝までコースと朝からコース両方ね」
「ひッ…」
「うっわ、ショーマさんそれは鬼コースすぎます」
「Hahaha! Shoma,you’re crazy!」
朝までと朝からのコースの刑を言い渡され、すでに死にそうになっている私に私の旦那はトドメを刺してきた。
「ゴムが無くなってもやめてあげない。本当の意味で抱き潰すから」
___…甘く甘い囁きには程遠く、真逆な言葉を紡いだ。
【サイドカー/いつも二人で】
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