詩とは言いきれない短文の呟き

SSKK

翔び超えたい嵐には

「人は時を操れるのか」

実に浪漫溢れるテーマに
挑み続ける男がいた

ーーパリィ……ン。

飽くなき探究を持って

男は今日も

検証へと臨む

「ここに今しがた割れた
妻のお気に入りのティーカップがある」

マイセンだか宮廷だか知らないが
(あと必要なものは)

「あなた?」
食器洗ってくれたと足音が

(よし)
これで全てだ
"いざ"
意気込んで跪く

割れたカップを高々と
唱える呪文は簡潔に

「ごめん、割った」

「……………………」
 
体感時間は永遠(とわ)に似たり

「っきゃーーっ!!」

ーーカチッ。
「……やはり限界か」
妻の時間を数秒止める実験結果
10秒の壁を越えられない

「まぁたぁなぁのぉねえぇぇぇーー!!!?」
つきものである爆発は

研究とは
ハイリスクかつローリターン
勿論残るはリスクのみ

(今度はブランドバッグにせねば)
暴風に身を曝しつつ
次なる挑戦へ想いを馳せて
男の思考は翔んでいった……

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