詩とは言いきれない短文の呟き

SSKK

それは雨が咲かせた花

(都会のは見飽きたろうし)
君と初めてのクリスマス
サプライズをと企てて

山間にある小さな村の
自然の景色をプレゼント

車走らす4時間半
ひた歩くこと1時間

雲行きどんどん怪しくなって
雨はいつしか雪に変わって
二人の熱意奪って行く

田舎の料理の精一杯も
ささやかだった露天風呂にも
回復の兆しは見られない

疲れたと零す表情に
「無し寄りの無し」滲んでる
もう後がないって確実だ

<急務発生>

"完全に立つ
破滅フラグを折りましょう"

雪の降り止む頃合いに
"星よ頼む"
全てを賭けた

……全く見えない
ガイドに載るのは
"心に残る特別な夜"
やっちゃ駄目だよ誇大広告

(終わった)
破局のブレスが今正に

"凄い"
感嘆の声と輝く瞳
喜ぶ顔が何故"見える"のか?

薄暗い
薄明かるい
夜と呼ぶには明るくて

(星じゃない)

昼間程とは行かずとも
夜中に空が青いと分かる
月の周りで無くても雲が
山々が白く聳える様も
くっきり全てが冴えていて

"スマホで撮ってもこんなに綺麗"
見てみてとはしゃぐ彼女も照らす
月の光が雪に反射の
「雪明かり」の中

綺麗で良かった……
見たかったのは景色より

やっと出逢えた安堵と感動
何かもう全てに感謝したくなった

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