追憶の刃ーーかつて時空を飛ばされた殺人鬼は、記憶を失くし、200年後の世界で学生として生きるーー
【第十二話】実技訓練⑧
そんな会話をしていると、準備体操の時間はあっという間に過ぎた。
ユウカと話しながらのため、経過するのもすごく早く感じる。
『LOVE祭り』の話題も都合よく逸れてくれた。
先生は再び笛を吹き、生徒たちを集合させる。
「それでは!!本日の実技訓練を行う!!名前を呼ばれた者はそれぞれ前に出るように!!」
準備体操が終わったらもう実戦だった。
練習や基礎体力作りはこの授業では行わないということだ。
あくまでも『実技』の授業ということらしい。
実際の現場では悠長に練習してる時間もないため、その辺を含めての『訓練』ということだ。
逆に準備体操は許されるんだなと思わないでもなかったが、そこはあくまで教育機関ということだろう。
恭司は気にしないことにした。
「それでは、第1戦目!!『モーリス・ブラウン』!!『クルト・ロガー』!!前に出ろ!!」
1戦目は両方男だった。
生徒側の集まりから2人前に進み、格技場の中心で武器を構え、向かい合う。
2人の生徒の内の1人であるモーリスという男は、いかにもな格闘家タイプだった。
手にトンファーのような武器を持っており、身軽そうな印象を受ける。
対するクルトという男は剣士タイプだ。
両刃の細剣を手に構え、騎士然とした佇まいをしている。
両方とも正直あまり強そうな印象は受けなかったが、恭司は何ともなしにその様子を見ていた。
「始め!!」
先生が号令をかける。
すると、
号令の瞬間にモーリスが飛び出した。
敵となるクルトに向かって一直線に突進し、トンファーを横薙ぎに一閃。
クルトは剣を盾にして辛くも防いだが、モーリスの攻撃は止まらなかった。
見た目通りの軽快な動きで即座に追撃を敢行し、フットワークを活かしながら打撃を畳み掛ける。
クルトは防ぐに手一杯となり、すぐには反撃に移れないようだった。
細剣を器用に使いこなしてはいるようだが、モーリスの方が一枚上手ということだろう。
戦いは防戦一方となり、恭司はその様子を唖然とした様子で見ていた。
「どう?うちのクラスは?」
ふと、ユウカが恭司にコッソリと尋ねかける。
恭司は微妙な微笑みを返した。
「正直、Bクラスって上から2番目と聞いていた割にあんまパッとしない奴らだなと思っていたんだが……」
恭司は視線を2人の戦いへと戻す。
そこには、そのまま番狂わせ無しにモーリスの勝った姿が映し出されていた。
クルトが床に倒れ、モーリスが膝に手を置いて息を切らしている。
先生は気絶したモーリスを生徒に運ばせ、次の対戦の組み合わせを発表すると、呼ばれた次の2人が前へ出ていった。
生徒が気絶するなんて日常茶飯事で、特に授業を中断する理由にはならないということだろう。
恭司は思わずため息を吐き出す。
「見た目通りだったな」
ユウカと話しながらのため、経過するのもすごく早く感じる。
『LOVE祭り』の話題も都合よく逸れてくれた。
先生は再び笛を吹き、生徒たちを集合させる。
「それでは!!本日の実技訓練を行う!!名前を呼ばれた者はそれぞれ前に出るように!!」
準備体操が終わったらもう実戦だった。
練習や基礎体力作りはこの授業では行わないということだ。
あくまでも『実技』の授業ということらしい。
実際の現場では悠長に練習してる時間もないため、その辺を含めての『訓練』ということだ。
逆に準備体操は許されるんだなと思わないでもなかったが、そこはあくまで教育機関ということだろう。
恭司は気にしないことにした。
「それでは、第1戦目!!『モーリス・ブラウン』!!『クルト・ロガー』!!前に出ろ!!」
1戦目は両方男だった。
生徒側の集まりから2人前に進み、格技場の中心で武器を構え、向かい合う。
2人の生徒の内の1人であるモーリスという男は、いかにもな格闘家タイプだった。
手にトンファーのような武器を持っており、身軽そうな印象を受ける。
対するクルトという男は剣士タイプだ。
両刃の細剣を手に構え、騎士然とした佇まいをしている。
両方とも正直あまり強そうな印象は受けなかったが、恭司は何ともなしにその様子を見ていた。
「始め!!」
先生が号令をかける。
すると、
号令の瞬間にモーリスが飛び出した。
敵となるクルトに向かって一直線に突進し、トンファーを横薙ぎに一閃。
クルトは剣を盾にして辛くも防いだが、モーリスの攻撃は止まらなかった。
見た目通りの軽快な動きで即座に追撃を敢行し、フットワークを活かしながら打撃を畳み掛ける。
クルトは防ぐに手一杯となり、すぐには反撃に移れないようだった。
細剣を器用に使いこなしてはいるようだが、モーリスの方が一枚上手ということだろう。
戦いは防戦一方となり、恭司はその様子を唖然とした様子で見ていた。
「どう?うちのクラスは?」
ふと、ユウカが恭司にコッソリと尋ねかける。
恭司は微妙な微笑みを返した。
「正直、Bクラスって上から2番目と聞いていた割にあんまパッとしない奴らだなと思っていたんだが……」
恭司は視線を2人の戦いへと戻す。
そこには、そのまま番狂わせ無しにモーリスの勝った姿が映し出されていた。
クルトが床に倒れ、モーリスが膝に手を置いて息を切らしている。
先生は気絶したモーリスを生徒に運ばせ、次の対戦の組み合わせを発表すると、呼ばれた次の2人が前へ出ていった。
生徒が気絶するなんて日常茶飯事で、特に授業を中断する理由にはならないということだろう。
恭司は思わずため息を吐き出す。
「見た目通りだったな」
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