追憶の刃ーーかつて時空を飛ばされた殺人鬼は、記憶を失くし、200年後の世界で学生として生きるーー
【第六話】ラウド・ウォーリア⑤
犯罪者……人殺し……クズ……。
聞こえの悪い言葉を敢えて大きな声で強調し、ラウドは高圧的に言い散らした。
これまでの意趣返しなのだろう。
わざと周りに聞こえるように言っている。
恭司もこれにはさすがにイラつきを抑えきれなかった。
言い過ぎのレベルじゃない。
言ってはならないことを、平気で言っている。
コロシテヤリタイ。
 「……だから、それはあくまで母親の話だよ。私には関係無い」
ユウカは涙目になるのをグッとこらえ、なるべく冷静な声音でそう言い返した。
そこには、怒りや悲しみと共に、冷えるような殺気が漏れ出ている。
感情が度を通り越して、とうとう殺意が芽生え出したのだ。
ユウカはもう口で争おうとはしていない。
力ずくで、無理矢理、強制的に、相手の口を塞ごうとしている。
例えそれが一時ではなく永遠のものになったとしても、ユウカは問題無いと判断してしまっているのだ。
しかし、
「ハッ!!関係ないだと!?関係ないはずが無いだろう!!貴様は市民の気持ちを考えたことがあるのか!?クレイアがこの国に何をしてきて、何をしているのかを貴様も知っているだろう!!貴様はあの連中の親玉、『ユウナ・バーレン』の一人娘だ!!人殺しの!!最低最悪の!!犯罪者と同じ血が流れているんだ!!そんな輩が街中を平気な顔をして歩かれて、市民が怖がらないはずなど無いだろう!!貴様を監視し、抑制することは!!そういった市民の恐怖を和らげるために必要な公務なのだ!!!!」
ユウカはもう話す気がなくても、ラウドの舌は止まらなかった。
むしろ周囲の人間からも「そうだそうだ」と声援を受け、より脂が乗ってきている。
ラウドもまた、徹底抗戦するつもりだ。
「……本当に聞き分けのない獣……。もういいよ。やってやる。後悔するなよ、ボンクラ」
ユウカはゆっくりと立ち上がった。
空気が冷たくなり、とうとう殺気が店中に充満している。
怒りは既に殺意へと変貌を遂げたのだ。
もう倒すつもりなんてない。
殺るつもりだ。
「やってみろ犯罪者が。正義の鉄槌を下してやる」
ラウドもまた応戦体制。
途端、
店の中の空気がピシリと張り付いたのが分かった。
恐ろしく殺伐としている。
もう第三者の介入以外の手段で火元を消し止めることなど出来ないだろう。
火は既に、大火となってしまったのだ。
先ほどガヤガヤしていた野次馬も、二人の様子を見て明らかに顔色を変えている。
急ぎ足でさっさと店の外へと出ていく様は、まるで触らぬ神に祟りなしとでも言わんばかりだ。
勿論、店員も注意になど来ない。
聞こえの悪い言葉を敢えて大きな声で強調し、ラウドは高圧的に言い散らした。
これまでの意趣返しなのだろう。
わざと周りに聞こえるように言っている。
恭司もこれにはさすがにイラつきを抑えきれなかった。
言い過ぎのレベルじゃない。
言ってはならないことを、平気で言っている。
コロシテヤリタイ。
 「……だから、それはあくまで母親の話だよ。私には関係無い」
ユウカは涙目になるのをグッとこらえ、なるべく冷静な声音でそう言い返した。
そこには、怒りや悲しみと共に、冷えるような殺気が漏れ出ている。
感情が度を通り越して、とうとう殺意が芽生え出したのだ。
ユウカはもう口で争おうとはしていない。
力ずくで、無理矢理、強制的に、相手の口を塞ごうとしている。
例えそれが一時ではなく永遠のものになったとしても、ユウカは問題無いと判断してしまっているのだ。
しかし、
「ハッ!!関係ないだと!?関係ないはずが無いだろう!!貴様は市民の気持ちを考えたことがあるのか!?クレイアがこの国に何をしてきて、何をしているのかを貴様も知っているだろう!!貴様はあの連中の親玉、『ユウナ・バーレン』の一人娘だ!!人殺しの!!最低最悪の!!犯罪者と同じ血が流れているんだ!!そんな輩が街中を平気な顔をして歩かれて、市民が怖がらないはずなど無いだろう!!貴様を監視し、抑制することは!!そういった市民の恐怖を和らげるために必要な公務なのだ!!!!」
ユウカはもう話す気がなくても、ラウドの舌は止まらなかった。
むしろ周囲の人間からも「そうだそうだ」と声援を受け、より脂が乗ってきている。
ラウドもまた、徹底抗戦するつもりだ。
「……本当に聞き分けのない獣……。もういいよ。やってやる。後悔するなよ、ボンクラ」
ユウカはゆっくりと立ち上がった。
空気が冷たくなり、とうとう殺気が店中に充満している。
怒りは既に殺意へと変貌を遂げたのだ。
もう倒すつもりなんてない。
殺るつもりだ。
「やってみろ犯罪者が。正義の鉄槌を下してやる」
ラウドもまた応戦体制。
途端、
店の中の空気がピシリと張り付いたのが分かった。
恐ろしく殺伐としている。
もう第三者の介入以外の手段で火元を消し止めることなど出来ないだろう。
火は既に、大火となってしまったのだ。
先ほどガヤガヤしていた野次馬も、二人の様子を見て明らかに顔色を変えている。
急ぎ足でさっさと店の外へと出ていく様は、まるで触らぬ神に祟りなしとでも言わんばかりだ。
勿論、店員も注意になど来ない。
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