追憶の刃ーーかつて時空を飛ばされた殺人鬼は、記憶を失くし、200年後の世界で学生として生きるーー
【第二話】模擬戦⑨
「さすがに!!これ以上は看過出来ない!!」
ユウカは吹き飛ばれながらも器用に体制を整える。
前を見ると、恭司の追撃はまだ続いている様子だった。
息を吐かせるつもりはないということだろう。
次は上からの振り下ろしを考えているようだが、ユウカもいつまでも攻撃され続けるほど甘くはない。
瞬時に判断してその一撃を躱すと、まるで本当の瞬間移動のような速度でその場から撤退した。
さっきまででも十分にあり得ないスピードだったが、今回のはそれをもさらに大きく上回る。
まるで風。
人間に出せる最高速度。
最強の移動術。
誰にも見せたことのない、ユウカの本当の奥の手。
かつて、母親から直々に教わった秘技の一つ、
ーー『瞬動』。
「もう怒った!!これはホントの本気だからね!!」
ユウカは恭司から離れた場所で、木刀を突きに構えた。
どう考えても先手じゃ届かない場所だ。
後手でカウンター狙いだろう。
恭司はそう判断した。
だが、
ユウカはまるでこれから突っ込む予定であるかのように、体重を前に前にと移す。
恭司は瞬間的に判断を修正した。
ユウカはカウンターのタイミングを待つつもりなどない。
これは、間違いなく先手必勝を狙う構えだ。
「こればかりはさすがに光栄に思って!!これはもう、身体能力とかじゃなくて、私の純然たる"技"だから!!」
途端、
ユウカはその場から凄まじい速度で恭司に突き込んだ。
ユウカの立っていた地面は無残なほどに激しく破壊され、正しく一陣の風となって恭司に突きの一撃を放つ。
それはもはや刀技の範疇には収まっていない。
まるで弾丸。
本当に目にも留まらぬ速さで、ユウカは気付けば恭司の背後にまで移動していた。
そして、
ユウカの通ってきた地面は著しくめくり上がり、速さだけでなく破壊力も高かったことが、傍目からでも一瞬で分かった。
しかし……
「何……で……!?」
圧倒的な移動速度に、圧倒的な破壊力。
急所は敢えて外して打ち込んだものの、本当なら恭司は倒れているはずだった。
肩が外れているはずだった。
立っていられないはずだった。
なのに……
恭司は平然と、そこに立ったままだった。
ユウカは吹き飛ばれながらも器用に体制を整える。
前を見ると、恭司の追撃はまだ続いている様子だった。
息を吐かせるつもりはないということだろう。
次は上からの振り下ろしを考えているようだが、ユウカもいつまでも攻撃され続けるほど甘くはない。
瞬時に判断してその一撃を躱すと、まるで本当の瞬間移動のような速度でその場から撤退した。
さっきまででも十分にあり得ないスピードだったが、今回のはそれをもさらに大きく上回る。
まるで風。
人間に出せる最高速度。
最強の移動術。
誰にも見せたことのない、ユウカの本当の奥の手。
かつて、母親から直々に教わった秘技の一つ、
ーー『瞬動』。
「もう怒った!!これはホントの本気だからね!!」
ユウカは恭司から離れた場所で、木刀を突きに構えた。
どう考えても先手じゃ届かない場所だ。
後手でカウンター狙いだろう。
恭司はそう判断した。
だが、
ユウカはまるでこれから突っ込む予定であるかのように、体重を前に前にと移す。
恭司は瞬間的に判断を修正した。
ユウカはカウンターのタイミングを待つつもりなどない。
これは、間違いなく先手必勝を狙う構えだ。
「こればかりはさすがに光栄に思って!!これはもう、身体能力とかじゃなくて、私の純然たる"技"だから!!」
途端、
ユウカはその場から凄まじい速度で恭司に突き込んだ。
ユウカの立っていた地面は無残なほどに激しく破壊され、正しく一陣の風となって恭司に突きの一撃を放つ。
それはもはや刀技の範疇には収まっていない。
まるで弾丸。
本当に目にも留まらぬ速さで、ユウカは気付けば恭司の背後にまで移動していた。
そして、
ユウカの通ってきた地面は著しくめくり上がり、速さだけでなく破壊力も高かったことが、傍目からでも一瞬で分かった。
しかし……
「何……で……!?」
圧倒的な移動速度に、圧倒的な破壊力。
急所は敢えて外して打ち込んだものの、本当なら恭司は倒れているはずだった。
肩が外れているはずだった。
立っていられないはずだった。
なのに……
恭司は平然と、そこに立ったままだった。
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